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あなたの“情熱”はなんですか?

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:菅沼 日菜子(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
お線香の匂いがする。
鼻の奥までふわっと広がる、懐かしいような、泣きたくなるような匂いだ。
 
私は今、祖母の家の2階でこの原稿を書いている。カタカタとキーボードを打つ私の視線の先には、立派な仏壇がある。
昨年亡くなった、大好きな祖父の遺影が飾ってある仏壇だ。
 
「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ!」
 
祖父がまだ生きていた頃、何度も、何度も言っていた言葉。
私の大好きな言葉のひとつだ。
 
初回の投稿でいきなり家族自慢をするようで気が引けるが、祖父は、大変立派な人だった。
 
中途で入社した会社では会長まで務め上げ、地元の神社からは氏子総代長を任されていた。
町内会では会長を、毎年8月に行われる地元のお祭りでは、祭りの総指揮を担っていた。
あらゆる「長」をこなし、とにかく他人に与え続けた人。
そんな祖父を、私は、心の底から尊敬している。
 
「その人がどんな“生き方”をしたのかは、その人が“死ぬ時”にわかる」
 
こんな言葉を、どこかで聞いたことがあるだろうか?
私はこの言葉を、祖父の葬儀で体感することになったのだ。
 
「ご時世もあるので、あまり人が来ないように」と家族葬にした葬儀には、どこで耳にしたのか、100人以上の方が訪れた。
棺に花を手向ける最期のお別れの場面では、恰幅の良い男性が、右手を添えたまま涙を流し続けていた。
 
祖父の最期の光景を目の当たりにし、生前の祖父は、他人を愛し、他人に愛されてきた人だったのだと思い知らされた。
 
他人に与え続け、最期はあっという間に華々しく散る。
祖父の生き様を一言で表すなら、まさに“粋”という言葉がふさわしかった。
 
「もしも同年代でこんな人がいたら、きっと惚れていたんじゃないだろうか」
そう感じるほど、祖父の生き様は美しく、尊いものだった。
 
そんな祖父は今、地元の町の名前が入った祭りの法被を着て、楽しそうに神輿の前で笑ってこちらを見ている。
そんな視線を感じながら、私は今この瞬間、キーボードを叩きながら確かに生きているのだ。
 
人はいつか死ぬ。
そんな当たり前のことを、私たちはいつしか忘れて生きてしまうのだ。
 
「どうせ死ぬなら、自分という命の花を、思いっきり咲かせて生きよう」
 
そう思わせてくれたのは、紛れもなく祖父だった。
 
“どうせ死ぬ”という一種の諦めと、“生きたい”という純粋な願い。
この相反する矛盾の中から、私は不思議と“情熱”が湧き上がってくるのを感じるのだ。
 
「チャレンジしたい」
「未知なるものを見てみたい」
「冒険したい」
 
子どもの頃には持っていた好奇心。
大人になった私たちは、今もまだ、持ち続けているだろうか?
 
私は今、“情熱に従って生きる”生き方に挑戦しようとしている。
「ライティング・ゼミ」は、その挑戦の第一歩なのだ。
 
“情熱”
この言葉を聞いて、何か感じるだろうか?
きっと、言葉では言い表せないが、何かゾクゾクしたものを感じたのは私だけではないはずだ。
その感覚は、自分にとっての宝であり、生きる意味であり、人生の道標。
どうか、その火を消さずに忘れないでほしい。
 
誰の中にも必ずあるその灯。
その灯は、風に吹かれても、嵐がやってきても、決して消えることはない。
そう、自分が忘れさえしなければ、永遠に燃え続けているのだ。
 
私は今、2つの仕事を通して“情熱に従って生きる”生き方に挑戦している。
1つは、出版社のライターとして。
もう1つは、経営者さんのビジョンパートナーとしての仕事だ。
 
この2つの仕事に共通していることは、
「目に見えないものを、世の中に具現化するサポート」
だということ。
 
出版という手段を通じて、目に見えないその人の「人生」を、「本」として世の中に具現化する。
経営者さんのパートナーとして、目に見えない「ビジョン」を「事業」として世の中に具現化する。
 
誰の中にもある“情熱”の源泉を引き出し、カタチとして世の中に出していくこと。
それが、今の私の仕事である。
 
「見えないもの」を「見えるもの」にするのは、一筋縄でいくことではない。
正解も前例もないからこそ、そこには、アーティストが感じるような生みの苦しみがある。
しかし、正解も前例もないからこそ、生み出したその後には、想像もつかないような冒険が待っている。
そんな未来を思うと、楽しみで仕方がないのである。
私にとって、仕事とは“粋”そのものなのだ。
 
“情熱”
改めて、この言葉を聞いて、何か感じるだろうか?
何かゾクゾクしたものを感じるだろうか?
忘れかけていた何かを思い出しただろうか?
 
「たった1回きりの人生なら、あなたはどんな生き方を選択するだろうか」
 
何もしない人生もよし。何かを目指す人生もよし。
どんな生き方も自由に選択できるなら、何を選択するだろうか?
 
“情熱に従って生きる”ことで、想像も出来ないほどの喜びの人生を送る人を増やしていく。
 
「幸福だから笑うのではなく、笑うから幸福な人生を」
 
私は、“粋”な生き方を選択することに決めたのだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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