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幸せな結婚をするために、私はひとり酒を飲み続けた

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記事:よしかたよしこ(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
女にとって幸せな結婚ってなんだろう?
 
スペックの高い男と結婚して安定すること?
イケメンをつかまえる? それともイクメンの方がいい?
 
20年前、私が正解としていたのは、「玉の輿」だった。
 
高校時代彼氏ができなかった私は、都内の女子大に入学した。
4月、新入生の女子たちは、授業が終わると駅とは別方向の坂を下って行く。
その先にある早稲田大学のインカレサークルの見学に行くのだ。
どのサークルがイケてる? 将来性高そうな男がいる?
女子たちは婚活の長い道のりをここから歩み始める。
 
そして無事早稲田のサークルに入った私だが、結局そこで彼氏ができることはなかった。
 
大学3年生になると、女子たちは「就活」という名の対社会人合コンを始める。
「明日どこ?」「物産~」
「来週電通コンパあるけどくる?」
 
その頃、私にはアルバイト先で出会った彼氏がいた。
飲食店のキッチン。高卒。いつか自分の店を持ちたいと頑張ってはいるけれど。
 
その人とは、私の就活が本格的に始まってからぎくしゃくして別れた。
生活時間も、価値観も違う。
次に付き合うとしたら、絶対に学歴のある人。高収入の安定した男。
 
社会人合コンに全く参加していなかった私は焦っていた。
このままではハイスペ男子と出会うコネがない……。
 
しかし転機は突然訪れる。
卒業旅行先で、新米弁護士一本釣り。
ちょっと見た目はパッとしないけど……。でも相手が弁護士なら玉の輿コース!!
 
その人は、ちょっとクセが強いけど優しい人だった。
ただ、見た目が好みではなかった。
数年付き合って結婚の話題が出たが、「何か違う」
素晴らしい肩書きではごまかしきれない価値観の違いもあった。
そして彼とは別れた。
 
 
私にとって幸せな結婚ってなんだろう?
 
玉の輿が答えではなかったみたいだ。
 
 
その後、反動だろうか、顔がものすごくタイプの人と付き合った。
ただ、ブラック企業で働いていて、お金がなかった。
 
いつか結婚したいけど、今じゃない。
ブラック企業だけど仕事は頑張っているし、応援したい。
結婚するために転職して、と言いたいわけじゃない。
だから私は、彼がちゃんとお金を稼げるまで待つことにした。
 
ちょうどアラサーと呼ばれる年代に差し掛かる頃。
女子会をするのも楽しかったし、友達と海外旅行もたくさんした。
待つのは苦ではなかった。むしろその頃の遊びを楽しんでいた。
 
思いっきり好きなことができるように、仕事も頑張った。
連日の残業。昇格試験。
私の収入は増えていった。
 
元々お酒が好きだったし、飲み会もたくさんした。
クラフトビールにハマり、酒屋で1本1000円近くするクラフトビールを買っては家で飲んだ。
そしてそのうちひとりでも外で飲むようになった。
 
30を越えて結婚もせずそんな生活をしていることに、不安がないわけではなかった。
でも、自分で稼いだお金で、思う存分好きなことができる。飲み屋でひとり酒ができる。
そんな自立した女が、私の理想だったのかもしれない。
働く女としてステージが上がった気がした。
 
そして結局、結婚を待った彼とは、9年間の交際の後、別れた。
彼も転職して、収入は上がっていたと思う。
だけどそれを待つ間に、お互いの間の色んなものが壊れてしまっていた。
 
もうアラサーとも言えなくなる頃。
ここで結婚しないことを選択するのはハイリスクに違いない。
でも、最初の頃の大好きだった気持ちはもうどこかに行ってしまった。
こんなモチベーションで幸せな結婚はできないと思った。
 
そこから私のひとり飲みは加速した。
まわりの友達は結婚し、母になり、気軽に遊べる友達も減る。
一人旅で長崎へ行きハシゴ酒。
一人旅でラオスへ行き昼からビール。
仕事帰りはひとりで行きつけの飲み屋に行き、そこで出会った人と飲み交わし、
終点まで寝過ごしたり、次の日には記憶がなかったり。
 
そんな頃、たびたびひとりで飲みに行っていた店の店主と付き合うことになった。
バツイチの飲食業。生活時間も違う。収入も安定しているとは言い難い。
大学時代の彼と同じようなスペック。
 
でも私のスペックは変わっていた。
玉の輿を夢見て、男に依存しようとする女では、もう、ない。
 
相手の仕事が不安定であっても、自分が稼いでいればいい。
自分の心配をすることなく、相手の夢を応援できる。個性を尊重できる。
生活時間が違っていれば、その間好きなことをして時間を使えばいい。
 
ひとりで酒を飲み続けるうちに、私は強くなっていた。
人をスペックで判断することがなくなり、純粋に人を好きになることができた。
経歴が違っても、価値観が合う理由はたくさんあるとわかった。
 
 
そして私は、本当に好きだと思う人と結婚した。
 
 
かつての私は、結婚相手に何か過度な理想を抱きすぎていたのかもしれない。
だけど、自分ひとりで生き抜く力を身につけさえすれば、収入や経歴といったような色眼鏡抜きで、純粋に人を好きになれる。
 
時間をかけて、わかったこと。
自分自身を高めることで、気持ちが自由になれる。
 
 
私にとって幸せな結婚とは?
 
本当に好きな人と一緒にいれること。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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