キスよりすごい音楽って本当にあるんだね
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:陣(Jin)(ライティング・ライブ福岡)
ある映画を観た。旅がテーマで世界7大陸を回っていくというようなものとなっているのだが、ライブ映画というべきなのだろうか、もう何回も観ている。
最推しがいるわけでもない。
曲は、1、2曲くらいしか知らなかった。
近くの映画館ではやっておらず、わざわざ遠方まで見に行かなきゃならない。
それでも観てしまう……
実はもともとこの映画を観に行く気はなかった。
公開日は知っていたものの、さっきも言ったように最も推しているアイドルは出てこなかったから行く気はなく、
「きっと前作もそうだったように、U-NEXTで配信されるだろうから、どうしても観たかったらそれ観たらいいかな」
と思っていた。
思っていたのだ。
何気なしにTwitterを漁っていたある日、私と同じように最推しはいないのだけれど、この映画を観てみたら大変なことになってしまったとTwitterでつぶやくプリンセスが徐々に増えてきた。
ちなみに彼らのファンのことを「プリンセス」と言うことがある。
どんな大変なことがプリンセスたちに起こったかというと、
・今までこのグループに推しはいなかったけど、推しが増えた。(1人どころか2人増えた人も)
・毎週足を運んでしまう
・ブログにしたためてしまう
そしてすすり泣きながら劇場を後にするプリンセスも多数見られ、他の映画を観に来た人たちがざわざわするという現象も起きた。
一体、何が起こっているのか……。
それを検証するため映画館に向かった。
とりあえず一回観れば十分だろう。後はU-NEXTで……
と思っていたら、
なんと毎週少しずつ演出が変わったり、アンコール部分が追加されたりするそうなのだ。
そして毎週来場者プレゼントが変わるという……
なるほどそれでみんなが行っているのか!
謎が解けた! 演出が変わるのなら、最終回で観れば全部観れるじゃないか! また観るとすれば最後の1回観れば良い! 来場者プレゼントは、我慢しよう……。
そう、思っていたのだが、これまたプリンセスが「週ごとに変わる演出は、出し惜しみしてるわけじゃなく、適量を流している」とつぶやいていた。
なん……だと?
情報量が多すぎるためにライブに来ている人がパンクしないように、調整してくれているだと? そんな映画、観たことない。
気づいたらまた劇場に足を運んでいた。
来場者プレゼントはなかった。
でも残念な気持ちはすぐに晴れ、映画の終盤、やられてしまった。
最初からアンコール手前までは一緒だった、と思う。「そうそうこの曲!」と思いながらも新鮮味はないので一緒だなぁと思いながら観ていた。
迂闊だった。
よくよく見てみると見落としている素晴らしいシーンがいくつも点在していることに気づいた。
ライブなので途中でトークが入るが、そのトークで出てきたシーンを思い出すことができない。
「見落としている……」
情報を拾いきれていないことに気づいた。人間の記憶の儚さ、あのプリンセスが言っていた言葉もわかった。
そしてアンコール。
思わず泣いてしまった。
何故か。
あるアイドルがふと、歌っている途中にある方向に視線を送ると、その視線が何を見ていたのかをカメラが写していく。
なるほどこの光景を見ていたのか、とわかると映像はまたアイドルに戻る。
そのアイドルの表情が美しいのだ。
大切なものを見るような、暖かさで満ちている。
彼の過去をざっくりとしか知らなかったのだが、その演出やカメラワークで彼の過去を感じ、思い、泣いてしまったのだ。
このシーンは、感覚的にはかなり長めの時間を取っていたように感じたが、見返してみると一瞬の出来事だった。
また、メインで写っている人の後ろで誰かがはっとする動きをしていたりする。他にも、あの関係性の二人がそんな事してしまうのか?! あの人がしているのは手話ではないか? など、そんな場面がところどころに溢れていて、
「これは気を抜いて見てられないぞ」
と思った。
そして3回目はライブビューイングではあるが、舞台挨拶付きの上映にした。通常回よりも2倍以上の金額だ。
最初に舞台挨拶があり、その後に本編上映だったのだが、かなり楽しい時間を過ごした。
見どころなどもネタバレ禁止なので多くは語られなかったが、それを踏まえて映画を見てみると、気付く点が多くなった。
過去の彼ならこんな事しなかったのに、こんなにも楽しそうに歌ってる。
自分の過去に立ち向かい、みんなに元気だぞーって伝えてくれる。
歌詞に込められた思い、曲から感じる世界観、ライブの枠を超えた演出……。
やりたいことを精一杯やれてるというのが伝わってくる……。
そしてこれで終わりじゃない。まだまだ上を目指せるってことも最後に伝えてくれた。
観終わった後、虚無感に襲われた。
無理もない。実は2週間分を見ていなかったのだ。
舞台挨拶という新たな情報があったというのもあるが、完全にキャパオーバーを起こしていた。
なるほど適量とはそういうことか。
傍と我に返る。
何故こんなに彼らは人を惹き付けるのだろう。
彼らは口を揃えて
「みんなからはもらってばかりだ」
という。
そんな事ない。
私達ももらってばかりなのだ。
この関係性が、彼らと私達を繋いでいるのではないだろうか。
だから内容がほぼ同じでも何度でも会いに行ってしまうし、何度だってつぶやいてしまう。
そしてそのつぶやきを見た人が観に行き、みんなに広めていく……。
ちなみにプリンセスだけじゃなく、うたプリ男子も大勢いる。
男女ともに愛し愛される関係がここにはあった。
***
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