メディアグランプリ

パッケージがだっさいお菓子の魅力が世界中に気づかれてほしい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:HOKU(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
お菓子を手にとる時、またあなたの『資質』も、試されているのだ。
 
なんてことを言うつもりはない。ただ、お菓子を選ぶときにこの文章がふと頭をよぎってくれたら……。お菓子たちから見たあなたの株も上がるかもしれない。
 
私の母親はおやつ博士だ。
スーパーですみっこに追いやられ、ほとんど誰の目にも触れないままやがて在庫となり消えていくおいしいお菓子を見つけるのがうまい。そしてそういうお菓子は二度と再入荷されることなく、二度と私たちの口に入ることもない。
 
有名どころに目もくれずに母が買ってくるお菓子には、ひとつの共通点がある。ありえないくらいパッケージがダサいのだ。
 
まったく可愛げのない三つ編み少女のキャラクター。チラシみたいな字体で文字がぎゅうぎゅうに買いてある袋。黄色と赤の目がチカチカする配色。配色の問題でまったく読めない「はちみつ」の文字。
 
何をどうしたらそうなるんだろう、と首をひねりたくなるほど安っぽくてダサいパッケージのお菓子が、家の棚をいつも占拠している。良さなんか一つも伝わらないし、手に取りたいとも思えない。文字は読みづらくて、結局何の商品なのかよくわからないものも多数だ。
 
でも、美味しい。
 
たとえば今一番ハマっている、はちみつの蒸しケーキ。透明なパッケージの中には茶色いケーキがどん!と鎮座している。袋に書かれた茶色い「はちみつ」の文字はケーキと同化してまったく読めない。ちなみに茶色いケーキを取り出すと、今度は白い文字が読めなくなる。消費者に絶対に文字を読ませない気概を感じる。
そしてサイズが大きい。デカすぎる。私の顔より全然大きい。多分顔の大きさで売ってる芸人さんと比べたらいい勝負くらいのサイズ感。
味は、はちみつの甘さだけでなく、そこはかとないしょっぱさを感じる。このしょっぱさが味に深みを増し、ついつい手が進んでしまう。気がついたら顔サイズのケーキを食べ終わっている。本当に怖い。このケーキを母が買ってくるようになって私のダイエットは完全に終焉に向かったと言っても良い。
 
もう一つ、自称・高級ブランドクッキーにもハマっている。高級ブランドのクッキーのはずなのに、パッケージの文字は全て明朝体。箱を彩る色は高級感を捨て去った、明るい緑。深みがなさすぎて不安になる色あいだ。ただ確かに「変なキャラクターがいない」という点では、他のダサパッケージ軍団とは一線を画しているので、高級な雰囲気にしよう、という固い意志だけは感じられる。
そのブランド中ではチョコレートクッキーが一番好きである。サクサクの生地。手作りですか?と思わず言いたくなるクッキーの卵感。ごろごろと大粒のチョコレート。卵の匂いとチョコレートの濃い匂いが袋を開けた瞬間立ち込める。サクサク、ゴロゴロが合わさった食感は、最高のハーモニー。
チョコレートクッキーなのに卵感。あんたどんだけいい卵使ってるのよ。
 
そう。彼らダサパッケージ軍団は、小さな会社や地方自治体、地方の工場によって作られたものがほとんどだ。早い話が、材料費にお金をかけすぎてデザインに使うお金がないのだ(と私と母の間では解釈が完全に一致している)。
 
だからこそ、味はめちゃくちゃ美味しいのだ。そんじょそこらの大手企業の工場では作れないレベルのものが、たしかに市場に出回っている。
 
でも、悲しいかな。人は「パケ買い」をする生き物である。私も高校生の頃は、少ないお小遣いを「パケ買い」に費やし、煮え湯を飲まされてきた。きっと世の中の大半の人々も、「お菓子なんて今はどれも美味しいでしょ?」とパケ買いを積極的にしているに違いない。だから私たちの愛するダサパッケージ軍団は、ひっそりと市場に出回り、ひっそりと消えていく。その様はさながら、実力を認められずに死んでいったかつての芸術家たちのようだ。
 
ちなみに母に「どうやってこんなの見つけるの?」と聞いたら、「スーパーの一番上の棚の奥の方」と言われた。芸術家どころかもはや脱出ゲームの鍵探しに近い。
 
コンビニに並ぶキラキラしたケーキ。大手がつくったベストセラーのお菓子たち。インスタに映えるオシャレなデザインの箱のお菓子。もちろん、大好きだ。心が沈んだとき、コンビニで買うキラキラしたケーキは、手軽に私の心を上向きにするし、キラキラしたパッケージのお菓子に囲まれるだけで、確実に心は踊る。
 
でも。
スーパーの棚の一番上に追いやられた、「なんでそうなった?」というデザインのお菓子を、まずは見つけてみてほしい。きっと彼らは語りかけてくる。「中身は、本当に美味しいんだ!」と。その声がもし聞こえたら、そっと彼らをレジに持っていってあげよう。
 
そこにはきっと、新しい出会いの風が吹くはずだから。
 
……とまぁ、ダサパッケージ並みにダサいキメゼリフだけど、多分この文章の終わりにはこれくらいがちょうどいい。よね?
 
 
 
 
***
 
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2022-06-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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