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メディアグランプリ

人見知りだった小学生から大人の皆さまに、お伝えしたいこと。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:川端麻美(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「私、人見知りなんですよねぇ」
初対面の人に言われたとき、どちらの意味で取るべきなんだろうか。
 
「人見知りだけど、あなたは大丈夫です」ということ?
それとも、「人見知りなので、あまり初めから踏み込まないでください」ということ?
とりあえずどちらであっても、相手から品定めされている感じはする。
 
従来は人見知りとは、子どもが知らない人を見て、恥ずかしがったり嫌ったりすることらしい。
しかし最近、大人による「人見知り宣言」が増えた気がする。
そしてその宣言は、とてももったいないのであまりおすすめしない。
 
ちなみに私はその宣言をされると、「よっしゃー、この人のことをいろいろ引き出してみようか」と、なんだか燃えてしまう。
人見知り側からしたらそれこそ迷惑かもしれないが、私みたいな人もいるわけだし、だからこそ人見知り宣言はあまりおすすめしない。
 
人見知りの解決策は、まず人に興味を持つことだと思う。
そして、その人との交流によって起きた良いこと、成功体験を積み重ねていくことではないだろうか。
その人のことを知る前に、シャッターを閉ざしていては新しい世界には出会えないし、自分にとってプラスになる機会を逃す。とりあえずチャレンジしてみることが大事……!
そう思えるのは、私の小学校時代の経験からである。
今日はそのことについて話してみようと思う。
 
今の私を知っている人は、初対面から人見知りもなく、誰とでも話せる人というイメージだと思う。
しかし、私は小学校4年生まではとても人見知りだった。
自分の家族に対してはものすごくおしゃべりで、言ってしまえば内弁慶タイプ。
学校の友達もいたけれど仲の良い子は限られていて、気の合う特定の子と遊ぶことを楽しみにしていた。
授業など、人の前で発言するのもすごく緊張していた。
担任の先生とは得体の知れない大人であり、苦手な存在だった。
先生とは必要がないと話さなかったので、いつも先生にはすごくおとなしい子、ある先生からは「何考えてるかわからない。身体は大きいのに気は小さいのかね」などと、今の時代では完全アウトなことを言われて注意されたこともあった。
今思うと、子どもながらに付き合う人を自分視点で選別していたし、自分の中の限られた世界で生きていたと思う。
 
しかし小学校4年生のころ、その人見知りを変える出来事があった。それは放課後の「ドロケイ」である。
ドロケイ、ケイドロ、呼び方は地域によると思うが、泥棒と警察に分かれて、警察役が泥棒役を捕まえるという鬼ごっこ遊びの一種である。おそらく日本に住む子供はほぼ経験している遊びではないだろうか。
 
当時、給食と掃除が終わったあとに好きなことをして遊ぶ時間が毎日あった。
私は何がきっかけだったかわからないが、仲の良い子と私含めて3人でドロケイ遊びをするようになった。3人しかいないのでどちらの役になっても、ぜいぜいハアハアと疲れたが、すごくドロケイに情熱を注いでいた。
 
ある日、そんな私たちの姿を見て、自分もドロケイをやりたいという子が声をかけてきた。話したことのない、他のクラスの男の子だった。
そこでもちろん、私の人見知りスイッチは発動した。この遊びは限られし者だけでしかやらない、まるで神聖な遊びとでも思っていたのかもしれない。
しかし、その子はその次の日も話しかけてきた。徐々に仲間を引き連れて。
 
私は最初はその子を避けていたのだが、そう言われるとその子が気になってきて、観察するようになった。恋とかではなく、純粋にこの子はどんな子なんだろうという興味だったと思う。
 
そしてある日の体育の時間に、私の中にひらめきが生まれた。
その男の子は私たちよりも足が早い、走れるぞ……ドロケイにぴったりではないか!
 
今考えると、このひらめき自体はめちゃくちゃ上から目線であるが、次の日とりあえず一緒にドロケイをやってみることにしたのである。
 
仲間が増えたドロケイは、すごく良いことがあった。
少ない人数でやるよりも、人が増えた方がドロケイは楽しい。作戦も立てられるし、仲間も助けられる。そして楽しいのにぜいぜいハアハアの疲れも改善された。人が増えることで私たちのドロケイはより白熱したものになり、もっと充実したものになった。
 
そこで味を占めた私は、ドロケイのメンバーの募集窓口係をするようになった。
いつのまにか人見知りなどなくなり、知らない子にも自分から話しかけられるようになった。
初めは3人で始めたドロケイだが、最終的にはクラス関係なく、たくさんの人を巻き込む一大イベントになった。
そして私は、次の学期の学級委員にみんなの中から選ばれた。担任の先生とも話せるようになった。
 
もともとは好きなドロケイを楽しくしたいという思いからの偶然の産物ではあるが、これが私の中で人見知りを克服できた成功体験である。
今までの人生を振り返ったときに、人生を変えた大きな転機のひとつでもある。
人見知りをせず、あのとき話しかけてくれた男の子にはとても感謝している。
 
こんな経験があるからこそ、私は冒頭のような「大人の人見知り宣言」には、ついつい燃えてしまうのだろう。
もしかしたら今度は自分が、その人が変わるきっかけとして少しは協力できるかもしれない?
そんなことができたらとてもうれしいなと思う。
人と話すのは、面白い。
今ドロケイで走ったら足がつるに違いないが、大人になってからのドロケイも案外面白いかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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