メディアグランプリ

片付けで闇落ちしかけた私が起死回生した話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:井上 ハルカ(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
自慢じゃないけど、他人の家にお邪魔して「この家汚いな~」とか「この家散らかってるな~」とか思ったことがない。大体の家が我が家に比べて片付いていると思うからである。安心して私を招待して欲しい。
逆に、私は自宅に人を招けない。冷静に考えて、めちゃくちゃ汚いとか、有機的なゴミが散らかってるとか、異臭がするとか、そんなのじゃないから自意識過剰なのかもしれないが、とにかくモノが多いのである。家が狭いうえに、家族4人分のモノの管理が甘いので、物理的に人の収容スペースが小さくて快適に過ごしていただけない……と思う。とりあえず、子供の友達は遊びに来るが、大人の友達は滅多に招かない。
 
モノが多いというのも、もう何年来の筋金入りだ。
百貨店に勤務していたということもあって、色んな“モノ”に興味があった。買い物は私のライフワークと捉えていた時期もあった。かといって、ブランド物や金目の物は全然持っていないのだが、人より所有しようというハードルが低いと思う。
「買い物好き」、「好奇心旺盛」、「飽きっぽい」の三拍子そろうと、とてつもなくモノが多くなる。
そんな私が結婚したのは「本好き」、「片付け苦手」で「捨てたがらない」人。
子供も大きくなり、13年暮らしたこのマンションの一室も、もうパンッパンである。
 
というわけで、片付かない家ができあがるのも必然だったのだ。
だが、そんなこと忘れて、私はいい加減、片付けても片付けても片付かない環境に、イライラすることが増えていた。その原因を、夫や子供に帰結させてはイライラ。だって実際、片付けの動きをするのは私ばかりだから。家族の後始末をする活動に、どれだけの時間を費やしていることか……。片付けについて、他責、被害者意識、徒労、諦念、色んなネガティブな感情がないまぜになって闇落ちしかけていた。
 
そんなとき、ある整理収納アドバイザーさんとお話しする機会があった。
「整理と収納は違います。片付けに失敗する人は、収納することに飛びついて、整理をしない」
百均グッズの収納テクなど見ると、すぐ試してみたくなる私は心当たりがアリアリだった。結局、うまく活用できなかったプラスチック容器が何個か転がって、さらにスペースを圧迫している。
私のようなモノに埋もれている状態の者にとっては、むしろその前の「整理」が大切なように思えた。自分の持ち物について、常に適量を保てるように整理をし続けることが、片付いた状態をキープするポイントなのだそうだ。整理を繰り返すうちに、自分にとっての要不要や適量を見極める力をつけていくことが、片付け上手への道らしい。
 
目からウロコの落ちた私は、持ち前の好奇心を活かして、本を一冊買った。(教えに矛盾する気もするのだが……)闇落ちトマト並みに闇落ちしかけていた私の心は、その本によってみるみる浄化されていった。
 
この本の冒頭から「まずは整理をスタート地点としてみよう」とある。つまり、片付けへのネガティブなイメージは、私のように「後始末をしている」という意識から発生している。そうではなく、整理によって、思い描いた暮らしをスタートさせるのだと捉えましょうと。あまり難しく考えずに、とりあえず整理をやってみることが大事ですと。
 
実際に引き出しを一つ、整理してみた。
いつの間にか容量オーバーになり、上の方がつっかえ、無理やり開け閉めするたびにストレスを感じていた部屋着の引き出し。
下の方には、しばらく目にしていないシロモノが眠っていた。
エプロンも5枚入っていた。でも3枚で十分だ。2枚はだいぶ古い。
ここ一年来ていないようなTシャツも捨てた。
すると、簡単に開け閉めできるようになった。
引き出しに何が入っているか把握できた。
ものの10分で終わった。
この状態をすべての引き出しでキープできるのが理想だろう。自分の把握できる範囲でと考えると、もっともっと、持ち物は少なくしたくなってくるのも頷ける。
 
この10分の行動は、ポジティブ以外のなにものでもなかった。
なぜこれに、ネガティブな意識を向けていたのか。私が思考も行動も、止めていたからだと思う。「片付けてくれない」という気持ちに飲みこまれていた。
一つ片づけると、そこもここも気になりだす。モノは使われてこそ大事にされているのだ。どこに何があるか把握し、必要な時にすぐに取り出せるのが、モノへの愛情だ。決してしまい込んだまま忘れてしまうことではない。
言い訳みたいに「ときめくものが多くて捨てられない!」と独り言ちていたが、思い出は十分に心の中にあるのだ。
モノは自分の手に持てる範囲で、そんな知恵を与えてくれた整理収納アドバイザーさんと一冊の本に感謝している。
 
参考:澤 一良 著『整理収納アドバイザー公式テキスト 一番わかりやすい整理入門』ハウジングエージェンシー
 
 
 
 
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2022-05-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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