メディアグランプリ

名古屋のモーニング文化は圧倒的な量から始まった


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記事:村人F(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
名古屋の朝は『ドデスカ!』から始まる。
これは東海地区のローカルニュース番組だ。
ちょうど関東でテレ朝の『グッド!モーニング』がやっている時間帯に放送されている。
地元愛に溢れるコーナーが多く、他県から引っ越してきた私も楽しめるユルさが特徴だ。
 
この番組では4月から『東海3県・モーニングにメ~ロメロ!』というコーナーが始まっている。
これは喫茶店のモーニングメニューを毎日紹介する企画だが、さすが名物と言われるだけあって、どれも個性的である。
ドリンク代だけでサンドイッチにサラダとフルーツが付くのは当たり前。
場所によってはステーキが出てきたり、大食いチャレンジかと見間違える量が出てくることもあった。
どれもこれも行ってみたい店ばかりである。
 
しかし、2ヶ月ほど見続けて気づいた。
「このコーナー、ヤバくないか?」と。
考えてみてほしい。
テレビ映えするモーニングを出す喫茶店を毎日紹介しているのである。
つまり仮に1年続ける場合は、200件以上見つけなければならない。
これを全国ではなく愛知、岐阜、三重の3県の中だけで選出するわけである。
そんな企画が成立するほど店があったとは……。
どうやら認識をかなり誤っていたようである。
 
なにせ名古屋に引っ越して約4年たった今、モーニングに対する幻想が全く無くなっていたのである。
テレビで紹介するようなメニューを出す喫茶店はほとんどなく、大抵はパン1枚とゆで卵で済ますのが現実。
そう思いこんでいた。
 
しかし、全然そんなことはないのである。
東海地区だけでもテレビで紹介できるモーニングが200件以上あるのだ。
だから私の探す能力が下手なだけだったのである。
まあ最近は朝食を抜いているから当然と言えば当然だ。
 
だが、改めて感じた。
名古屋が誇るモーニング文化。
これが成立するのは、決して一部の店が目立っているからではないのだと。
むしろ圧倒的な量の店が行っているから、全国に名を轟かす名物になったのだ。
 
実際、どの喫茶店も朝6時には開店している。
東京でそんな店は24時間営業のチェーン店くらいしかないだろう。
しかし名古屋など東海地区ではそれが当たり前だ。
それくらい人々の生活に溶け込んでいるのである。
だからパンとゆで卵という普通のメニューではダメだと店が思うのも自然の摂理だ。
 
そして、ここで名古屋人が持つ厄介な特性も発動する。
それは派手好き。
織田信長から受け継がれているこの精神である。
車はトヨタ一択。
金シャチ大好き。
彼らはとにかくゴージャスにすることを求めている。
そんな人々が喫茶店を開き、モーニングで周りより目立とうとするのだ。
そりゃドエライことになるわけである。
ゆで卵をオムレツにしてみたり、一緒にハムを焼いてみたり。
そして段々とエスカレートしていき、最終的に儲かるのか心配になるレベルのメニューになるわけだ。
これらの積み重ねにより、立派なモーニング文化が生まれたのである。
 
だが私はまだ、この実態のほとんどを知らない。
朝食の時間を削りギリギリまで寝ているため、ほとんど活用していないからだ。
だからパンとゆで卵だけというイメージしか持っていない。
 
しかしせっかく名古屋に住んでいるのにこの現状はかなりもったいない。
なんせ名物のモーニングを毎日味わう権利があるのだ。
観光客なら有名店だけで終わってしまうというのに。
ならば住民であるうちに通い倒した方がいいに決まっている。
 
そして選択肢も豊富だ。
自宅から徒歩5分の範囲内に喫茶店が5件もある。
休日に自転車を使う場合はもっと増える。
この状況を味わえるのは今だけなのだ。
 
さらにこの体験は土地の空気も実感できる。
モーニングが盛んということは、朝の喫茶店に地元民が溢れていることを示す。
だから彼らの生き方に触れる場として、これ以上ないスポットなのだ。
そして東北生まれの私にはない発想を仕入れることができる。
これほど人生を豊かにできる機会はあるまい。
 
『ドデスカ!』の『東海3県・モーニングにメ~ロメロ!』は、この事実を毎日教えてくれる素敵なコーナーだ。
まずは休日の朝から探してみよう。
きっとそこにはシャキーンと目を覚ましてくれるコーヒーと、この値段でそんなに出していいのと叫んでしまうようなメニューが待っているはずである。
この豊かな文化をいつでも楽しめる状況である今を、より一層楽しんでいきたい。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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