メディアグランプリ

40歳にして、とある沼にハマる


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記事:あこ(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私には、40年生きてきて初めて知った世界がある。
それはとても刺激的で、今まで味わったことのない幸福感をもたらしてくれるものだった。
 
「なんでこんな素敵な世界があるって、誰も教えてくれなかったの!?」と思うほど、
40年の人生経験を軽く凌駕してしまう素晴らしい世界が広がっていた。
 
40年も生きれば、友達の作り方も失い方も知ったし、自分は至って普通の人間なのだと思い知った。楽しい恋愛もしたし、仕事でミスをして心を病みそうになったりもした。
人一倍とは言わないまでも、人並みに酸いも甘いも経験した。人生の大抵のことは経験した。
 
したと思っていた。
 
K-POPアイドルにハマるまでは。
 
「ハマる」と書いたが、そもそも私は何かに執着したり、ハマるということがない人生を歩んできた。もちろん好きな歌手や俳優はいたが、雑誌に載っていたら切り抜いて下敷きに入れるくらいで、「ハマる」と言うには程遠かった。
 
中学高校の時はお金もなく、金銭的にハマることができなかったというのもあると思うが、欲しいとも思わなかったのだ。多分、存在が遠すぎたのだと思う。
テレビで見る別世界の人たち。簡単に会えるはずのない人たち。
別世界の人の写真を持っていたからと言って、何になるだろう?と、冷めていた。
そんな人たちに思いを寄せるなんて、なんか不毛。
そんな風に思っていた。
 
私は幼い頃からテレビドラマが好きで、日本のドラマをよく見ていたが、“韓流ドラマブーム”が到来した時、例に漏れず韓国ドラマも見るようになった。
ドラマを見ているので、K-POPを聞く機会があったが、全く惹かれなかった。世の中の人がハマる理由が全く理解できなかったし、自分はハマらないだろうなと思っていた。
 
しかし、韓流ドラマを見るために契約した有料チャンネルで、奇跡の出会いを果たすのである。
 
そのチャンネルでなんとなくK-POPグループのコンサート映像を見たが最後、どハマりしてしまったのだ。最初は今まで見たことのないハイレベルなダンスと歌、顔面偏差値の高さに魅了されてしまったのだが、K-POPアイドルの沼は深く、そこからはもう深みにハマっていくだけだった。
 
K-POPアイドルの沼
深みその一:意外と会える
日本の歌手の場合、数年越しでアルバムが発表され、その新しいアルバムをひっさげて全国ツアーをするので、コンサート自体が数年に一度しかない。
さらに海外のアイドルともなれば、もっと会えないのではないかと思っていた。
が、2、3カ月毎にコンサートだのファンミーティングだので来日するのである。
物凄い頻度で会えるのである。
結果、常に動く彼らが私の中で更新されるので、飽きないのだ。
 
深みその二:ファンとの距離が近い
ファンのことを「ファンのみんな」とは呼ばずに、呼称で呼ぶ。
今となっては日本のアイドルのファンにも呼称がついているが、呼称があるなんて知らなかった私には衝撃だった。
K-POPアイドルは、授賞式のスピーチで「ファンのみなさんのおかげです。ありがとうございました」という他人行儀な挨拶はしない。ファンを呼称で呼び、「○○達のおかげで1位が取れたよ。夜遅くまで投票してくれてありがとう。今日は早く寝てね。これからもずっと一緒に歩いて行こうね」というようなスピーチをするのである。
彼らと私は、固い絆で結ばれている(ような気がする)。
 
沼にハマる前は、K-POPアイドルや俳優がファンに向って「愛してまーす」というのを、「軽々しく言いやがって。そう言えば喜ぶと思ってるだろ」と、これまた冷めた目で見ていたが、今は本心としか思えなくなっている。
我々にとって彼らはなくてはならない存在ではあるが、彼らにとっても我々はなくてはならない存在なのだと確信を持てる(ような気がする)のである。
 
深みその三:絶対に期待を超えてくる
彼らはただのアイドルではなく、プロのアイドルなのである。
ステージで完璧なダンスと歌を披露し、こちらの期待をはるかに超える仕上がりを見せてくれる。一方で、メンバーとふざける無邪気な一面を見せてくれたり、韓国語の歌だけでなく日本語でも歌ってくれるし、コンサートでは日本語で挨拶をしてくれる。
ダンスも覚えて、歌詞も覚えて、日本語も頑張って話してくれるなんて、私のために努力してくれるのね、と感動せずにはおれないのである。(私のためでないのはわかっています)
 
この新しく美しい世界に出会い、私の人生は華やぐのでした。
この年齢になり、幸か不幸か自由になるお金もあり、ハマり放題。
人生のほとんどを経験したと思っていたけど、まだまだ知らない素晴らしい世界があるのだということを知ることができて、「人生捨てたもんじゃないな」と思ったのである。
これからの人生、まだ知らない素晴らしい世界があるとしたら、楽しみでならない。
 
K-POPアイドルにハマってすぐ、長年の友達にカミングアウトした。
すると、「K-POPですか。遅かれ早かれでしたね」と言われた。
別の友達にもカミングアウトしてみたが、「想定内」との返事が返ってきた。
 
ハマらないと思っていたのは自分だけで、友人たちは予見していたのかと思うと、拍子抜けしてしまった。
 
だったらもっと早く教えてくれたらよかったのに。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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