メディアグランプリ

貯金は貧しい生活への入口


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:廣瀬 隆(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
お金。みんな大好きなお金。お金なんて嫌いだなんて言う人はまずいないだろう。生きていくために絶対に必要なものであり、持っていて損はない代物だ。私の趣味は貯金ですなんて言う人もいる。
2019年に金融庁から「老後の30年で約2,000万円が不足する」という発表があったことは記憶に新しいことだ。これにより老後を迎える定年までに2,000万円は貯めなければと考えた人は多くいると思う。私自身2,000万円といったフレーズに踊らされ、自分の貯金額を確認したことがある。
だが、多くの人は定年までに2,000万円ピッタリ貯金するなんてことはせず「貯金なんて多いに越したことはないだろう」と2,000万円以上の貯金額を目指し貯金しようとしているのではないだろうか。ハッキリ申し上げるが、貯金は悪である。貯金は非モテへの片道切符であり、貯金することのデメリットはメリットを上回っている。金は天下の回り物という言葉があるようにお金は使った方が良いのだ。
 
私は4年生の大学を卒業して、大手ゼネコンに就職した。私が就職した当時のゼネコンは、バブル崩壊と官製談合からの脱却とリーマンショックのトリプルアタックを受けていた時期であり、完全に下火だった。下火となった会社は当然のように社員の給与を削減し、元々建設業にまん延していた長時間労働をさらに強いるようになっていた。文字通り朝早くから夜遅くまで馬車馬のように働き、休日出勤も当たり前の日々だった。
会社に入ってから5年ほど経ったころ、給与は少ないながらも長時間労働のためお金を使う暇がなく、それなりにお金が貯まってきた。そして、お金を使い物を買うという習慣が減ったため、私の中の物欲はとっくの昔にどこかへ消えてしまっていた。その分、自然とお金が貯まっていくため最初の頃は何となく心地よかったが、段々と俗世間や社会からの疎外感を感じるようになり、今自分がどこにいて、何をしているのか分からなくなることがあったのだ。
物欲がなくなると、世間の関心にも興味がなくなってしまう。今何が流行っているのか、どんな服装をしたらよいのか、流行りの観光スポットはどこかなどという情報にも疎くなり、完全に世間から置いてきぼりをくらってしまっていた。周囲の人たちが話している話題についていけず、完全に独りぼっちの状態だ。そうなると今度は次第に出不精になり、せっかくの休日もただいたずらに無駄に過ごす日々となり、時間もお金もあまり有効に使うことができなくなってしまったのだ。
 
人生においてお金とよく対比して大事だと言われるものがある。それは時間だ。お金も時間もよく似た性質な物であり、いずれも有限に近い代物だ。時間は間違いなく有限であり、人生を80年としたとき、人の生きる時間は約25億秒となる。人は生まれた瞬間から25億秒のカウントダウンが始まっているのだ。
お金も限りなく有限に近い代物で、生涯年収という言葉がある。皆さんは生涯年収がいくらぐらいの金額かご存知だろうか。一般的なサラリーマンの生涯年収の平均額は約3億円と言われており、そこから税金や保険代が引かれることになる。残りの金額を使って私たちは生活しているのだ。
この事実を知ったときに私の中で何かが変わった(ような気がした)。結局、生涯年収は約3億円であり、皆その中でお金をやり繰りして生活するしかないのだ。要は、日本人であれば生まれた瞬間から25億秒と3億円を与えられている状態だ。みな貯金額は3億円で、今現在手元にはないかもしれないが、〇〇会社や△△商事が自分の大事な3億円を預かっていて、小出しにそれを与えてくれている。お小遣い制なのだ。
子供だった頃、お小遣いをくれた人から「大事に使うんだよ。ちゃんと考えて使うんだよ」と間違いなく言われているはずだ。ギャンブルや投資などにより、生涯年収の上限3億円を増やすこともできるかもしれないが、もちろん減るリスクもある。でもどうせお小遣い制なのだから、ちゃんと考えて使うことができれば良いのだ。貯金してお金を貯めるということは、ただお金の在る場所を変えているだけなのだから。
 
貯金は確かに楽しいかもしれない。楽しいかもしれないが、結局貯めたお金は使うのである。お金を使えばおいしい食事をしたり、絶景の見える観光地に旅行したり、おしゃれな服を着たり、いい車に乗ったりと人生を謳歌することができる。そのためにはお金が必要で、お金を使うのだ。お金は使うためにあり、貯金するための代物ではないのだ。お金を持っているだけでは当然空腹を満たすことはできないし、暑さ寒さから身を守ることもできない。お金をモノや体験に具現化することにより生活が豊かになり、心が豊かになり、日常の満足度が上がる。普段から生き生きとした生活を送ることにより笑顔が増える。自信がついて何事も前向きに捉えるようになる。好感を持たれるようになる。最終的にはモテモテになるかもしれない。
私自身お金を使いモノや体験を具現化し生活が豊かになったことが多々ある。最近買った比較的高価なものはクロスバイクだ。通勤用に買ったのだが休日でも頻繁に乗っており、運動も兼ねて色んなところに行くことができる。車が行けないような狭い道も行くことができるため、知らない店や街並みを知ることもできる。体験としては、先月に秋の北海道旅行を満喫した。秋の支笏湖は空気が澄んでおり、湿気の少ない地域のためとても気持ちがいい。湖の水もとてもキレイで水底が透き通って見えるほどだ。北海道のグルメも満喫することができた。お寿司、ラーメン、海鮮丼、スープカレーと何を食べてもほんとに美味しい。特に美味しかったのは道産の野菜だ。寒い地域のため野菜は糖分を多く蓄えるので、どの野菜もスイーツ並みの甘さを感じることができる。貯金していてはこんな経験はできない。みなさんもぜひお金を使って人生を謳歌してみてはどうだろうか。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事