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ちりも積もれば山となる~私の節約術教えます~


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:紗矢香(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
私は半額シールや割引が大好きだ。
子供が小さい頃、スーパーに一緒に買い物に行くと、
「ママ、このお菓子、半額シール貼ってあるから買ってもいい?」
子供たちは息をはずませ、お菓子を私に見せながらこう聞くのだ。
「もちろん、いいよ」
とにこやかにカゴにいれる。
得したねとほめてしまうぐらいの勢いだ。
半額シールが貼ってあると買ってくれると知っている子供たち。
はたして教育上はこれでいいのだろうかと、不安を覚えていた。
 
私が中学生の時に、父親が転職してから、家の家計はガラッと変わった。
大好きだったピアノも辞めないといけない状況。
大学の学費は出してもらえたが、仕送りはなかった。毎日アルバイトをして生活をしていた。ノーメイクで、Tシャツにジーパン。外食もせず、旅行も行かず、大学生らしいことは、ほとんどしていなかった記憶がある。
ただ若いころにお金に苦労したということは、今現在も役に立っている。
 
結婚して、子供が生まれた当時、夫が仕事を辞めた。
私も妊娠中に仕事を辞めていたので無職だった。家計はかなり苦しかった。
夜にスーパーに行き、半額の食品を買い込んだり、特売の野菜を買ったりして、しのいだ。
子供が生まれる前に貯めていた貯金を切り崩し、なんとか生活していた。
 
数年後に、私も働くようになり、家計はだいぶ楽になった。
だが当時の苦しさを知っているからか、商品を定価で買うことに後ろめたさを覚え、割引がついている商品をついつい探してしまう自分がいた。
夫が職を転々としていたことも関係があるかもしれない。いつなにが起こるかわからない。
貧しさから、節約が身体にしみついていた。
 
そんな生活でも楽しみがあった。
近所に賞味期限が短い商品や売れ残りの商品ばかりを格安で売っているお店があった。
このお店が大好きだった。毎日のように通っていた。子供が飲む濃縮カルピス。
普段なら、1本300円くらいするものが、99円!
賞味期限は、2か月程。迷っている暇はない。油断していると、あっという間に売り切れてしまう。
「わあ、カルピスだ!」
子供たちも喜んだ。得をした上に、子供たちの笑顔が見られて嬉しかった。
 
次の日、そのお店に行くと見たこともない珍しいカップ麺が売られていた。
ショートケーキ味の焼きそばカップ麺。一つ50円で売られていた。
子供達はさぞかし喜んでくれると思ったのだが、反応は薄かった。
「これ 誰が食べるの?」
「味が想像できんわ」
ひょっとしたら美味しいのではと思った私が間違いだった。
甘いのだか、辛いのだか、よくわからない味。
焼きそばはやっぱりUFOだなという結論。
「変なものは買ったらだめよ」
子供にたしなめられていた。
 
安いからと言ってなんでもかんでも買うべきではない。
何回か失敗し、学習をしていった。
品定めをして、よく考えてから買うように心掛けた。
 
子供達も大きくなり、私は仕事を掛け持ちして、働くようになった。
娘の大学資金が必要だった。奨学金は借りる予定だったが、あまりに高額を借りると卒業後の返済が負担になる。
私自身、貧しさの為、志望できる大学が絞られていたので、そんなことはないようにしてあげたかった。
 
その娘だが、大学に入り、アルバイトをするようになると、自分で服を買うようになった。
「ママ、これいくらだと思う?」
「えっ、3000円くらい?」
「ブー! 500円」
「やすっ!」
カエルの子はカエルである。
私に似て、いや私以上に、半額、割引が大好きな女子に成長していた。
それが気に入って買っているのならば、全く問題はない。
安いからいいやと思って、買ってはいないだろうか。
それだけを心配していた。
 
だがそんな心配は不要だった。
娘は、自分が好きな推しのアイドルのコンサートに行くために、貯金をし、節約していたのだ。
ファンクラブに入り、この夏には、東京まで一人でコンサートに行った。ホテルは安い所を探し、夜は、コンビニでおにぎりを買って食べたと連絡が入った。
好きなものにはきちんとお金を使い、節約できるところは、節約していた。
よかった、私の教育方針は間違っていなかったのかと少しほっとした。
 
ただ、同じ大学の友達と話をすると、自分の金銭感覚が人と違うなと思うことがあるらしい。
娘はなにか物を買うときは、スマホのクーポンや割引がないか必ず探すし、何万歩か歩いたら、1本無料というコークオンのアプリをいれて、飲み物は間に合わせていると言っていた。
そこまでやっている子はなかなかいないのであろう。
 
「大丈夫、人は人。あなたはあなた。自分の思うようにすればいいよ」
 
お金があるに越したことはない。
だがお得に買えるものは利用して、少しでも節約する。
ちりも積もれば山となる。
浮いたお金で、自分の好きなものに使うことや、自分への投資はどんどんすればよい。
 
私も子供が大きくなった今、これからは、自分磨きにお金をかけよう。
自分の健康の為に。自分のスキルアップの為に。
 
そのためにはやはり、半額シールを探して節約する生活は、これからも続いていく。

 
 
 
 
***
 
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2022-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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