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吾輩の猫は猫である。


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記事:おくの(ライティング・集中ゼミコース)
 
 
吾輩の猫は、猫である。
名前はエマ。
「猫」が猫のは当たり前なのだけど(笑)
 
うちには、猫が3匹いる。男の子2匹と女の子1匹。
猫の性格って、男の子は甘えん坊でストーカー。家中どこでも付いてくる。それがトイレの中でもお風呂に入っていても例外はなく、常に私をストーカーしながら監視をしている。
逆に、女の子はツンデレ。気分屋さんで気が向いた時にしか近寄ってこない。これぞ猫! という性格なのだ。
今回は、そんな猫の中の猫! かわいいメス猫「エマ」について書こうと思う。
 
エマとの出会いは4年前。近所のペットショップだった。猫アレルギー(鼻水・目が充血する)の私がメインクーンという猫種のエマを見た瞬間に一目ぼれをし、毎日ペットショップに通った。そこで、いつもくしゃみをしながら抱っこさせてもらい、名前も勝手に「エマ」と名付けて呼んでいた。
ペットショップに通うこと10日余り、家族を無理やり説得しエマをお家に迎えることができた。もう、エマがかわいくてかわいくてしょうがない。それこそ、本当にねこっかわいがり。目の中に入れても痛くないというほどかわいがってかわいがって甘やかしていた。
 
しかし、エマは日中一匹でお留守番。さみしいかな? かわいそうかな? と思い、もう一匹お迎えすることにした。エマと同じメインクーンという猫種で男の子の「ベル」。
冒頭でも説明した通り、男の子はストーカーで常に私にベッタリだった。そんなベルを見て、いつしかエマは私に近寄らなくなってしまっていた。
 
ある日、机に向かってPCを触っていると珍しくエマが足元に来た。
「エマがきた。めずらしい~。」
と思いながら作業を続けていると、突然……
 
カブッ!!!!
 
私の足に嚙みついてきた!!
痛っっっ!!!!!
エマが嚙みついている足を引っ張るようにして引き離す。噛まれた足の甲を見てみると、3センチほどの傷ができ、じわっと血が滲んでいた。
なんで噛むの……
悲しいのと、痛いので頭がいっぱいになった。この時の私は、エマの気持ちなんて1mmも考えてなかった。
 
その日を境に、エマは机の下に来ては私の足を噛むようになった。机に向かうと必ずイスの下に来て足を噛む。私は噛まれない様に正座をしたり毛布を足に巻いてカバーしたり、必死に噛まれない対策をしていたが、ある日ついにやってしまった。
 
いつもの様に足を噛みに来たエマ。エマに気づかず足を下ろしていると「ガブっ!!」と噛まれてしまった! 痛さのあまり足を振りほどいたら、なんと私の足がエマの顔に当たってしまったのだ。
「ギャン!」と叫んでエマが走って逃げた。走って逃げたエマはソファの下から出てこなくなり、私を「敵」として見るようになってしまった。
 
私が近くを通ると逃げる。逃げ場がないと、全身の毛を逆立てて威嚇してくる。
猫飼い初心者だった私は、訳がわからず猫の性格や困ったときの対処法になど、毎晩ググっていた。
そしてある日。
あるブログの、衝撃の一文を見て泣いた。
「猫との信頼関係が無くなっている。一度無くした信頼は取り戻すのは難しい」と。
猫は執念深い生き物らしく、一度嫌な思いをした事は死ぬまで覚えているらしい。
でも、このままエマに嫌われているのはイヤだ。どうにか信頼関係を取り戻そうと、それから毎日「エマの機嫌を取る作戦」を決行した。
 
まずは、餌付け作戦から始めた。
猫が大好き「液状猫用おやつ」を毎日あげた。最初は毛を逆立て威嚇しながら食べていたエマも数日立つと、威嚇せずに食べてくれるようになった。
ようやく、おやつ無しでも近づけるようになった頃、少しずつエマの体を撫でていく。触った瞬間走って逃げていたエマだったが、数日経つとやっと撫でさせてくれるようになった。それでも、まだ撫でようと急に手を出すと体をびくっとさせる日は続いていた。
私は、エマとの信頼関係を取り戻そうと毎日欠かさずスキンシップを取り続けた。
 
エマが私を噛んだあの日の、あの時。
エマはただ、甘えていただけだった。
普段ベルがいるから私のそばに来れないけど、机の下ならベルに見つからず私のそばに来れる。私を噛んだのは、机の下に来たよって教えてくれるためだったのだ。
そんなエマの気持ちも考えずに痛い思いをさせてしまった。あの時のエマの気持ちを考えると今も涙が出そうになる。
 
エマ、ごめんね。
 
あれから、3年。
今ではとても仲良しだ。
帰宅時には玄関までお迎えに来てくれる。(たまに)
撫でて撫でて~と尻尾を振って近寄ってくる。(これもたまに)
私が寝ていると、一緒に頭の上に丸まって寝てくれる。(極まれに)
そんな猫の中の猫のような性格の、ツンデレエマに私はメロメロだ。
 
 
吾輩の猫は、猫である。
名前はエマ。
 
 
かわいいエマちゃん。
これからもよろしくね。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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