メディアグランプリ

20220704 自分の人生を言葉で選んでいく 言葉の筋トレ実行中


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:道上 香織(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
誰かに言われた一言が、いつまでもざわざわと心の中に残っていることってありませんか?
 
「ねぇ、あなたになにができると言うの?」
「ホームページ見たけどさ、なにあれ? 全然響かないよ、内容もレイアウトも全てダメだね」
 
2017年、自身のスタジオをオープンする準備をしている時にある人に言われた大谷翔平のストレート160km/hを超える、ド直球の全否定。
「まだなにもはじまっていないのに……」
全身が固まり、言葉を失う。
次にわたしが起こした行動は笑っていた。ヘラヘラしながら。
怒りや悲しみの感情を超えると笑ってしまうのだ。
そして、そこには触れないように話をごまかして、蓋をする。
もうその人には会わないと、誓う。
会わないことで、もう直接言われることはないだろうから、解決するだろうと思っていた。
でも何か新しいことをしようとプランする度に、その時のシーンがゾンビのように蘇る。身震いする。そして、またヘラヘラと笑っていた。
 
個人事業主として働きはじめて、今年で6年め。
はじめた数年は自分では無い誰かの生き方に合わせていた。
それで社会に貢献できるのならば、と思っていた。
自分の心からの想いを少し横に置いて、他者を優先していた。
 
「今日の予約を明日に変えてくださらない?」
「あ、はい(当日に言うか、しかもLINE……明日は定休日なのに……しかしここで顧客を失いたくはないから、引き受けよう)」
休みの日に働く。顧客は幾度となくそれを繰り返し、結果、定休日は無くなり、不定休となる。
そして、そう言った顧客はある日突然、来なくなる。
そんな無理はどこかで崩壊、する。
3年目に大きく体調を崩し、1ヶ月間療養することになった。
健康を商売にしているのに、情けない!
あの人たちに「だから言っただろうが」と言われてしまうかも。
と、また違う方を向いてしまう、見えない誰かの顔色を伺う日々が続いていた。
 
こころと言葉のバイブルに出会ったのは、とある書店のLINEから
 
ある日ピコンと入った、いつもなら気に留めることのない企業からのLINEを開くと、「誰かの正解に縛られて、苦しいこと……ありませんか?」
のコメント。
送り先は、湘南天狼院。
スタジオのほど近く、事務作業をするのに、利用させてもらっているカフェを併設した書店だ。
阿部広太郎さんと言うコピーライターさんの書籍とイベントの紹介を受けて、すぐにその本が読みたくなった。
書名は『それ、勝手な決めつけかもよ?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)
その日外は大雨が降っていたが、自転車を飛ばして書店に向かい、一気に読破した。
紙とペンを持ちながら気になる所に戻って、メモ。
そこにはこう書いていた。
この本は自己啓発本と言うより「自己解決本」って。
 
自己啓発の「啓」は
ひらく。教え導く。教え諭す。理解させる。
 
みたいな意味があって、それはその本を書いた誰かの正解に縛られてしまうものであれば、わたしには必要ない。
「誰かの正解はわたしには不正解である」を落とし込みたいわたしに必要なのは、解決策だった。
 
それは美化かもしれない、けど悪化よりいい
「自分の取り返したい過去や、向かいたい未来を、自分の現在を中心にして解釈することで、納得できる日々をたぐり寄せる」(阿部広太郎『それ、勝手な決めつけかもよ?』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年より抜粋)
この文章を読んだ時、魔法をかけてもらった気持ちになった。
どうしても消せない誰かからの一言だけでなく、自分が発してしまった一言の記憶と感情は、何度も現れては消え、どんどん発酵されてそろそろヴィンテージの域に達するものもあったりする。
自分の気持ちは置き去りで、他者の解釈の沼にはまり込み、にっちもさっちもいかなくなる経験を更に悪化させない為に、次にあの発酵された秘伝のタレみたいな感情が現れたら蓋をしないで、「今思えば」で立ち止まってみよう。
そして先ずは自分の気持ちをすくう。それは液状だったり、細かい粉状だったりするから丁寧にすくう。
そして見えてきたものに光を当てて、こぼれ落ちないように優しく抱きしめる。
「今思えば」と解釈してみる。
 
「今思えば」6年前のあの日……
「良いか良くないか、できるかできないかを決めるのは、わたし。
心配してくれて、ありがとう。
どこまでやれるか自分を試してみる」
と言いたかった。
それは、5年間頑張ってきた今の自分の解釈だ。
 
ここから作っていく向かいたい未来は、置き去りの自分がいないようにしていけばいい。
そうやって、誰かの正解に縛られない、自分の言葉で人生を選ぶわたしになって行こう。
 
今日も江の島の書店カフェにて、ページをめくる。
本を読むことは言葉の筋トレだ。
 
 
 
 
***

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2022-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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