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ピルで心も体も美しくなる!


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高橋 さやか(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「最近、顔つきが優しくなったね」
 
20代半ばの頃に高校時代から仲が良かった男友達が褒めてくれた。彼は全寮制の学校のクラスメートなのでお互い本音が言える仲だった。心当たりといえば低用量ピルを飲み始めたことだった。彼には結婚して娘がいるのでピルを飲んだら楽になったという話をしてみた。
 
「今は治療でピルを飲む女性もいるんだね。楽になったんだったらよかったね」と笑顔で言ってくれた。
 
ピル服用前の私の生理痛とPMS(月経前困難症)は凄まじかった。
 
生理痛は一言でいうと陣痛並みである。ちなみに出産経験はない。下腹部に鈍痛がのしかかり、ひどい時は痛みで体がまっすぐに伸ばせず着替えるのに一苦労だった。鳥肌が立ち脂汗をかくこともあった。加えて貧血との戦いだった。後にアロマセラピーのお店で働くことになるのだが、お客様とたまたま婦人科系の話をしていたら「私は2人出産しているけどその生理痛は陣痛並みね」と言われた。
 
生理の終りから2週間くらい経つと排卵痛で1ヶ月おきに左右の下腹部がチリチリと痛む。右下だと盲腸を疑うくらいだった。
 
排卵痛が終わって2週間はニキビの悪化、異常な食欲、体重増加、イライラと落ち込み、集中力低下による仕事のミスの増加で自信喪失するほどだった。
 
また些細なことで家族喧嘩になり、弟が小学生の頃に「お姉さんは20日に1回くらいの割合で怖くなるけどどうして?」と母に聞いていたらしい。
 
少しでも生理が遅れたら避妊はちゃんとできていたかを疑った。男性の「大丈夫」は女性にとっては全く大丈夫ではない。生理が来たら安堵はするが痛みとの戦いが再開する。
 
よくよく考えたら心身ともにスッキリしているのは1ヶ月に1週間だけ。何もない人と比べたら4分の1の人生である。
 
低用量ピルが解禁されていなかった頃は婦人科医から鎮痛剤を処方してもらうだけでPMS(月経前困難症)に対するケアは特になく、漢方の煎じ薬も効果がなかった。
 
特に社会人になってからは揺れ動くホルモンとの戦いだった。
 
ショールームのコンパニオンという華やかな職場だったが人に見られる仕事なのでスキンケアとダイエットは最大の関心事。少しでも太ったと感じたら不安になり、大きなニキビが出来ると一日中憂鬱だった。
 
人に指摘されると余計に落ち込んだ。心無い男性からは「そんな顔で人前に立つなとも言われた。2年の任期だったが常に体調と美容面に不安を抱えていたと言っても過言ではなかった。
 
任期満了後は少しマイペースな生活だったがメンタルの不安を抱えていて服薬をしていた。
 
そんな中、無排卵月経とパートナーとの避妊に不安がありインターネットで検索している中でピル服用者のサイトを見つけた。
 
彼氏と同棲中でパニック障害と闘っている同年代の女性だった。
 
ピルの効能は避妊だけだと思っていたがサイトを熟読してみたら「生理痛が軽減した」「生理前の不快な症状がなくなった」「メンタルが安定した」「ニキビができにくくなった」「肌がきれいになった」「痩せた」「出血が来る日が分かる」「生理日を調整することができる」などなど。当時の私にとって夢のような効能のオンパレードだった。
 
思い切ってサイトを作っている方にメールをしてみた。
 
「とてもお辛そうですね。まさにピルを試すことが必要だと感じました」という書き出しで始まる服用後の変化が丁寧に書かれている返信が届いた。とても優しい文体で安心感があった。
 
この返信に背中を押されて当時通っていた婦人科で処方をしてもらった。血圧測定と問診があり、低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが配合されていて服用することによって排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑えることによって受精卵が着床されにくくなり避妊効果が保てることと女性ホルモンのバランスを一定に整えるという説明があった。
 
また21日間毎日定刻に飲み、7日間の休薬期間に消退出血というピルによる出血がありこの期間が過ぎたら次のシートをスタートさせるという服薬指導があった。
 
ドキドキしながら月経初日に1錠目を飲み始めた。1ヶ月が経って初めての消退出血の時に痛みがほとんどなかった。思い起こせば生理前の不快な症状も感じることがなくとても平和に過ごしていた。本当にびっくりした。
 
副作用はなかったわけではないが失敗してしまったことがある。彼の家にあったグレープフルーツジュースを誤って飲んでしまったことだ。少々気持ちが悪くなったが他の薬にもグレープフルーツジュースと飲んではいけない薬がある。
飲むのをやめたら治ったので副作用はあまり記憶にない。
 
数シートを続けたら肌がふっくらツヤツヤになった。ニキビも軽減した。化粧のノリが格段に上がって鏡を見るのが嬉しくなった。
 
また生理前に大量に甘いものを欲していたが食欲も安定した。生理前に体重が増加して凹むこともなくなった。
 
メンタルの不調で服用した薬も減らすことができた。やはりホルモンバランスの乱れによるものだと痛感した。
 
避妊に不安がなくなったというのも大きい。パートナーときちんと話し合うようにもなり、困ったことは婦人科医に相談できるというのも大きかった。万が一の副作用に備えての年に一回の血液検査・子宮頸がん・乳がんの検診を受けるためきちんとしたセルフチェックも習慣づけられた。
 
ピルによるクオリティオブライフの向上は約20年続いている。ホルモンに振り回されずに自分の人生を過ごせているというのは本当に幸せなことだ。
 
恐らく閉経まであと数年で、ピルの卒業も近いだろう。女性として自分の体と向き合いながら年齢を重ねることが出来て本当によかった。体調の疑問はすぐに医師に相談し、自分で調べる習慣が出来ているので変化があればどこに行って何をすればいいかが分かっているというので安心感が全く違う。
 
日本のピルの服用率は私が飲み始めた時は1%程度で今も2.9%と言われている。同年代で服用したことがある友人に出会ったのはなんと1人だけ。若い年代でも2人くらいしか記憶がない。
 
日本の性教育は遅れている上に、生理の悩みに対しては我慢が美徳という風潮がまだまだ根強いことが原因だろう。
 
もちろん薬なので体質によっては副作用もあり得るし合わない人もいる。抵抗があるという方には服薬することでストレスになってしまうと思うので誰にでもおすすめというわけではない。
 
ただ女性特有の不快な症状は誰しもが経験するし、望まない妊娠を避けたいというのは皆同じだと思う。毎日を快適に、そして安全に過ごす選択肢の一つとしてピルについて正しい知識を持つということは大切だ。
 
女性の体の変化を自然に任せ、多少のトラブルは我慢というのは放置に近いことだと感じる。鎮痛剤を大量に飲む女性に度々会うがこれこそ副作用がとても心配である。
 
また間違った避妊で生理が来ないという相談を今までの人生で何回受けただろう。悲しい結果になってしまった女性も少なくない。自分の身は自分で守るしかない。もちろん、女性だけでなく男性にも正しい知識を持って欲しい。
 
体をいたわり性を正しく理解するというのは生命と人生を丁寧に扱うということの繋がるのだから。
 
 
 
 
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2022-09-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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