メディアグランプリ

きつさの向こうがわ


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記事:haruki (スピード・ライティング特講)
 
 
きつい! 足もだんだんと痛くなってきた。まだまだ終わりそうにない。何でこんなきついことに参加しているのだろう? 次回からはやめよう。
 
レースに参加して中盤過ぎによく思ってしまうことだ。
 
きっかけは、筋トレばかりで、違ったトレーニングをやってみたいと思ったことだった。とりあえず家の周りを走ることから始めてみた。しかし、同じ景色ばかりで面白くなかった。何気なくいつも行っている美容室で話をしていると山の中を走りまわるトレイルランニングをすすめられた。毎週火曜日の朝に、近くの山を走っているクラブも教えてもらった。それから毎週火曜日に走ることになった。今まで気がつかなかったが、近くの山で四季を感じることがこんなに手軽にできるとは思わなかった。
 
だんだんと近くの山だけでは物足りなくなってきた。だが、他の山に1人で登るほど自信があるわけでもない。調べていると色々な山でトレイルランニングレースが行われていることがわかった。まずは、30キロのレースから始めてみた。いつも近くの山で10キロぐらいは走っているので、なんとなく大丈夫と思っていた。
いざレースに出てみるとみんな速い。次々と追い越されてしまった。順位じゃない。山を楽しみにきた! と思いながら自分のペースでなんとか完走できた。
 
だんだんと欲が出てきて、インターネットで調べてみると60キロのレースがあった。制限時間は14時間のレース。14時間って何? どのくらい? 昼の12時にスタートするので翌日の2時までにゴールすればいい。夕ご飯は? 当然日が暮れるだろうから真っ暗になるけど、暗闇の中でコースはわかるの? 寒くないのか? 色々と不安なことばかりだった。そこで、トレイルランニングのレースに出場している人やショップの人に聞いて自分なりの準備をしてみた。
 
季節は5月、そこまで暑くないが、帽子、水分は最初1.5Lぐらい必要。服装は、Tシャツ、短パンで日が暮れて長袖の上着を着ることにした。どれくらい寒くなるかわからないので、もう一枚厚手の長袖を持っていく事にした。もしかすると雨も降るかもしれないので、上下の防水の服も購入した。次は夜の対策。真っ暗になるので、ライトは必要。途中で故障してしまったりすることを考えると2個必要だった。夜は光さえあればなんとかなりそうだ。食事に関しては、10キロごとにチェックポイント(エイドステーション)があって、水と軽食は準備されているみたいだった。水は補充すればいいが、走っている間は食事が、入らないような気がした。そして、絶望的にお腹が弱い。クリームとかの乳製品を食べてしまうとお腹がゴロゴロと鳴ってトイレに駆け込むことになってしまう。そのため、1時間毎に100キロカロリーぐらいのジェルをとるようにした。少しずつ栄養をとる作戦だ。
 
なんとか準備を整えて、60キロレースの日を迎えた。スタートは昼の12時からなので、朝ごはんは、おにぎり2個ぐらいを食べてレースに挑んだ。主催者のスタートの合図とともに気持ちがたかぶり最初はちょっと早めのペースで走った。それでも、速い人はあっという間にその姿は見えなくなった。自分のペースでいこう。なんと言っても14時間のレースだからと心を落ち着かせながら走っていった。最初の方は、とにかくきつい。それは体が温まっていないためだと思う。だんだんと温まってくると感覚が麻痺するのか楽しくなってくる。これこそランナーズハイなのかなと考えを巡らせながら距離を稼いでいった。
 
15キロ過ぎたあたりから、だんだんと体がきつくなってきた。なんか足も痛くなってきた。だんだんとレースに出場したことを後悔してきた。トレイルランニングは、レース途中でリタイヤする場合は、何があっても次のエイドステーションまで自力でいかないといけない。山の中なので、途中ではどうしようもできないのだ。なんとか力を振り絞って、次のエイドステーションまでいくことにした。
すると、きつさもなんとかなく和らいできていた。一つ一つのエイドステーションを目標にしていたら、あっという間に40キロ地点までやってきた。ここからは、日が暮れて真っ暗になっていくことが予想されたので、予定通り長袖を着てライトをつけて次のエイドステーションを目指すことにした。真っ暗の山の中はとても静かで、山頂からみる景色は今までみたこともないキラキラと輝く街中を照らし出していた。そしてさらに上の山を目指そうとすると多くのランナーがすでに山を登っていて、その光がこれらから登る激坂を照らしとても綺麗だった。これからあそこを登るのかと思うと気持ちがへこみそうになってきた。まあ、あと少しだと気持ちを切り替えて走り続けた。
なんとかの制限時間内で、次の日にならない12時前にゴールすることができた。ゴール後は、達成できた喜びもあったが、疲れていてそれどころではなかった。初めて60キロレースを終えて思ったのは、60キロとはとても長いように思えたが、10キロを6個分と思えばなんとかなる。大きな目標を達成するのは、それまでの小さい目標を達成していく人生と同じだと感じた。きついことを成し遂げたことから、こらからの人生に役に立ちそうなことがわかった気がした。
 
60キロの次は100マイル(160キロ)レースに挑んでみよう。48時間が制限時間みたいだ。次は、睡眠をどうするかを考えないといけない。人生設計と同じように準備と小さな目標を多くたててレース設計も考えないといけない。
 
 
 
 
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2022-05-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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