メディアグランプリ

昭和生まれの私が平成・令和生まれの娘たちと「となりのトトロ」を楽しめる理由について考えてみた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:長谷川 博紀(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
娘2人と車で出かけると、高確率で車の中で観る映画があります。
それは「となりのトトロ」。
スタジオジブリの名作中の名作であり、日本で知らない人はいないくらいの超絶有名なアニメ映画です。
おそらく10回近くは一緒に観ているはずで、4歳になる長女にいたってはおおよそのストーリーは覚えています。観ていると、
「次、ネコバスが出てくるよ」
とか教えてくれます。しかし、毎回、目をキラキラさせながら新鮮な反応でトトロを楽しんでいるのです。
 
驚くべきことに「となりのトトロ」の公開日は1988年。そして、舞台は昭和30年代です。LINEやスマホが存在する令和の現代では、ストーリー中に出てくる電報や電話のシーンなどは理解しがたい場面のはずです。しかし、娘たちはワクワクしながら、観ています。
 
長女に一度、「トトロのどこがそんなに面白いのか」を聞いてみたことがあります。すると、
「家の中をぐるぐる走り回るところ」
と教えてくれました。引越ししてきた家の中をサツキとメイが探検する、冒頭のシーンです。ここで謎の生物らしきもの(まっくろくろすけ)をみつけて話が展開していくのですが、なるほど、自分がサツキとメイになり切った状態で疑似体験しているようです。
他にもメイが初めてトトロと出会うところでは、次女は「トトロー!」と叫んでいます。完全にメイに感情移入しています。
 
娘2人ともが「となりのトトロ」に大きく影響を受けており、そもそも2人の立ち位置がサツキとメイみたいなものです。劇中に出てきた「順番!」や「あれ~?」と言ったセリフは口癖となり日常で使っているし、探検したがるし、ドングリを集めたがるし、雨の日はこぞって傘をさしたがります。小さな子供がやりたがる行動を宮崎駿監督がよく観察して描いているのでしょう。このような子供の反応は時代を超えても変わらないものだな、と驚いています。
 
一方で、サツキとメイのお父さんは大学の非常勤講師で、子供たちが小さいこともあり基本的に家で仕事をすることが多いです。これは現代で言うところの在宅ワークにあたり、ある意味、働き方の面で時代の先を行っていたのではないかと個人的には思っています。
 
「となりのトトロ」は、もちろん私も小学生の頃から何度も観ており、今は娘たちも何度も観ている作品です。昭和、平成、令和と時代を渡り合っても、なお私たちを惹きつける魅力があるのはなぜか。
それは、作品のクオリティの高さ、なのかもしれません。ストーリー性はもちろん、サツキとメイの住んでいる家の間取りといった見えない細部にまで矛盾がないように細かく作り込んでいる。だからこそ、変な意味で古さを感じることがなく、話に入り込むことが出来るのだと思います。
 
同じく、先日TV放送されていた初代「ウルトラマン」も娘2人ともが食い入るように観ていました。こちらについては1966年の放送開始で「となりのトトロ」よりも古い作品です。2,3回一緒に観ているのですが、怪獣が水面から出てくるたびに「怪獣だ!」と騒ぎ、ウルトラマンが怪獣と戦っているシーンを観た後は、娘たちはそのシーンを再現して遊んでいます。
 
最近「シン・ウルトラマン」を観たので、比較すると映像やセリフ回しの古さは否めません。それでも、作り込まれた戦闘機をはじめとするミニチュアやスペシウム光線の演出は現代でもスゴい! と思わせるもので、これも作品のクオリティの高さを感じています。何度観ても本当に色あせない、飽きさせない作品だと思います。
 
このような映画やドラマに限らず、全ての商品やサービスにはリピーターが存在します。
リピーターが「次」も選んでくれるためには、一つは価格があるかもしれません。
お店だとすると、移動距離があるかもしれませんし、手軽さがあるかもしれません。
それでも、忘れてはならないのは「クオリティ」だと思います。
なぜなら、「となりのトトロ」にしても「ウルトラマン」にしてもクオリティが低ければ「古い」「つまらない」で娘たちは「停止ボタン」を押していたに違いないからです。
しかし、実際のところは何度も繰り返し観ている。そこには時代を超えるクオリティの高さがあるからだと、私は思います。
 
私自身も、前職で化粧品の店舗販売に携わっていた経験があります。
商品を試され、再度来店下さるお客さまもいれば、一度きりだったお客さまもいらっしゃいました。再来店いただけるか否かの違いは定かではないですが、分かったことは一度きりのお客様はほとんどの確率で「それきり」で終わってしまうことでした。
ですので、店のスタッフは全てのお客様へクオリティの高い接客を行うことで着実にリピーターを作り、高い売上を上げ続ける店舗へと成長しました。
 
小手先や裏技に頼る方が瞬間的に成果は出せるかもしれません。しかし、それでは本当の意味での商品やサービスの強さは得られません。筋トレのように地道に商品やサービスのクオリティを高めることで得られる強さが一番だと思います。
 
 
 
 
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2022-07-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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