メディアグランプリ

4,630万円につまづいた人たちと私のミス


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記事:モトタケ(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
2022年4月8日、4,630万円が間違って個人口座に振込まれたと報道された。
山口県のある町で起きた新型コロナの給付金の誤入金事故である。
振込まれた青年はお金を全額使い最終的に逮捕された。
 
私はこの事故(事件)に違和感を感じた。
 
一番の被害者は納税者である町民だ。世界の情勢からみると凶悪な犯罪とは言えないだろうが、とても気にかかる事故であった。お金を振り込んでしまった役所、依頼を受けた銀行、受け取った青年、それぞれがどこか『俺のせいじゃない』と言っているようにも感じたからだ。
 
新聞の報道は一連の事故の流れ、内容説明にとどまり、肝心の責任の所在にはあまり触れられていなかった。振込みミスの犯人探しを避けるように、当事者を世間から守る目的があったようだ。
 
テレビのワイドショーの見出しを見ると、こちらは各局お金を使い込んだ青年の方ばかりに焦点が当てられていた。
ネットでは芸能人や著名人がいろんな視点からのコメントをならべていた。もっとも過ぎるそれらの意見はピントが合いすぎているデジカメ写真のようにステレオタイプに感じた。
 
ちょうど同じ時期に私の暮らしの中でも同様な思いをする出来事があった。私宛てにNTT東日本から督促状が届いた。3月に返却したはずのWi-Fi機器、無線LANカードがまだ返されていない旨の内容だった。
 
我が家のWi-Fi機器が故障してしまい、直ぐに復旧できない様だったからソフトバンクとの契約を解約し、NTTフレッツ光(インターネット)の利用を止めた。そして即日対応してくれる他社Wi-Fiへ乗り換えた。
 
ややこしい話になるのだが、私が契約していたフレッツ光というNTTのインターネットプロバイダサービスは、NTTから卸の販売代理店になっている会社が多数あり、私はソフトバンクを介して契約をしていた。
 
解約後のWi-Fi本体(ルーター)と無線LANカードをソフトバンクへ返却する際に、私が誤発送をしていた事が分かった。それは上記の機器の他にもう一枚故障した無線LANカードが手元に残っていたのだが、それだけはNTTへの返却物だったのだ。私が誤ってソフトバンクへの荷物に同梱してしまった為、NTTから督促される事になったのだ。
 
NTT名義の督促状に記載されている連絡先に問い合わせると、ソフトバンクの契約だから当窓口では何もわからない、という対応であった。
 
ソフトバンクへ問い合わせると返却物の確認は別部署だからそちらへ問い合わせてくれとのこと。
 
言われた通りの返却窓口に問い合わせると確認が取れ、たしかに無線LANカードが指定した枚数よりも一枚多く間違って届いていた。
しかしその振替作業はお客様(私)がNTTに依頼してもらわないといけないとのこと。
 
再びNTTへ連絡するとまたソフトバンクの事は分からないという対応でふりだしへ逆戻りした。しかもNTTからは督促状を送っていないというではないか。
 
ソフトバンクのチャットサービスも利用してみた。相手は佐藤と名乗ったが、AIであった(たぶん)。LINEトークのやり取りの様にスムーズな会話がされ、私の質問に的確に対応してくれた。瞬時に人間技とは思えない速さで、大量の文章を打ってきた。最後には、聞いた事も無いような丁重な言い回しで『対応できない』という事を伝えてきた。
 
日を分けて3日にわたり問い合わせが続いたが結局未だ解決には至っていない。
 
私の誤配送が原因で迷惑をかけてしまった事は深く反省しているが、しかし何処に問い合わせても『俺じゃない、ここじゃない』みたいな対応には辟易した。
 
何かがおかしく思えた。便利になり過ぎた電話のアナウンスサービス(結局オペレーターにたどり着けなかったりする)なのか? 部署が細分化され過ぎているのか? 単純に社内の横のつながり、パイプが無いのか? すべて当てはまるようで、また違う様な気もする。
 
言わせていただくと、当事者意識を感じなかった。失礼ながらそう思った。
 
今回の事に限らず、言われたことしかやらない、言われなかったのでやりませんでした、そんな言い訳を聞くことがある。それが正しい場合もあるだろうが、少し寂しく思える。
 
山口県の誤入金の件も、発端の役所内で、依頼された銀行内で、銀行から振込先銀行との間で、当事者意識の様なものがもう少しあれば、もしかしたら事故・事件は防げたのかもしれない。警察沙汰(逮捕)になる前に打つ手があったのではないか、一人の青年の行動を思うと残念に思えてならない。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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