よしよしは最高の薬
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:タカイ(ライティング・ゼミ特講)
天狼院書店の【5000字を最速40分でコンテンツに仕上げる「スピード・ライティング」】というゼミを受講した。
途中に、20分間で2000字を手書きするワークがあった。
とりあえず、閃くまま思いつくまま書き殴った。
手書きなので、書く速さなんてたかが知れている。
とにかく必死に書いた。
早かったような遅かったような20分後、手が痺れていた。
大袈裟ではなく、本当に痺れたのだ。
15分くらいから痺れだして、ペンが握れない程ではないものの、だんだん書くペースが落ちてきたのは自覚していた。
普段、猛スピードで闇雲に書くことなんてないし、近年はスマホ一択の生活に慣れ切っていたのもあるだろう。
なんとか20分間書き続けた。
手の痺れの原因は猛烈な手書きだけではなく、職業病だ。
わたしはパティシエで、ケーキを作っている。
いろいろな作業工程があるのだが、利き手を酷使することが圧倒的に多い。
右利きなので、右手が慢性の腱鞘炎なのだ。
それが冬になると、寒さで症状が悪化する。
酷い時は、手が痺れて目が覚めることもたびたびあるくらいだ。
秋の気配がまだ残る11月でこんなに痺れるなんて、この冬は先が思いやられる。
すでに、ドライヤーやスマホをしばらく持ち続けていたら痺れるくらいになっていた。
ライティングする時のブラインドタッチのせいだと言えればカッコよかったのだが、残念ながらブラインドタッチができないので、明らかに職業病と断定するしかない。
なるべく手に負担をかけず、なるべく使わないようにするしか改善方法はないが、クリスマスの繁盛期にそんなことは言ってられないのが現状だ。
そんな職業病と付き合いながら、過去8年の間に3度ギックリ腰をやって、起き上がれず歩けないことがあった。
這いつくばりながらトイレに行ったこともある。
病院で処方された痛み止めを飲みながらしばらく生活していた時、ある人に言われたことがある。
「身体は痛みを訴えているのに、痛み止めでその痛みを抑えていたら意味がない。痛み止めをなるべく飲まずに、身体の言うことを聞いてみた方がいい。話しかけてみて」
怪しさ100%……。
まあダメ元で試してみるか〜。
その晩、寝る時に自分の腰をさすりながら、心の中でつぶやいてみた。
(いつもありがとう、無理させてごめんね)
すると、涙がハラハラハラハラ出てくるではないか!
驚きと戸惑いで何が起こったのか分からなかった。
ただ自分の中で、
(分かってくれた)
そんな気がした。
翌日、嘘のように痛みがピタッと止まった。
1回目、2回目のギックリ腰という身体のサインを無視し続けた結果、3回目にしてやっと気付いたことに身体が応えてくれたのだと腑に落ちた。
今まで無理をしすぎて、身体が悲鳴を上げていたのだ。
かなりの腰痛持ちの同僚にこのことを話したところ、実際にやってみたらやっぱり痛みが治まった。
それからは、怪しいと思っていたコレに俄然興味がわいた。
東洋医学・中医学的な考えや、気功や自然療法、精神療法を調べたり学んだりした。
恥ずかしいことがあると顔が赤くなったり、緊張すると心拍数が早くなったり、心配事があると眠れなかったり、好きな人のことを考えると顔がニヤけたり、食べ物を想像するとヨダレが出たり……。
このように心と身体は直結していて、「心と身体は繋がっている」という考えだった。
しかし、頭は違う。
頭は思考なので、どうしてもエゴに左右されやすく損得で判断してしまう。
(心)早く帰ってのんびりしたい。
(頭)仕事が終わらないから帰れない。
(身体)働き続ける。
心が訴えていること、望んでいることに見て見ぬふりをして無理をし続けると身体に影響が出る。
その結果、体調を崩したり病気になったりするというのだ。
それを知ってからは、身体をよしよし、さすりながら「今日も1日お疲れ様」「今日は忙しい日だったけれど、がんばってくれてありがとう」と心の中でつぶやいてから寝るようにした。
仕事中も、重いものを持つ時は他の人に手伝ってもらったり、手が痛い時は変わってもらったり、体調の悪い時は早く帰らせてもらうようにして、無理をしないことを常に心がけて生活するようにした。
そうしていくと、素直に周りの人に助けを借りられるようになっていった。
今までどれだけ1人でやろうとしていたのか……。
ある時、右腕上腕部に、直径1cm程のしこりのようなものができていた。
触ってみると鈍い痛みがあり、日に日に大きくなって明らかに腕から盛り上がっていて、こんなに大きくなるまで気づかなかったことを反省した。
腫瘍かとビビったものの、腕の筋が違っているということだったので、すりすりよしよしやってみた。
1週間くらいでしこりはなくなっていた。
なんという人体の不思議なんだ!
右手右腕の為にも、ブラインドタッチは習得しようと心に決めた。
自分自身で検証してみた結果、「心と身体は繋がっている」のは確かなようだ。
3度目のギックリ腰から5年間、一度もギックリ腰になっていない。
痛い箇所を無意識にさすったり、お母さんが病気になった子供の身体をさすったりする行為は、心から身体へ「大事にしている、労わっている」というメッセージなのではないだろうか。
このような意識になってから改めて周りを見てみると、なんとがんばっている人の多いことか!
知り合いで、癌や難病指定を受けている人もいるし、突発性難聴や胃腸炎を患った人は1人や2人ではない。
心と身体が上手く相互作用できていないのだろう。
わたし達は、ストレスだらけの社会のど真ん中にいる。
仕事だけでなく、仕事以外でもストレスにまみれた生活をしていれば、誰でも体力・気力を削がれて疲れてしまう。
心身のバランスを整えることは、現代人に必要不可欠なのだ。
本当に「病は気から」ということだ。
もっと肩の力を抜いてもいいではないか。
もし他人に迷惑をかけることがあってもいいではないか。
すべてを完璧にしようなんてその心意気は素晴らしいが、完璧を目指すあまり、自分自身が壊れてしまっては元も子もない。
出来ないことは、近くの人に頼ってもいいではないか。
1人で囲い込んで苦労するより、何人かで助け合って協力したら、もっと楽にできるかもしれない。
失敗してもいいではないか。
そこから更に成長していくだろう。
歯を食いしばって、息を切らせてまでやる必要はあるのか。
もともと生きているだけで迷惑をかけまくっているのだ。
「わたし」だけでなく、「みんな」迷惑をかけながら生きて、そして他人からかけられた迷惑の尻拭いをしている。
お互いさまなのだ。
今やっていることでクタクタに疲弊しているなら、ちょっと心に聞いてみた方がいいかもしれない。
みんながんばっている。
みんなよくやっている。
みんな金メダリストだ!
あなた達のがんばり、しんどさを分かってくれる人は必ずいる。
あなた達を見ていてくれる人は必ずいる。
周りは敵ばかりじゃない。
だから、ゆっくり呼吸をしよう。
1人でかんばらなくても大丈夫だから。
***
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