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私のワールドカップの楽しみ方

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記事:鈴村文子(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私は、サッカーのワールドカップが、大好きだ。できれば、リアルタイムで、全試合を観たい。しかし、時差の関係で、日本では深夜から早朝にかけて試合が行われることになる。その時間帯に観てしまうと、平日の昼間、会社に勤める身としては、かなり厳しい。睡眠不足で仕事をすることになってしまう。仕方がないので、いつも通り夜は寝て、会社から帰ってから、録画でゆっくり観戦することにしている。
 
しかし、試合結果を知ってしまうと、楽しみが半減どころか、ほぼゼロになってしまうので
、試合結果を知らないように、1日、過ごさなければならない。
 
それは簡単なことではない。まずは通勤だ。周りの人の会話が入ってこないように、イヤホンをする。東京の電車には、ドアの上にディスプレイがあり、そこでニュースが表示されるので、うっかり、ディスプレイを見てしまわないように気をつける。電車の中でいくら暇でも、スマホなんて見てはいけない。ヤフーは一番危険だ。フェイスブックだって、友達の誰かが試合結果を書いているかもしれない。
 
会社の中も要注意だ。仕事中は、まだ安全だが、問題はお昼休みだ。いつ、ワールドカップの話が出るのか分からないので、本を読むなどして、なるべく人との雑談は避ける。近くでワールドカップの話題が出たら、そっと席を外す。本当は、ワールドカップの話がしたくて仕方がないのだが、昨日の試合結果を知りたくないので、素知らぬ顔をして過ごしている。それはまるで、男子中学生の恋のようだ。俺、あいつのことなんて、興味ねーし、という態度でいるくせに、本当は気になって気になって、仕方がないのだ。
 
そうやって細心の注意を払っていても、試合結果を知ってしまうことはある。それは、もう失恋だ。世界がそこで終わってしまったような気分だ。特に、格下の国が格上の国を倒すという、驚きの結果だった場合は、大失恋だ。その試合、この目で全部観たかった! という、思いが遂げられなかった、切ない気持ちになる。サッカーの試合は、ニュースで流れてくる、「○○対◇◇が、△対□で○○の勝利です」という一文では、とても言い表すことができないと私は思う。試合を最初から最後まで観ないと、分からない楽しさがあるのだ。
 
こんなことを書いてはいるが、私は、サッカーにそれほど詳しいというわけではない。ワールドカップ以外のサッカーの試合は、ほとんど観たことがない。日本にJリーグがあることは知っているが、何チームあるのか知らないし、海外のサッカーリーグも全然知らない。すごく有名な選手であれば、名前くらいは知っているが、その他の選手のことは、申し訳ないくらい、分からない。そこで私は、ワールドカップ開催直前に、出場国や選手一覧、監督、現在の世界ランキングなど、一通りの情報が載っている本を買うことにしている。そして、その本を片手に試合を観ている。
 
試合中は、解説の人が、パスを出した選手、受けた選手など、ボールを触っている選手の名前を呼ぶので、本の選手一覧のページを見て、どの人かを確認する。ゴールを決めた選手には、丸をつけて、ゴール、と書き込む。そんなことをしていると、なんとなく選手の名前は覚えてくる。そうなると私も、選手の名前を叫んだり、熱が入ってくる。短い名前は特に呼びやすくて覚えやすい。
 
選手の名前だけでなく、試合をいくつか観ていると、どちらのチームが攻めている時間が長いな、とか、これはシュートのチャンスだとか、それくらいは、分かるようになってくる。さらに良く観ていると、服を引っ張ったり、足を踏まれたり、すごく動きが激しい。そして何と言っても、サッカーは1点取るのが、とても難しいスポーツだ。相手から1点取るのに、どうするのかを考えて選手たちは動くのだ。そこから打つの? というところからシュートしたり、ふわっとしたパスを頭で合わせたり、1点を取るために、いろいろなことを試す。守る方は、全員一丸となって、ゴールを守る。
 
選手たちは皆、勝ちたくて必死なのだ。そういう姿を観ているだけで、心がとても熱くなる。特に、決勝トーナメントは負けたら終わりなので、選手たちの勝ちたい気持ちが、すごく伝わってくる。先制し、追加点まで取った国が、2対0でこのまま勝つのかと思っていたら、同点に追いつかれ、PK戦で負けてしまうという、1点を取ることがとても難しいサッカーというスポーツで、そんなとんでもないことが起こるのが、ワールドカップなのだ。
 
4年に1度のサッカーのお祭りも、残すはあと、3位決定戦と決勝戦だ。ワールドカップは、最後の最後まで、何が起こるか分からない。残りの2試合は、幸いなことに休日で、リアルタイムで観ることができる。一瞬たりとも目を離すことなく、しっかり観て楽しみたい。
 
 
 
 
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2022-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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