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メディアグランプリ

疲れた時、不安な時に読む話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:南雲小夜花(ライティング・ゼミ10月コース)
 
 
土曜日、朝10時。今日は目覚ましをかけているわけではない。カーテンの隙間から差す光が、夢から現実の世界へと浮上させてきた。
 
今日は何も予定がない。つまり、自由な1日だ。
本当はあれもこれもしたい、これは今日のうちにやっておかなきゃ…。
To doはいろいろあるけれど、考えるだけで気が重くなってくる。
決めた。今日は「何もしない日」にしよう。
 
「何もしない日」とは、なんだかよくわからないけれど、なんだか頑張れなさそうな日。
残業を頑張ったからなのか。来週に控えたプレゼンへのプレッシャーなのか。はたまたInstagramで見た同い年の子のきらきらした投稿でダメージを食らったからか?
その時その時で原因は異なるけれど、共通して根幹にあるのは、「疲労」もしくは「不安」だと思う。私はこの「疲労」や「不安」と向き合うために、3ヶ月に1回ほど「何もしない日」を設けるようにしている。
 
「何もしない日」を設けると、さまざまな発見がある。何もしないと言っても、寝て過ごす1日というわけではない。寝てばかりでは体も心も休まらないから、頑張らずに何かするレベルの日を、「何もしない日」と呼んでいる。
 
頑張らないで何かするってどういうことよ? と思ったそこのあなた。
イメージしてみてほしい。
 
まずはゆっくりと体を起こし、緑茶でも紅茶でもコンポタでもなんでもいい。あったかいものを口にしてみよう。ふーっと息を吹きかけて、一口、また一口と飲み込んでいくと、あら不思議。段々とお腹の芯が温まり、心がリラックスしてくる。体を温めたことで交感神経と副交感神経のバランスが整ってきた証拠だ。
 
そんな時に、好きな音楽や映画がバックに流れていたらどうだろう。なおのこと、気分は上向きになってくる。BGMに耳を傾けながら、カップの中のお湯をぼんやりと眺めていると、脳まで温まってくるような感覚にもなれる。
 
はい、ここまでであなたは何を生産したでしょうか。
体を起こす。ポットでお湯を沸かす。紅茶を飲む。音楽をかける。たったこれだけだ。
普段だったら5分あればできるし、何かのついでにこなすことだってできる。それをあえて丁寧に時間をかけて、それ“だけ”を行うことで、気付けば「疲労」や「不安」はだいぶ和らいでいる。これが、「何もしない日」の、頑張らずに何かするレベルだ。
 
でも、残念なことに「何もしない日」には副作用がある……。
時間が経つにつれて「生産性のない1日を過ごして本当に良いのだろうか?」という新たな不安を生み出すことがあるのだ。確かに1年は365日しかないし、1ヶ月は30日だし、1週間は7日しかない。ゆったりしていて後で後悔しないか? 誰かと差がついてしまわないか? 「疲労」と「不安」を癒すための1日なのに、新たな不安を引き起こしてしまうなんて悲しいことだ。
 
こうした不安が次々生まれてくるのは、実は遺伝子レベルで理由があるという研究結果が出ている。生物の授業で「セロトニン」という名前を聞いたことがはないだろうか? 脳内物質のセロトニンは、不安感を抑えて楽観性を増す作用がある。人間の精神を安定させるために重要な役割を果たす物質だ。セロトニンの生産数が少ない遺伝子、「不安遺伝子」を、日本人の80%が持っているのだという。つまり、生まれながらにして日本人は不安を抱きやすいのだ。
 
それもあってか、社会では「ポジティブ・ケイパビリティ」の方が評価されがちだ。「ポジティブ・ケイパビリティ」は、できるだけ早く答えを出して不確かさの中から脱出する力を指す。できるだけ早く「わからない」を「わかる」ようにする力とも表現できる。インターネットで答えをすぐに引っ張り出せるようになった時代の流れも、ポジティブ・ケイパビリティへの評価を加速させる要因になっている。
 
だからこそ、「何もしない日」実行委員会として、あえて声を大にして言いたい!
「何もしない日」で不安とじっくり向き合うことは、実はめっちゃ大事なのだ!
 
例えば、不安な気持ちがあるからこそもっと準備をしておこう、調べておこう、今以上にいい策はないか考えてみようなどと、リスク回避ができる。また、安直な解決方法に飛び付かず悩み続けることで、より良い深い思考で選択ができるのだ。
 
もし新しい不安が生まれても、「今自分は力を貯めている」「未来に向けて有益な時間を過ごしているんだ」、そう考えると、私たちの肩にのしかかった何かがふわりと消えていく。悩むことも、答えが見つからないことも、決して悪いことじゃないのだ。こうした、不安の中でも答えを出すことを急ごうとせずにじっくりと向き合う力のことを、「ポジティブ・ケイパビリティ」の逆、「ネガティブ・ケイパビリティ」という。
 
私たちが生きる社会は、生産性があってこそ力を認められる場所。だからこそ、少しでも頑張れなかったり、前に進めなかったりすると、「私は社会に適合していないんじゃないか」と思い込んでしまう時がある。しかし、一度立ち止まってじっくりと考え、不安の原因と向き合うことで、より良い推進力を得ることができるのだ。
 
余談だが、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉は、「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」などを書いた著名な劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの作品を読んだある詩人が生み出した言葉だそう。その作風から、シェイクスピアは「ネガティブ・ケイパビリティ」を桁外れに有している、とも評価されている。
 
そんなシェイクスピアは、こんな言葉を残している。
「険しい丘に登るためには、最初にゆっくりと歩くことが必要である」。
 
目標への丘を登り続けるためにも、「ネガティブ・ケイパビリティ」の考え方でゆったりと「何もしない日」を楽しんでみてはいかがだろうか。まずは、一杯の紅茶から。
 
 
 
 
***
 
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2022-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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