メディアグランプリ

「どうしてそんなに本を読むのですか?」と聞かれたので


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:島田 弘(ライティング・ゼミNEO)
 
 
仕事を通じて関わっている大学生からこんな質問をされたことがある。
 
「どうしてそんなに本を読むのですか?」
 
私、子供の頃に絵本を読んだ記憶がない。読んでもらったのかもしれないけれど、それも記憶にない。小学校、中学校、高校で、読書するといえば、読書感想文の宿題のために仕方なく読んだ記憶がある。だから本を買うなんて、1年に1,2冊だったかな。
 
少年ジャンプも1度も買ったことがない。だから漫画も全然読んでこなかった。
大学受験を意識しはじめて、受験に関する本は読んだ記憶がある。合格体験記とか、予備校の先生が書いた合格するためのテクニックとか。
 
大学生になって変化したのは、雑誌を買うようになったこと。旅、アウトドア、自転車など趣味に関するものと、なぜなのかわからないのだが国際情報誌やビジネス誌も買うようになっていた。毎週のように買っていたのが『東京ウォーカー』だ。大学を卒業しても、雑誌はたくさん買ってたなぁ。
 
それから10年くらい経ったとき、
私が雑誌ではなく「本」を読むようになった出来事がある。
 
フリーランスとして自分で仕事を始めて3年。有名な経営コンサルタントの先生との出会いだ。
 
銀座線の表参道駅からすぐのところにあるカフェでプライベートのこと、
仕事のことなど1時間ほど話を聞いていただいた。
 
そして、こう言われた。
 
「島田くん、まずは1000冊読もうか」
 
反射神経で「はい!」と答えた。
 
その日から1年間、私のリュックには本が7冊入っていることがフツーになった。そして、私は1年で1000冊を読んだ。ほとんどが、古本屋さんで100円から200円で買った本。読んだだけだが、とにかく読んだ。
 
それまで、まともに読書をしてこなかった私にとって、その1年間は本から様々な分野について、広く浅く吸収することができた。
 
同時に、「本って、こんなにオモシロイんだ!」って気づいてしまった。
 
1000冊を読み終えた私がその後どうなったのかといえば、本を読むことが習慣になり、毎日のように本屋、古本屋に行って、買うようになった。
 
どんどん買うけれど、モノを捨てられない性格の私。
 
家には本が溜まっていく一方。
 
昨年、仕事場を引っ越ししたときに、本以外には、机と椅子、撮影機材が少ししかなかった。
 
あとは本だけ。
 
それなのに、本が多すぎて(重すぎて)、2トントラックで2回運んでもらったほど。
 
なぜそんなに多くなったのか。
それは私の性格と私が決めたルールのせいだ。
 
・気になる本は買っておく。買おうと思った時に、もう手に入らないことを何度も経験したから。
 
・「積ん読」も立派な読書だ。購入を迷った本は必ず買う。
 
・「これはすごい!」と感じた本の中に、参考図書とか、オススメが出てきたら買っておく。
 
・気に入った著者がいたら、その著者の本は古本を含め、手に入るだけ全部の種類を手に入れる。そして、年代順に読む。その著者の思考の変化が分かる。
 
・複数の本を、同時に読む。
 
 
このような読書をしている中で、私は2つの体験をした。どんどん読書の魅力にハマっていったのだ。
 
1つ目の体験は、ある情報と別の情報が結びついて、自分の中で新しい情報になる体験。これが無数に起こる。
 
意図して起こせるわけではないのだが、それは起こるのだ。本を読めば読むほど、起こる。
 
「あれっ、これってあの本に書いてあったことと関係しているんじゃないか!」みたいなこと。
そして、私の脳内で生まれた新しい情報が、また何かの情報と結びつき始める。
 
情報を点として考えてみると、
点が2個あるとき、その点と点をつなぐ直線は1本だけ。
点が3個で3本。点が4個で6本、点が50個になると1225本、
点が1000個あると499,500本の直線を引くことができる。
 
点が増えると、線は幾何級数的に増えていく。
 
実際には、もっともっと複雑で、もっともっと線を引けるイメージだ。
本を読めば読むほど、脳内で、それが起こっている実感が私にはある。
 
知識や情報は持っているだけでは価値が低い。たとえ大量に持っていたとしても、1つ1つが独立している知識・情報では物知りな人で終わってしまう気がする。私の経験上、情報をたくさん持っていても、実際には役に立たないことが多い。
 
重要なのは、断片的な情報同士を結びつけて、なにが見えるか。
何を見つけることができるか。生み出すことができるかなのだ。
 
1つ1つの知識・情報をネットワークにすることができたなら、それは無限の価値を生み出す可能性を得ることになるだろう。
 
 
そしてもう1つの体験が、大学生から「どうしてそんなに本を読むのですか?」と聞かれたことに対する答えだ。
 
私が本を読む理由。
 
それは「人生を変える一文に出会うため」。
 
不思議なことなのだが、私の人生を変えたいくつもの「一文」は、そのページを開いた時に浮き上がって見えたり、光っているように感じた。
 
「どんな仕事でも、頭を使えば、創造的な仕事である。他人から学んだルーティンワークを、無批判に、無感動に、繰り返しているだけでは、どんなことをやっても、創造的な仕事にはならない」
 
7年前に読んだ、『肩をすくめるアトラス』の中にあったこの一文は、まるで太文字で書かれたように目立っていた。
 
「一文と出会う」ことは、大量の砂の中から、砂金と出会うようなことかもしれないが、確実に存在する。
 
「一文」は、私の人生に大きなインパクトをもたらし続けている。
 
そんな「一文」に出会いたくて、私は今日も本を読む。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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