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新感覚! 全身浸かると官能的になる入浴法


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:すゞき かつみ (ライティングゼミ8月コース)
 
 
「野菜はさ―、水でジャブジャブ浸けて洗うのに、なんで頭は浸けて洗わないんだろうね―? 不思議だよね~」
 
と、聞いているほうが不思議に思う会話が始まった。
会えば自然と始まる井戸端会議での一節である。
 
通学距離が数キロある子供が多く、車での送り迎えが必要な家が殆どで、私の息子もその一人だ。
学校へ送迎した後、引き寄せられるようにお母さんたちの輪ができる。
 
話題は、家に虫が出た話だの、夕飯の話など、他愛もない話ばかりではあるが、軽く息抜きするには丁度いいのだ。
「さて、そろそろ帰って掃除しなきゃ」と、それぞれが自分のタイミングで帰っていく。
 
 
今日は、一人のお母さんの悩みごとで始まった。
「最近、白髪が増えてきたんだよね。みんな、どのくらいのペースで染めているの?」と、聞いてきた。
すると、別のお母さんが冒頭の会話を始めたのだ。
それに続いて
「いつも通ってる美容室の人に言われたんだよね―」
極めつきは
「シャンプーでゴシゴシ洗いなど、考えられない」とも、言っていた。
 
私は白髪染め未経験のうえ、シャンプーゴシゴシ派? だから、言っている意味がよく分からなかった。
シャンプーはダイソンと同じで、ないと掃除が始まらない。
お風呂に入って温まることはできても、体が綺麗にならないじゃないか。
そう思った私は、黙って二人の会話を聞いてみることにした。
 
「湯シャンはしているんだけど、急に白髪が増えてきて目立つんだよね」と、お悩み側が返答した。
「お湯で洗っていると、余計なモノを買わなくなるよね~」と、最後は二人で納得し、共感し始めた。
 
この「湯シャン」とは、シャンプーは使用せずにお湯で洗髪することだそうである。
シャンプーを利用する人間からすると、ハタキかけのようなものだ。
掃除機かける前のホコリ落としである。
シャンプーを使う前の予洗いで、ここからが、いざ本番というところだ。
 
だが、白髪が改善するという洗髪方法はこの「湯シャン」ではないらしい。
湯舟に仰向けになって頭まで浸かるのだという。
洗髪をするときは、洗面器にお湯を汲んでその中に頭を浸けて地肌を洗うそうだ。
一人暮らしなら、そのまま湯舟の中で地肌を洗ってもいいだろう。
 
 
二人の会話に、まるで付いて行けなかった私は、自宅へ帰ってからネット検索してみた。
 
それによると、この頭まで湯舟に浸かる入浴法は「頭浸浴」という、温泉療法の一つだそうだ。
秋田県の新玉川温泉には頭浸浴施設があるらしい。
寝湯のように仰向けになり、少し深くなった湯舟に頭を浸ける。
冷え性やコリの解消、リラックス効果、美髪効果等々の効用があると書いていた。
温泉ではここが有名だそうだが、美容室では、頭浸浴ができるヘッドバスとして製品導入している店舗が徐々に増えてきているようだ。
 
大体、入り方が分かってきたので早速、自宅のお風呂で実験開始だ。
 
湯舟に入浴中、頭を浸ける感触がこそばゆいような、心地よいような、初めて味わうブルブルっとくる感覚にうっとりした。
頭の天辺までじんわりと温まっていく感じ。
水面付近で上下に後頭部を何度か出し入れしてみると、これがまた気持ちがいいのだ。
頭への浮力も水の音も、なかなかリラックスできる。
 
これはどういうことか調べてみると、後頭部から耳付近の側頭部は、性感をコントロールする組織に一番近い場所になるそうだ。
毛根や生え際は、男女ともに性感帯とあった。
 
まさに、頭浸浴部分とピッタリ合致! 昔の人は知ってか知らずか、温泉療法恐るべしだ。
 
お湯だけの洗髪は、油分をしっかりと洗い上げるシャンプーの良さを知っている者としては、物足りなさがあった。
だが、乾かしてみると意外にスッキリ感があった。心なしか毛根辺りの立ち上がりが、ペタッとへたらずに、フワっとしているような気がする。
 
実は、12歳になる息子は既にやっていたのだ。
幼少の頃から風呂嫌いで、熱いとカラスの行水。水風呂並みのぬるま湯ならば、ようやく遊びとして入る、という子どもだった。
 
現在、親の話はしれ~っと無視する、思春期男子の入浴問題はなかなか苦戦していた。
突破口は、まさにこの入浴法。
仰向けではなく、潜水して温まり、そのまま湯舟で頭を洗う。
息子は本能で、この気持ち良さを自分で発見し、開拓したのだろうか。
 
 
結果としては、白髪が改善するかどうかは数か月、経過観察してみないと分からないが、頭部の血流が良くなることは確かだ。
お風呂上りは、頭の天辺までポカポカと温かさが続く。
 
ただ、髪はシャンプーを使って、スッキリ感がほしい。
本当に白髪が改善されるのであれば、休日くらいは湯洗いでもいいかなと思った。
 
頭部も併せて入浴するという考え方は、ストレスの多い現代人と相性がいいと思う。
現在、殆どの銭湯や温泉場では、禁止行為の一つになっていることが残念だ。
そういう意味でも、秋田県の新玉川温泉へ行きたいと思う動機となる。
今のところ、個人宅以外は、そこへ行かないと入れない唯一の温泉場な訳だ。
 
「寝湯」の横に「頭浸湯」、是非とも広まってほしい。
 
 
 
 
***
 
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2022-11-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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