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生きているだけで、息が苦しいくらい幸せ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:葉山なつ(ライティング実践教室)
 
 
生きているだけで、息が苦しいくらい幸せなんだ
 
吉本ばななさんのミトンとふびんという小説の中の一節です。
吉本ばななさんは大好きな作家のひとりです。ばななさんの本を読むことで、幾度となく救われてきました。そして、今回も出会うべきタイミングで、この言葉に出会えたような気がします。この先の人生でずっと大事にしておきたい言葉、本に出会えたことに静かに感動しています。
ばななさんの作品はこれまで何度も何度も繰り返し読んできましたが、その中でも、私の一生をかけて読み抜こうと思っている作品が何冊かあります。ミトンとふびんも間違いなく、その仲間入りをする作品になりました。
 
私自身、振り返ってみると、こうでなければならないと決めつけて、ずっと生きてきました。
良い成績を取らなければいけない
良い大学に入らなければいけない
良い企業に就職しなければいけない
絶対にそうしなければならない、そうでない人生は考えられない、そうでなければ幸せになれないと、思い込んでいました。
 
 
だから必死に勉強して 、
必死に就活して 、
必死に仕事をしてきました。
 
でも、数年前くらいから、私は間違っていたのではないかと疑問に思い始めます。そう思うきっかけとなったのは、私自身が過去も現在も自分の人生を全く幸せだと思えなかったからです。
 
必死に勉強をしてきました。地頭がよくないので、人の何倍も努力しなければならないことは早いうちから気づいていました。だから地道にコツコツ、とにかく勉強しました。その結果、志望校に行くことができました。
 
必死に就活をしました。秀でた能力もなく、面接が苦手な私にとって、就活は大変に苦痛でしたが、とにかく、今自分にできることはなんでもやろうという精神でいました。企業説明会に何度も足を運び、面接の前は舌がすりきれるくらいに面接の練習をしました。その結果、第一志望の企業に受かることができました。
 
仕事は大変なことばかりでした。でも上司先輩にも恵まれ、健康に仕事ができていました。
 
それなのに全く幸せとは思えないのです。自分が望んで、人の何倍も努力して、念願叶って手に入れた居場所なのに。何かおかしい、どうしてなんだろう、とずっと疑問に感じていました。私は恵まれた環境に感謝することもできない、ワガママな人間なのだと思っていました。
でも、
生きているだけで、息が苦しいくらい幸せなんだ
という言葉に出会い、私が幸せを感じることのできない理由に気づくことができました。
良い成績を取ること
良い大学に入ること
良い企業に入ること
 
これらすべて、実のところ、私が全く望んでいなかったのです。

それなのに、いつも1番にならなければいけない、手の届かないところにあるものを努力して手に入れなければならない、そうしないと幸せになれない思い込んでいました。その理由は分かりません。他人の望みをあたかも自分の望みのように勘違いしていたのかもしれません。他人の眼鏡をかけて、頓珍漢なことを自分の目標に掲げ、それを達成することができなければ幸せになれないと思い続けてずっと生きてきました。
試験の出来を点数化して評価される成績は、本当は私にとってはどうでもよかったのです。
偏差値の高い大学に入ることが何よりも大切だと思い込んでいたことから、受験期間中は大変に辛く、大学入学の喜びよりも、地獄の受験勉強が終わったことに心の底から安堵していました。
会社の規模と知名度と安定性を求めて入った会社の仕事は、興味を持つことができず、とにかく早く家に帰ることだけを考えていました。
今となっては、自分の望みが分からずに生きてきた日々だったなぁと思います。だから満足できず、幸せを感じられなかったのかと腑に落ちます。
他人の眼鏡をかけて生きてきた期間が長かったせいか、自分の望みがなにか、正直なところ、まだ分からずにいます。
でも、なんのルールもない、何をしてもいいし、何をしなくていい、生きてさえいればそれだけで幸せなんだ、という大切なことをばななさんが教えてくれました。自分の人生をきちんと生きたいということだけは確かな輪郭を持って私の中にあることが分かります。まずは力を抜いて自分とゆっくり向き合っていきたいです。取るに足らないことだけれど、そんなふうに思うことができたことが幸せです。
 
そしてどんなに辛いことがあっても、どんなに嫌なことがあっても、この言葉さえあれば大丈夫だと力がみなぎってきます。なぜなら、生きているだけで幸せなのだから。それも息が苦しいくらいに。
 
多くの人にこの言葉を知ってほしいと思わずにはいられません。
 
生きていくことは、楽しいことや嬉しいことばかりではありません。思いもよらない事に狼狽え、涙を我慢して、歯を食いしばらなければならないようなことは、これまで何度もありました。そんな思いはもう懲り懲りですが、もしかしたら、この先の人生でそういうことがあるかもしれません。
頼りになる友達や先輩は優しく話を聞いてくれますが、誰も代わってくれません。当たり前ですが、自分の人生は自分でなんとかするより他ないのです。そんなときどうすればいいのか、自分で答えを出して進んでいかなければなりません。そう思うと、生きることというのは大変に孤独だとも感じます。
 
でも、私にはばななさんの言葉があり、お守りのように持っていさえすれば絶対に大丈夫だと思えるのです。
 
生きているだけで、息が苦しいくらい幸せなんだ。
だから私は何があっても幸せだ、絶対に大丈夫だ。
この先の人生を力強く歩いていきたいです。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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