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ハローワークからの洗礼、そして私が選んだ道とは?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:トニー中田(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
ハローワーク担当者
『そうですねえ、あなたの希望に合う会社はどこにも有りませんね』
私『……』 私は絶句して声が出なかった。
 
追い打ちをかける様に、その担当者はこう言い放った。
担当者『中田さんは、専門性も高いし経験も豊富だと思うんですが、とにかく大手出身の方は中小企業などでは、嫌がられるんですよね~!?』
私『えっどういう意味ですかっ?』 心の中では、ムッとした自分がいた。
 
苦虫をつぶしたような顔をしながら、もう何百回も言っているかのような感じで
『言いにくいんですけど、そういう方々の共通した問題点が3つ有るんですよっ』
 
私 『はい↑?』 聞いてやろうじゃないか!? っとこれまた心でつぶやいた。
 
担当者『そうですね~1つ目は、皆さん前会社時代のブランドを捨てきれないようで、自分では気が付いていないと思いますが、発言が上から目線になっちゃうんですよね!?』
 
私『いえいえ、もう学卒の新入社員の気持ちで言葉使いから心がけます』
上から目線は、あんただろう! っと心の叫びが口から出ないように話の続きを聞いた。
 
担当者『次に2つ目ですが、専門職過ぎて仕事は分業が当たり前と思われる傾向があって、自分の担当以外の業務はやらないっていうか、出来ないっていうか……』
私『その通りだと思います。 でも、知らない事は、覚えるしかないですよね?』
この時点で、かなりヒートアップしていて、思わず語気が強くなってしまった。
 
担当者は、見透かしたようにこう言った。
『それそれ、3つ目は自己主張が強く意見の正当性を言ってくること。 何が言いたいのかっていうと、中小企業は理不尽な勤務条件、業務評価、生産性の悪い慣例で指示してくるなどが普通で、まずはそこを受け入れられないと、やっと入社出来ても半数はそれが理由で1~3か月でやめてしまうんですよね!?』 私の目を凝視して追いつめて来た。
 
私『うっ……』 いかん、完全に担当者のペースだ。 要するに、給料は少ないし、残業も多く、理不尽なワンマン社長も多いので、紹介してもいいがやめるんじゃないぞ! って言いたいのだろう。 蛇に睨まれた蛙の気持ちが、痛いほどわかる。
そんなことは、絶対に無いと言いたいけど確信が持てない自分が歯がゆい。
さあ、どうする……。
 
 
さて話は1カ月前にさかのぼり、なぜ私がハローワークで窓口の担当者とバトルを展開しているかをここで簡単に説明しておこう。 何を隠そう、実は1か月前に前職を早期退職したタイミングで上京し専門学校で日本語教師養成講座(11カ月)に通いながら、再就職にチャレンジしようと考えたからだ。 何故か? そうです、その間は失業保険がもらえるからなんですね。
 
専門学校へは、基本平日コース全日制(10時~16時)でスタートして、もし途中で就職が決まったら、夜間土日コースに変更しますという申請内容受理された。
 
同時進行でそれ以外にやらなければならない事は、ハローワークへの失業保険申請として月2回の就職活動証明で、たとえばそこの端末を使って会社検索または実際に会社面接をしたという証明書を1枚を確保することだ。
 
後で出てくるが、もう1つの証明書は前会社が契約しているパソナ就職支援で発行可能。
まずは難関のハローワーク突破が当面の課題である。 ざっと、こんな感じだ。
 
 
って事で話を戻して、担当者に『やめないよね?』って追いつめられた私はこう考えた。
待てよ、今ここで担当者に嫌われたら、いい会社も紹介してもらえないし、ひょっとしたら退職金も支給却下されちゃうかも? って考えたら、背筋がゾッとしてきた。
 
私は気持ちを落ち着かせ、担当者の目を見てこう言った。
『もっもちろん、歯を食いしばって頑張りたいと思います』
 
担当者は勝ち誇ったように、急に顔が穏やかになって私を諭すように言った。
『そうですか、わかりました。 では今月分の失業保険申請書を提出してくださいね』
私『はい、ありがとうございます。 今後ともよろしくお願い致します』
 
帰り際に担当者が私を呼び止めて、アドバイスしてきた。
『保険金もらったら、そのまま施設内の端末で仕事を探してみてくださいね。 それも就職活動1回としてカウント出来ますから』 一瞬、担当者が恵比寿様に見えたのは目の錯覚だと思うが、乗り切った安ど感もあって心は晴れやかだった。
 
あれから3か月
しばし平穏な専門学校生活を基本に、ハローワークとパソナの往復で、あれよあれよと3か月が経過した。 いや~50歳過ぎてからの学生生活ってなんて楽しいんだろう。
そんな中、ふっと頭をよぎったのは『自分は本当に就職する気が有るのか?』 だった。
 
ハローワークは、面接と端末で仕事先を検索するパターンだけど、パソナは違った。
なんと、3か月経過後にコースを変更できるという“ジャッジポイント” があったのだ。
 
つまり、そのまま再就職なのか起業したいのか、またはNPOとかボランティアにするかなど、様々な将来への支援コースが3か月後に再選択できるというものだ。
 
まさに、自分を見つめ直す絶好のチャンスでもある。
 
実は、この3か月間求人サイトを見ても年齢的なものも有るとは思うが、検索で出てくる職種は意に反するものばかりで、はっきり言って希望の職場は1件も見つかっていない。
 
希望給料、休日、勤務所在地など条件をハローワークの端末にインプットすると、出てくる職場は、“警備員” “歩合制営業職” “アマゾン仕分け作業” とかだ。 職業を差別すわけでは無いが、マネジメント職の募集はほぼゼロだ。
 
いやいや、それは無理だろうってず~と考えていたので、このタイミングで今後の生き方について真剣に考えてみた。
 
そもそも、日本語教師養成講座を選択したのは海外で教師業をやりたかった為なので、それを基準にして出来れば海外で日本語学校を経営したいと思っていた。
 
さっそく月例のパソナ面接で担当者へ希望を伝えた。
私『すみません。 再就職コースから、起業独立コースに変更したいんですけど大丈夫でしょうか?』
担当者『やはりそうなりましたか!? わたしは最初から感じていましたが、中田さんは絶対に起業した方がいいと思いますね。 やりたいこと、思った仕事はサラリーマンでは出来ないので、起業頑張ってください! 私も小さな会社ですが役員としての顔も有るので、一緒に準備していきましょう。』
 
私『そうですよね~あらためて自分の性格とか分析してみると、起業かなって思いました』
なんか、目の上の腫物が落ちたような晴れやかな気分になったのは今でも忘れません。
 
で、来月からの起業コース研修メニューは何かなあと確認してみると“起業する為の準備項目や過去の事例とか” と記載されてました。
 
私『そうそう、私が知りたかったことはこれなんですよね』
担当者の方はニコニコして私を見ていました。
 
今回の一連の活動で思ったことは『人生の方向性は日々変化していくので、最終目標を決めて準備していくのもいいが、まずはスタートすることが大事だ!』 という事でしょうか。
 
とりあえず当面やることは、日本語教師ライセンスの取得(420h+卒業検定)そして、いつになるか分からないが、起業するための基礎知識習得です。
 
え~と、明日の授業は午前中が “文法” で、午後が “音声学” だったかな。
 
ウキウキしながら教科書をカバンに詰めている自分がいた。
 
 
 
 
***
 
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2022-07-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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