メディアグランプリ

謎解き街歩き、大好き!


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記事:鈴村文子(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「何、このイベント? すごくおもしろそう!」
思わず口に出てしまった。7〜8年前の秋頃だろうか、地下鉄池袋駅構内で、そのポスターを見たとき、私の心に衝撃が走った。ポスターには、東京メトロ−地下謎への招待状と大きく書かれてあった。
 
東京メトロ−地下謎への招待状とは、東京メトロ(東京の地下鉄)と謎解きイベント制作会社が共同で主催している、地下鉄を使った謎解き街歩きイベントである。クリアファイルに入った謎解きキットを購入し、その中に入っている謎解きガイドブックの謎を解いて、行くべき駅を特定し、着いた駅で出題された新たな謎を解いては、次の駅に向かうことを繰り返し、最後に一つの答えを導き出すイベントだ。
 
ちょうど、このイベントのポスターを見たとき、私は、レイトン教授と不思議な町という謎解きゲームにハマっていた。ゲームですら、とてもおもしろいのに、現実の世界で、謎解きをするなんて、一体どれくらい、おもしろいのだろう!? 居ても立ってもいられなくなった私は、すぐに、謎解きキットを買いに走ったのであった。
 
初めて私がポスターを見つけたときが最初の開催で、それ以来、このイベントは何度か開催されていて、私は毎回参加している。実際にイベントに参加してみると、謎を解くこと自体が、本当におもしろい。謎というと、子供の頃にやった、「パンはパンでも食べられないパンってな〜んだ?」のような、なぞなぞを思い浮かべる人も多いかもしれないが、このイベントに出てくる謎は、少し違う。最初の方の謎は、例えば、そこにある柱の数など、指示の場所に行けばわかるようになっているが、だんだんと、ひらめきが求められる難しい謎になってくる。謎は、謎解きガイドブックに載っているが、後半の謎は、それだけを見ていては、絶対に解けない。謎解きキットに含まれている、地下鉄の路線図や、穴の空いたカード、一日乗車券などは、謎を解くために、ほとんどすべてを使うのだが、どのタイミングで、どうやって使うのかが、とても難しい。そして、一度使ったからと言って、捨ててはいけない。もう一度使う可能性もあるからだ。また、街歩きの謎なので、街中にある看板や、駅にある壁画やオブジェを使わないと解けない場面もある。何をどう使ったら解けるのか、必死で考えて、苦労して謎が解けた瞬間の喜びといったら、まるで、怒って口を聞いてくれないパートナーと仲直りできたときのような気持ちだ。そのパートナーはちょっと気難しくて、正直に謝るだけでは、なかなか許してもらえない。だから、好きなお菓子を買って帰るとか、とても面倒な家事、例えば、換気扇の掃除をするとか、欲しがっていたものを買ってあげるとか、あの手この手を使って、やっと、仲直りできたときのような喜びだ。
 
こうやって、頭を使うのはもちろんのこと、謎を解きながら移動をするので、体の方もかなり使う。地下鉄を使って駅から駅への移動をするだけではなく、駅で降りて、公園やお店など、指示のある場所へと向かわないといけない。そうして自然と、色々な街を散策することになる。特に目的がなければ出かけない、私のような出不精な人間にとっては、このイベントで色々な街を訪れて、ちょっとした観光気分を味わうことできるのは、とても良い。東京には新宿や渋谷、池袋、上野など、有名な街もあるが、そんなに知られていない街の方がずっと数は多いし、それぞれに魅力がある。何回か、このイベントに参加した中で、市ヶ谷は印象に残っている街の一つだ。市ヶ谷は、場所としては、割と皇居に近いところにあり、ビジネス街といった感じの街だ。このイベントに参加しなかったら、訪れる機会はあまりなさそうに思われる街だが、なんと、市ヶ谷フィッシュセンターという釣り堀が、駅の目の前にあるのだ。都会の真ん中に釣り堀があるなんて、とても驚いた。かつての江戸城外部の一角が釣り堀になっている、という情報が、謎解きガイドブックに書いてあり、豆知識的なことも、知ることができる。
こうやって、東京の街も楽しみながら、謎を一つずつ、解いていく。お昼時や、謎を解くのに時間がかかりそうなときは、お店に入って足を休めるが、基本的には、ほぼ立ちっぱなし、歩きっぱなしだ。しかし、何も目的もなく歩くのは大変だが、初めて行く街を散策するのはとても楽しいし、何しろ、謎を解くという目的があるので、自然と歩けてしまう。最後の謎を解くまで、朝から晩まで歩き回ることがほとんどなので、一日一万歩以上は歩くことになる。何か運動しなくてはと、運動不足が気になっている人たちにも、おすすめだ。
 
実はここ数年、コロナ禍によってこのイベントは中止されている。しかし、電車に乗らずに徒歩で楽しむ謎解き街歩きイベントは、各地で開催されている。徒歩圏内なので、一つの街を深掘りして楽しむ、という感じになるが、謎解きのおもしろさと、こんなところがあったんだという、新たな発見ができるところに変わりはない。ぜひ一度参加して、それを味わってもらいたい。私もまた、新しい街で、謎解き街歩きに挑戦したいと思っている。
 
 
 
 
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2023-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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