メディアグランプリ

そうだ、理系は暗記が嫌すぎて公式を覚えた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F(ライティング・ゼミNEO)
 
 
誰だって嫌でしょう、公式を覚えるのは。
理系の私も見る度にゲンナリしています。
ですから、聞いてもいない場面で出会った日にはイラッとします。
この前もカメラについて調べていたとき検索サイトが突然、
「DOF = 2u^2Nc / f^2」
と出してきやがったので思わず舌打ちしてしまいました。
私はただ「被写界深度」について知りたかっただけなのです。
別に公式なんて聞いていないのに。
 
ただプライドが語りかけてきました。
「お前、理系なのに公式から逃げていいのか」と。
ちっぽけですが、聞こえたら立ち向かわないと恥ずかしい。
だからこの式を5分くらいにらみ付けました。
すると不思議なことに、今までわからなかったことがすっと入ってきたのです。
 
そもそも調べた理由は、被写界深度が理解できなかったからでした。
これは写真のボケッとした感じを表す値です。
カメラ講座でこの値の説明を受けたのですが、ボケを強くするための以下3行が全く覚えられなかったのです。
被写体までの距離は、小さい。
F値は、小さい。
焦点距離は、大きい。
 
言葉だけでも面倒なのに、1個だけ大きい方がいいなんて紛らわしすぎます。
そのため、簡単に覚える方法を探していたのです。
 
しかし公式をにらみ付けただけで、すぐに入っていきました。
このとき思い出したのです。
公式を作り出したのが、理系だという事実を。
 
そう、彼らはメチャクチャ暗記が嫌いなのです。
必要最小限に抑えたい人間なのです。
だから公式だって本当は覚えたくないわけです。
それなのに作る理由は、最も楽に暗記できる形だからです。
 
例えば、被写界深度について公式なしで覚える場合、3行分の暗記が必要でした。
しかも1つだけ大きい方がいいという罠もあります。
このせいで覚えられないカメラ初心者は私だけではないでしょう。
 
しかし、公式は「DOF = 2u^2Nc / f^2」の1行だけ覚えれば済みます。
そして罠も「f」の「焦点距離」だけが分母にあることを見れば次のように回避できます。
 
「被写界深度」の「DOF」は小さい方がボケます。
そして、1/2より1/3の方が小さいように、分母が大きい方が値は小さくなります。
だから「f」だけ大きいと認識できるのです。
 
このように公式は、たった1行で全てを表現しています。
だから量が少ないため楽に覚えられるわけです。
 
しかし、こう思われたかもしれません。
「DOF」や「u」が何かを覚えるのは大変じゃないかと。
確かにそうです。
記号の意味について、いちいち思い浮かべなければなりません。
しかし、これも暗記嫌いの理系が仕込んだテクニックです。
 
それは、公式を見る度に頭を使う必要があるということです。
「DOF」が被写界深度で、「u」が被写体との距離。
このように毎回思い出さなければいけません。
しかし、このおかげで頭に定着しやすくなります。
 
なぜなら連想記憶が自然とできるからです。
これは「桶狭間の戦い」という言葉だけ覚えるのではなく、「織田信長と今川義元の戦い」といった内容まで一緒に連想し覚える暗記術です。
このようにすると楽にできます。
 
そして公式は、強制的に連想記憶をさせるカラクリになっているのです。
例えば被写界深度の場合、見る度に「焦点距離は分母だから大きい方がいい」と意味を思い浮かべる必要があります。
記号だけだと意味がわからないので、勝手に脳が連想します。
だから覚えやすいのです。
これこそ理系が仕込んだ必殺の暗記術でした。
 
このテクニックを踏まえると、数学の公式が苦手になる理由も見えてきます。
それは、頭を使わずに暗記しているからです。
この方々は「織田信長と今川義元といえば、桶狭間の戦い」のように丸暗記しています。
しかしこれだと具体的内容を連想する力が付きません。
だから使い方の理解がいる公式の暗記は苦手なのです。
 
しかし、誰よりも暗記を憎んでいる理系は知っています。
丸暗記したところで記憶に残らないことを。
そして、使えなければ意味がないことを。
 
だからこそ公式を覚えたのです。
これは見る度に解読しなければいけません。
しかも計算練習しなければ使いこなせません。
だからこそ身体に染みつき、忘れにくくなるのです。
 
結局「急がば回れ」なのでしょう。
丸暗記した方が楽ですが、それだとすぐに消えてしまいます。
それよりも苦労して血肉にした方がよいのです。
こうして得た知識は、一生使える武器になるからです。
これこそ暗記を憎み倒した理系が生み出した公式の力なのです。
 
皆様もいずれ不意打ちで公式に出会うかもしれません。
そのときはぜひ、歯を食いしばりにらみ付けてみてください。
この式は何を言いたいのか。
なぜ覚える必要があるのか。
これらを考えることこそ、身体に染みつかせる努力になります。
 
そして考えた人が、誰よりも暗記嫌いな理系なのです。
だから公式には覚えやすくするための工夫が詰まっています。
それは、戦う姿勢を呼び起こすことでもあります。
これを忘れずに、私も勉強を続けていきます。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-04-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事