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はじめてのパンまつり参戦記


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:青山 聡美(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
今年、私ははじめてのパンまつりに参加した。
 
パンまつりとは、あの「ヤマザキ春のパンまつり®︎」である。
それは、4月15日の夜のことだった。
何気なくテレビをみていたら、C Mが流れてきて、松たか子が手にしている白いお皿が急に欲しくなってしまった。
スープやサラダ、煮物など、1人前を盛り付けるのにちょうどよさそう。
ネットでどんなお皿なのかを調べたところ、阪神大震災でも割れなかった、強化ガラスが使われており見た目は100円ショップで売っているお皿のようだが、全く品質が違うということ、このお皿の製造により、生産地の経済をまわしているらしい、など、本当ぽいものや嘘っぽいものなど、いろんな情報が出てきた。
現地経済に貢献する気持ちは正直ほとんどないが、何にせよデザインもいいし、丈夫ということはとても興味深い。
 
すぐに、家族に宣言した。
「パンまつりの今年のお皿が欲しくなったから、明日から朝はパンを食べよう」
我が家は、基本ご飯を食べている一家である。全員、米飯が大好きだ。
「ふうん。いいんじゃない。ヤマザキだと、パンの種類も多いし。何点集めればいいの?」
「28点だよ。」
「そうなんだ。じゃあ、さっそく明日の朝のパンを買ってこようか。」
家族の協力も無事に得られた。
 
近所のコンビニに急ぐ。
ここには朝いつもヤマザキパンのトラックが止まっているので、確実に対象のパンがあるはずだ。
さっそく店内のパン売り場を巡る。
食パンや調理パンなど、想像していたよりヤマザキのパンは少なかった。プライベートブランドのパンはたくさん置いてあったので、切り替えをしているのかもしれない。
でも、パンまつりのスタンプシールを貼る台紙は置いてあり、少ない種類から食パンを選んで購入した。
食パン1斤で1.5点。
我が家は6枚切り食パンを1回に一人1枚しか食べないので、目標到達にはなかなかに長い道のりになりそう……。
 
翌日スーパーへ行き、食材購入ついでにヤマザキパンを調査して、作戦を練ることにした。
どんなパンが対象で、最高点数は何点で、どんなパンのポイントが高いのか。
効率よくポイントを貯めるのと、家族が飽きずに食べ続けるには、どうすればよいのか。
最高点数は2.5点で、「ダブルソフト」という少し大きめの食パンであった。
棚に並んでいるパンたちをよく見ると、全てのパンにポイントシールがついているわけではないようなのと、あんぱんのような菓子パンは0.5点と、カロリーと手軽さのわりに点数は稼げなそうということがわかった。
どうやら、食パンを買ってポイントを集めるのがコスパがよさそうだ。しかし、我が家の場合食パンに飽きることが想定されたので、食パンと子供がおやつに食べられそうなロールパン、いろんな具材が楽しめそうな「ランチパック」を中心に購入することを決めた。
「ランチパック」も具材によっては0.5点の商品もあって、うっかり好みで決めると、さほどポイントが稼げなそうである。
 
そんな感じで我が家のまつり参戦が始まった。
1週間で約半分の15点を集めることができた。
しかし、私も含め、予想通り家族はパンに飽きてきた。
最初はこんなパンもある! 食べたことないよね! とわいわいしていたのだが、だんだんどんなパンを食べても、同じように感じられてきた。
生産に関わっている人には大変申し訳ないが、在宅勤務をしている私は朝も昼もパンを食べており、昼の休憩時間がだんだん苦痛に感じるようになってしまった。
 
このまつりに参加している人たちは、どうやって飽きずにポイントを稼いでいるのだろうか?
 
そんな疑問を夫と話し合っていたら、義実家にはこの白いお皿がたくさん、しかもちゃんと
家族分ある、ということを思い出した。
いつも義実家に泊まりに行くと朝食は食パンだけではなく、ロールパンや菓子パンなど、たくさんの種類が食卓に並べられていた。しかもまつりの時期だけではなく、通年だ。
夫いわく、平日の朝食は米飯だが、休日はそれぞれが好きな時間に起床して食事をとるので、長年この朝食スタイルが続いているとのこと。
そして、義母のまめな性格により、コツコツとポイントが集まり、白いお皿大量ゲットとなったようである。
 
なるほど! 普段の習慣にしてしまうのか。
それで家族が自然と協力している状態にする。
 
改めて義母のまめさと、気づかぬうちに協力体制を作るという戦略に感心してしまった。
 
さて、後半戦。
同じ種類をまとめ買いするから、飽きたときに逃げ場がなくなるのかもしれない、と考え、近所のコンビニ、小型スーパーにまめに通って購入する作戦に切り替えた。
ロールパンや、小さめの菓子パンは子供がおやつにせっせと消費してくれることがわかったので、ポイント1点以上のパンを毎日購入した。
もはや、価格のことは二の次である。
 
そして、4月29日に、無事に28点が集まった。
翌日の夕方、ポイントシールが貼られた台紙を持って、近所のスーパーのサービスカウンターで交換したい旨を申し出た。
すると、今日はたくさんの人が交換に来たので、お皿はもうないとのこと!
また入荷されるけど、いつになるか日程が決まっていない、とのことであった。
 
集めるのもだが、交換するのもすんなりとはいかないとは!
思っていたよりも近所にたくさん参加者がいるのだな。
 
肩を落としとぼとぼと家路に着くが、もしかして自宅の最寄りのコンビニにあるかも、とダメもとで立ち寄ってみた。
声をかけると店員は、ありますよ! 少々お待ちください。と奥からお皿を持ってきてレジで紙に包んでくれた。
 
家に持ち帰り、包み紙から開けてみる。
白くて美しいボールであった。きっと数枚を重ねた姿も美しいんだろうな。
つるつるとした触り心地はイメージ通り。
手に持った重さは、見た目からもっと軽いのかと思ったが、意外と重量感があった。
これが阪神大震災でも割れなかったというお皿か。
これに何を盛り付けようか、CMを見た時の気持ちが蘇り、わくわくしてきた。
 
今回のパンまつり、本当に多くのことがわかった。
意外と家族が協力的であったこと。
改めて、家族は米飯が大好きだということ。
たくさんの人が参加しているということ。
中にはパンからポイントシールだけを剥がして持っていく人もいるということ。
白いお皿は、想像していたものよりずっとよかったということ。
そして、義母がずっと昔から参加しており、大先輩であること。
義母にはこのお皿を集めるに至った経緯や動機など、次回会ったときに聞いてみたいと思う。
 
なぜ祭りなのか、また何よりも家族のことがもっとわかった、知りたくなったイベントであった。
パンまつり、楽しかったよ。ありがとう!
 
 
 
 
***
 
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2022-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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