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丁寧な暮らしについて考える


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記事:磯貝 歩(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
最近よく耳にする「丁寧な暮らし」とは、実際のところどういうことなのだろうか?
料理をおしゃれな小皿に盛り付けることか。もしくは珈琲をハンドドリップすることか。丁寧な暮らしとは、お金と時間を掛ければ誰しもが実現できる生活のことなのか。
 
約3年前、わたしはひとり暮らしをスタートさせるにあたり、暮らしに関する雑誌やエッセイを頻繁にチェックしていた。そこには、北欧の家具で統一された部屋の写真や、作り置きのおかずを彩りよく盛り付けたお弁当の写真が載せられていた。そこから自分の部屋のイメージや理想の生活を妄想するようになり、新生活は期待でいっぱいだった。
 
ひとり暮らしを始めてすぐは、自分の想い描く暮らしに近づけるために毎日が全力だった。見よう見まねで模様替えを繰り返し、作った料理はどう配置したら綺麗に写真に写るか考えるのに必死だった。自分の丁寧な暮らしの実現が嬉しくて、しばらくの間生活の疲労感に気が付かなかった。そしてやはり、そんな生活は長くは続かなかった。仕事に慣れて忙しく働き始めると、自分の思う丁寧な生活は送れず、雑誌の中で見るあの暮らしはただの憧れになった。
 
憧れに戻ってしまった丁寧な暮らしについて改めて考えてみると、分かったことがある。いくらお金を掛けて部屋を整え、心を満たしたとしても、毎日その状態を維持できる余裕がなければそれはお金の無駄になってしまう。自炊した料理をおしゃれな小皿に盛り付けたとしても、食後それを片付ける気力を残しておかなければ全て無駄になる。丁寧な暮らしの「丁寧」とは、人それぞれで、その人に合った丁寧がある。憧れがあるというのはいいことだけれど、背伸びをせず、自分のペースを崩さず、誠実であることが大切なのかなと思う。
 
「ていねい」とは「感謝する」ことであると、「いちからはじめる」の中で松浦弥太郎さんは書いている。ていねい=ゆっくり、時間をかけて静かに物事をおこなうということだけではない。わたしの解釈では、感謝していくことが、自然と丁寧さへ繋がるのだと思う。例えば、お気に入りの家具に感謝することで、もっと大切にしようという気持ちになる。その気持ちで部屋を掃除する時、いつもより丁寧に家具に接することができ、その結果、お気に入りの家具をより長く愛用できる。近道をして丁寧な暮らしを目指すのではなく、感謝することが結果的に丁寧な暮らしに繋がるということだ。
 
丁寧な暮らしには、感謝の他に、余裕が必要だと思う。いくら感謝をしたって、心に余裕がなければ丁寧な暮らしは難しい。だからわたしは最近、100パーセントでいることを止めた。こんなことを言うと普段頑張っていないのかと思われるかもしれないけれど、そうではない。人間、80パーセントの姿でいたほうが、良いパフォーマンスができると思う。フルパワーで頑張っているといざという時にどうしようもなくなってしまうし、力が入りすぎると、思ったようにいかない時に臨機応変な対応が難しい。けれど常に80パーセントでいれば、力を抜いていられるので新しいアイデアも簡単に湧いてくるし、いざという時には機転を利かせることもできる。
 
わたしは休みの前日、明日やりたいことをリストアップする。忘れないようにするためでもあるけれど、それよりも、頭の中を整理するために優先順位を付ける。やらなければいけないことは大抵1つか2つで、あとのものはやれたらいいなくらいの気持ちでいるようにしている。そうしないと急な用事に対応できないし、やらないといけないのにできなかったことがあると、自分を責めてしまうからだ。心に余白を作ることで気持ちが楽になる。それを知っていれば自分を大切にでき、自分を大切にできれば周りに感謝する余裕も生まれるということである。
 
丁寧な暮らしについて考えてみると、最終的には、感謝し、余裕を持つことが重要なのではないか。感謝はされて嫌な気持ちになることはないのだから、たくさん感謝したらいいと思う。人でも物でも、感謝されれば大切にされていることを実感できる。大切に思えば、自然と丁寧に扱うことができるのだ。そしてそう思えるように、心に余白を作っておくことが必要だと思う。上辺だけの丁寧さを目指さず、日々の暮らしに感謝をして余裕を持つことが、結果的に丁寧さに繋がる。それが、本当の意味での丁寧な暮らしなのではと思っている。そんなわたしは今日も、感謝を忘れずに80パーセントで暮らしていく。
 
 
 
 
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2022-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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