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メディアグランプリ

なぜ、生きた花のある暮らしにあこがれるのか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:冨井聖子(ライティングゼミ平日コース)
 
 
造花じゃない。
生のお花がある暮らしって、豊かな暮らしのような気がしてあこがれてた。
 
きっかけは、小さな花束。
たった2本の花のおかげで、そんなふうに思いはじめたんだ。
 
子どもたちが3歳と5歳のとき、ママ友のなかでも、ひとりだけ群を抜いて可愛らしいお母さんがいた。女子力にもあふれ、つねに素敵なスカートをはき、笑顔に満ちあふれていた彼女。
そのママ友の家にみんなで遊びに行ったとき、女の子だけに花をプレゼントしてくれた。
「遊びに来てくれてありがとう」
と、マーガレット1輪とかすみ草だけのシンプルな花束。
花束と言っていいのか悩むくらいの小さなものだったけど、娘は大喜び。
家に帰るまで、絶対に手を離さなかった。
 
一方で、当時の私は、育児に追われて毎日が過ぎていた。
その証拠に、花瓶なんてものは、家に存在しなくて、とりあえずジャムの空き瓶に挿し入れた。でもやっぱり納得いかなくて、急いで100円均一まで買いに行ったのは、いい思い出だ。
 
ダイニングテーブルにポツンと小さな花瓶。
 
ダークブラウンの、のぺっとした板の上が急に鮮やかになって、そこだけ急に春のように爽やかになった。
 
1ヶ所綺麗になると、不思議なもので、周りの棚が気になり出して片付ける。幼稚園からの手紙やリモコンなどが置きっぱなしのテーブルだったはずなのに、いつの間にかきれいになり見る影も無くなった。
3歳の娘も、笑顔になった。
 
それからというもの、子ども生花教室を見つけ、そこに通わせて、持ってくる花を飾るという暮らしに進化した。
 
いま、小3、小5になった子どもたちは、今年から生花教室に行く時間がなくなってしまい、もう卒業。
でも「どうしようかな」と思っていると、面白いもので、花束をもらう機会に恵まれる。
 
不思議なものだ。
 
花がある暮らしが豊かであこがれるなぁ、と思ったのは、そこに余裕を見るから。
お金と時間と空間の余裕。そこに比重を置いても、暮らしが困らないから。
 
花だって安くはない。
最近は値上がりもあって小さなブーケでも1000円くらいする。大きなものは1万円単位だ。2輪だけ買おうとしても、300円前後。
1円単位で安心安全の安い食材を探していた当時の私にとっては、全然安くない。
300円出すなら、誰かが淹れてくれたコーヒーが飲みたかったし、高級プリンだって買えちゃう。花は一刻のもので、いずれ枯れてしまう。天秤にかけると、コーヒーやスイーツが欲しくなる。
 
花より団子の私から見ると、たった3歳の子どもに笑顔で花束をプレゼントできる彼女は、とても輝いて見えた。
花を買うこともそうだが、誰かを喜ばせたいという心は、育児や家事などライフスタイル全般に余裕があるからできること。
少し羨ましくもあり、私もそうなりたいと思える。そんな人だった。
 
 
つい先日、花束をもらう機会に恵まれた。
本当に大きな花束で、こんなに立派なのは見たことがなかった。同じ日に、もう1周り小さいサイズの花束を3つもいただき、急に家が花だらけに。
生花教室に通っていたので、花器は3種類あったが、それだけでは足りず、買い足した。
 
こんなふうに花のある暮らしになって、初めてわかったことが3つある。
 
1つは、お花は、お金をかけて買うという行動以外にも、時間もかかるということ。
毎日お水を取り替えたり、声をかけたり、そろそろ寿命の子たちを取り替えたり、なにかと時間がかかる。
飾っている場所が多ければおおいほど、その手間は倍で増えていく。決して楽ではないのだ。
 
2つめは、お花があるから、周りの雑然とした日常を整えたくなる。
このお花が生きるには、どこがベストなのか?
どうしたらもっときれいに見えるのか?
雑然とした空間より、きれいなところにおきたいなぁ、という思いが少しだけあるから、少しずつきれいになっていく。花がきっかけで、スペースが生まれる。
そのスペースが、なんだか余裕があるように見えてくる。
 
最後の3つめは、枯れることを悲しむくらいなら、今の美しさを見ること。
花は必ず枯れていく。そして、水も役目を終えて腐っていく。
だからこそ、今きれいな姿を見る。
だからこそ、毎日同じようにきれいに咲いてくれてることに感謝する。
毎日きれいに咲くように、水を変えるなどしてお手伝いする。
 
ただ、生きている花を手折るのだから、それを飾って愛でること自体、すべて自己満足の世界かもしれない。
 
でも、我が家に来てくれた花たちを土に刺しても、もう戻らない。
だからこそ、この出会いを大事にしたいし、そこからいい変化が生まれたら最高ではないだろうか?
 
当時あこがれていた生の花は、空間、時間、お金の余裕がある人ができることと思っていたけど、実は明日からすぐできる「心に余裕を生む」なのかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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