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ホットプレートがもたらす、家庭円満の秘訣とは⁉

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:伊藤ゆずは(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「たこパ」という言葉をご存じだろうか?
「たこパ」とは、「たこ焼きパーティ」を略したもの。ここ数年、主婦や若い女性を中心にたこ焼きをホームパーティの主役料理に据えるのがブームとなっている。フランス発のル・クルーゼやストウブなどのホーロー鍋を思わせるお洒落なデザインのホットプレート(たこ焼きプレート付き)の登場もブームの追い風となっているにちがいない。
 
子育て世帯の我が家も、数年前に何度か「たこパ」にお誘いいただく機会を得た。特に思い出深いのは、息子二人と夫が通う空手仲間のお宅で開催された「たこパ」だ。たこやねぎ、揚げ玉に紅しょうが……という定番具材にみじん切りにしたキャベツをたっぷり加えたヘルシーたこ焼きのほか、とろけるチーズ&ウィンナー入り、という子ども大ウケの変化球メニューも供された。家族中ですっかり「たこパ」に魅了され、友人宅からの帰り道では「うちも、たこ焼き器買おうよ!」「野菜もたくさんとれるし!」と大盛り上がりだった。
 
ところが翌日、酔いから覚めると現実が待っていた。たこ焼きの作れるホットプレートを探すべく夫と並んで通販サイトを眺めているうちに、ハッと我に返ったのだ。食べ盛り男子2人のいる我が家で、たまにはホームパーティでも使えるホットプレート……となると、かなりの大きさになる。すでにすし詰め状態の我が家のパントリーの、どこにそれを収納するスペースがあると言うのか。夫とふたり、ホットプレートの商品詳細ページを開きながらすっかり意気消沈。「また今度にしよっか」とPCを閉じたのだった。
 
コロナ禍でホームパーティも開催されなくなり、「たこパ」のことは家族の誰もが忘れ去った……そう思っていた。しかし、あきらめの悪い夫の中では「たこパ」に対する熱い思いがくすぶっていたらしい。先日、義母の通院付き添いで実家に帰った際に、たこ焼き器を持ち帰ってきたのだ。「息子1号(長男)の誕生日に、『たこパ』しようと思って借りてきた」と、はにかみながら。
 
誕生日当日はもちろん、外食もままならない日々にあって、たこ焼き器は想像以上の“うるおい”を我が家にもたらした。「今日の夜は『たこパ』しようよ」と声をかけると、反抗期に片足を突っ込んだ息子たちも嬉々として夕食の準備を手伝ったし、夫はすぐさま“酒のカクヤス”に自転車を走らせて、スパークリングワインやレモンサワーをエコバッグいっぱいに買って来てくれる。家族の誰もがウキウキしちゃうのだ。「たこパ」、万歳!
 
ブームなだけあって、「たこパ」に関する雑誌やWebの記事も充実している。定番具材のたこ焼きのみならず、和・洋・中・エスニックに至るまで変わり種の具材の組み合わせやスイーツのレシピまで紹介されている。たこ焼き一つでこんなにもハッピーな気分になれるなんて! 息子たちの言葉を借りるなら、たこ焼きはまさに“神”メニューである。
 
そしてエンターテイメントとしての「たこパ」のクライマックスは、もちろん“焼き”の瞬間にやってくる。昨晩は「材料を流し入れるところから全部自分でやってみたい」という息子1号、「オレも!」という息子2号の声をきっかけに、ホットプレート内を各々の担当エリアに分けた。すると、たこ焼きの調理がまるで陣地取りゲームをしているようで、俄然盛り上がった。
 
たこ焼きプレートの穴は全部で30個。単純計算すれば4人家族の我が家では一回に一人当たり7個のたこ焼きをつくれる計算になるが、その通りにはならない。「端のほうは火力が弱くて出来上がるのに時間がかかるから、パパの陣地はここまででいい?」と交渉事が得意な夫が9つ分のスペースを確保すべく口火を切る。すると、平和主義&自由人な息子1号が「オレは6個でいいよ」と言いつつ、たこ焼き穴のない、平らな空きスペースで大好物のチーズだけをせっせと焼きはじめ、煎餅状になった“焼きチーズ”をうまい、うまいと堪能し始める。
 
何より驚いたのは息子2号の言動だ。遠慮がちに「オレはこの4個を上手に育てるから」と自分の目の前のスペースを指さしながら宣言しつつ、私が「ここのスペースのたこ焼きはママが作るから、食べたい人が食べていいよ」と言ったたこ焼きを虎視眈々と狙っていたようだ。焼きあがりを告げると、2号は共同スペースのたこ焼きを我先にと口に運んだ。そして彼が集中しながら作った4つのたこ焼きは、真ん丸でどの面にも均一な焼き色がついたパーフェクトな出来栄え。家族のだれよりもおいしいそうに仕上げたたこ焼きを、得意げな顔で頬張っていた。完全な知将タイプである。
 
たこ焼きが完成すると、各々が具材の組み合わせや作り方の手順を説明しながら、手前味噌のおいしさを自慢し始める。最近口数の減ってきた長男さえも雄弁になり、会話の弾む楽しい夕食となる。そんなわけで、夫がホットプレートを持ち帰って以来、毎週のように家族4人で「たこパ」を開催している。
 
「ずっと借りているわけにもいかないから、そろそろたこ焼き器のついたホットプレート買おうよ」と夫。子どもたちの楽しげな様子を見たらとても「反対」とは言えず、人気のたこ焼きプレート付ホットプレートを購入するに至った。我が家の一番の策士は、夫なのかもしれない。
 
 
 
 
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2022-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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