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メディアグランプリ

ふざけた先輩と占い師に教えてもらったわたしのアイデンティティー

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:吉村 香織(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「結婚して子どももいるのに何が占いたいの?」
 
え。そうきたか。
 
結婚して子どもがいたら占いに来ちゃいけないの?
 
占いに来る女子(女性)の悩みのほとんどは恋愛と子どもに集約されるの? そうなの?
 
 
いつだったか、ランチタイムに同僚に「最近おすすめの占いがあるんですよ~」と教えてもらった。知り合いから口コミで教えてもらったものはひとまず体験してみるというのがモットーだ。その日、仕事が終わるとすぐ、おすすめされた占いの館を検索し、一番近い店舗へ直行した。
 
そういえば、なんとこれが人生初めての占いだった。
 
占いとかちょっとうさん臭くない?
占いにわたしの人生牛耳られたくない
悪いこと言われたくない
 
色々と脳裏に浮かびつつも、面白がって受け流してみようと占いの館に足を踏み入れた。
 
どうやら算命学というものと手相で占うという。ベテラン感半端ないいで立ちの女性のブースに座るように指示される。祖母が生きていれば同じくらいの年齢になってたんじゃないか。そんな想像をかき立てる雰囲気の女性が、わたしの担当だった。
 
 
渡された紙に生年月日を書いて、手相を見てもらい、家族構成を聞かれる。
 
答えた途端、即座に言われた。
「結婚して子どももいるのに何が占いたいの?」と。
 
正直、悩みというほどのものはなかった。
 
けれど、今後、仕事をどうしていきたいのか思案している時だった。どうせなら仕事のことを占ってもらいたい。それだけを考えながら来た。のに。なんだか拍子抜けしてしまった。
 
結婚して夫もいて子どももいるなら充分ハッピーじゃない。
それ以上にアナタは何を求めたいの?
それ以上の幸せってある?
それ持ってたら他に悩むことなんてないでしょ。
 
占い師だという彼女の全身から出ているオーラにそう書いてあった、たぶん。わたしはそう読み取った。
 
 
結婚して子どももいても、悩みはある。
仕事のこと、これからの生き方のこと。
それって求めすぎてるのか。
 
困惑しながらも、同時に、もう一方の思いも湧いてくる。
 
確かに、子どもと夫がいてくれて、「もう一度仕事がしたい」一心で、希望していた再就職もした。
知らぬ間に、未来に向けて重心が傾きすぎていたのかも。
そうだ、目の前にある幸せに重心を戻すタイミングが今なのかも。
 
 
最終的には、占い師から子育てのアドバイスシャワーを浴びさせてもらい、人生初の占い体験は終わった。
 
なんだかな~と腑に落ちない気持ちを抱えて帰宅した。良い占い師だったのか、はたまた外れてしまったのか。わたしには分からない。ちょっと引いて見ると、話の最後の方は彼女の子育て論の押し売りだった気もするが。
 
けれど、おかしなもので、数年経った今でもこの時のやりとりを鮮明に覚えている。
 
少なからずこの占い体験のおかげで、自分のベクトルがどこに向いているのか、体感をもって知れた。それが、後々行動するきっかけになったのは確かだ。
 
この時を境にわたしは、少ないエネルギーを投下する仕事を絞り、子どもとの時間を大切にとるようになった。
 
 
そういえば、占いではないけれど、似た経験をしたことがある。
 
自慢する話ではないけれど、新社会人の頃、わたしは驚くほど仕事ができなかった。
(仕事ができるとは何か? の定義はここでは割愛する)
 
自分でも打ちのめされた。
こんな初歩の初歩のタスクも満足に出来ないのか。
 
ちがう。こんなはずじゃなかった。
想像していたバラ色の会社員ライフとは似ても似つかない。完全にマイナススタート。
 
前向きな一歩を踏み出したくてもなかなかその一歩が出なくてもがいていた時、いつもふざけて絡んでくる先輩に言われた。
 
「え? 彼氏いるの? 嘘でしょ? その落ち込みよう、彼氏いる人のものじゃないよ。彼氏いるんだったらもっと幸せそうにしてるもんじゃないの?」
 
いやいや、彼氏がいたら「ま、仕事できなくてもいいか♡ 週末は彼に会えるし♡」とでもマインド転換できる女子がほとんどだとでもいうのだろうか。もし100歩譲ってそうだったとしたら、わたしは残念ながら、それはそれ、これはこれタイプだ。(どんなタイプやねん)いや、むしろ恋愛よりも仕事に対するアイデンティティの方に、はるかに重きを置いているタイプ。
 
……と、当時思ったことを具体的に言葉にしてみて思うことは。
 
もしかしたら、仕事が出来るとか、あるいは仕事で成果をあげることにわたしは固執しすぎていたのかもしれない。まるで、仕事の出来不出来がイコールわたしのアイデンティティーでもあるかのように。そう思い込みすぎていたのかもしれない。
 
それが良いとか悪いという話ではない。自分が何を大切にしているかが体感として分かれば、自分が望めば行動で変えていくことができる。
 
 
 
彼氏がいても、仕事で落ち込んでいたわたし。
家庭があってもなお、仕事の方向性に悩みたかったわたし。
 
強烈なまでの仕事に対するアイデンティティに気づけたきっかけは、占い師と先輩という全く異なるジャンルの二人からの関わりだった。どちらの関わり方もコーチングとは無縁の関わり方だったけれど、あなたの身近なところにもコーチング的視点は潜んでいるかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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