子どもの成長「ブレイクスルー」に出会う
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:大松有香「(ライティ ング・ライブ京都会場)
子育ては、難しいと感じることばかりです。
・妹に優しくできず、イライラばかりしている姉
・食事の時に、食べ方が汚い娘
・やってみればいいのに、「わからないー」と言ってやろうともしない娘
・ダラダラーっと、テレビやyoutube、ゲームをし続けている娘
を見るたびに、どうすればいいんだろうと悩んでいました。あまりの様子に眉をひそめていました。
しかし、そんな娘の様子が秋から冬にかけてガラッと変化しました。大きないい方向への変化を「ブレイクスルー」というらしいです。今日は、「ブレイクスルー」の背景を子育てにお困りの保護者の皆様にお届けします。
読んでいただく前に。素晴らしい取り組みを重ねたわけではないのです。むしろ、失敗ばかりしています。しかし、「なんとか素敵な大人になってほしい」「幸せな人生を送ってほしい」という願いを持って過ごし続けました。これは、その記録です。
まず、私の数々の失敗を懺悔します。
失敗①比べちゃう
失敗②口を出しちゃう、叱っちゃう、喧嘩しちゃう
失敗③先回りしてやっちゃう
私はすばらしい取り組みができる母親ではありません。しかし、こんな私にもできたことを振り返り、娘のブレイクスルーを支えたと思われること記しました。
娘を信じて待つ
私は、娘を近くで支えるタイプの母親ではないことが、数々の衝突を通じてわかってきました。口を出しすぎたり、助けすぎたりしてしまいます。だから、気にはかけるけれど、見ないようにしようと決めました。
そこで、フルタイムの仕事に復帰することにしました。娘が小学校2年生に上がるタイミングでフルタイムに復帰しました。夕方6時半くらいに帰ってきた時には、ダラーっとテレビを見ている娘に遭遇します。
「今日、どうだったの?」
と、語りかけると、おおむね自分に都合のいいことばかりを話してくれます。胡散臭いなと思っても、そこには突っ込まず、
「頑張ってるなぁ」
と娘を褒めていました。
2年生冬の面談で、学校の宿題を全くやっていなかったことがわかりました。ギョッとしました。そして、やらなかったことではなく、
「やった」
と、嘘をついていたことを悲しみ、やらなければならないことをやってからやりたいことをするように声をかけました。
それからは、学校の宿題は頑張っていたようですが、塾の宿題など学校以外の課題は不十分にしかこなせない状態が2年以上続きました。それでも怒らず「やりや」と声をかけながら信じて待ちました。
②努力の意味を知るきっかけはなんでもいい
娘は小学校2年生の頃から、ゲーム「ゼルダの伝説」を始めました。初めは父親に教えてもらったり、助けてもらったりしながらなんとかゲームを進めていました。怖がりなので、ずるいなぁと感じる戦い方をするのですが、それでもコツコツとゲームを前に進めているようで、そっと見守っていました。
4年生の冬、努力の量の話をしました。
「あなたの努力は足りません」
「あなたは『やった』と言っているが、それはママが思う努力の量の10%くらいやわ」
と、話しました。しかし、どうも言っている意味を理解してくれません。
その時に、「ゼルダの伝説」でも、
「強い敵を倒そうと思ったら、強くなるように修行をしたり、強い武器や防具を集めたりするでしょ。それって『やった』と言っても、たりなければやっぱりボスに勝てないやん」
と、話しました。
娘には、この話がピーんときたようです。
「私は、努力と試行錯誤の大切さをゼルダから学んだわ」
と、言っています。努力の意味を知るきっかけはなんでもいいのだと思いました。
③頑張っている姿を見せる
「私には私の人生があります」
と娘に伝え、自分が頑張っている姿を見せるようにしています。
ピアノの練習を始めました。ピアノは、30年以上前に封印していたスキルです。サビ切って使い物にならない指を少しずつ動かすところから始めました。諦めずに毎日練習を続けました。1週間、2週間と経つうちに音がつながり始めました。すると、娘が
「ちょっといい感じになってきたやん」
と、上から目線で声をかけてくれました。1ヶ月ほどで課題曲が出来上がりました。
「ママ、上手になったなぁ!」
と、娘が誉めてくれました。
そして、なんと、
「私も、小学校の先生になってみようかな」
と。本当に小学校の先生になるかどうかは詳細な検討が必要ですが、頑張っている姿を見て、何かを感じたからそんなふうに言ってくれたのかなと思いました。
以上が娘のブレイクスルーを支えたと思われることです。そして今、我が娘ながらあっぱれと感じるほど、目標に向けて努力したり、妹や人に優しくしたり、人前で自分を表現したりできる娘に育ちつつあります(まだまだ発展途上ですが……)。娘に関わってくださっている全ての人に感謝です。
振り返ると、母親として、してあげられることなんてほんのわずかだと感じています。
「何をすればいいの?」
と、考えながら読んでくださった方には申し訳ないのですが、私の一旦の結論は「信じて見守る、母親が自分の人生を楽しむ」ことだと考えています。人によってブレイクスルーのタイミングもまちまちなので、待ちが長い方はしんどいと感じられていると思いますが、多少の怪我は織り込みずみで、思い切って子どもの人生を子ども自身に任せてみてはいかがでしょうか。
***
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