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「できない」を「まだできない」に変えてみる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田口ひとみ(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
もうダメだ。これ以上できない……。
 
そんな壁にぶち当たったことはないだろうか?
自分はしょっちゅう壁にぶち当たっている。小さな壁もあれば大きな壁もある。1回ぶつかっても乗り越えられる壁もあれば、何度トライしても突破できない壁もある。
 
昔の自分はとにかくあきらめが早かった。壁があったら逃げろ、と言わんばかりに壁を避けていた気がする。なぜなら、だらだらとしがみつくよりも、すっぱりあきらめた方がカッコいいじゃん、と考えていたから。
 
そういうあきらめって、一見潔さそうに見えるけれど、雪の次の晴れた日とおんなじ。朝起きてカーテンを開けたら一面真っ白に塗り替えられた美しい世界が視界にとびこんできてときめくけれど、午後になれば、ぐちゃぐちゃとした汚い地面が顔を出し、美しいと思った世界は嘘のように泥だらけになる。
 
結局、自分を偽った上でのあきらめは、納得のいくあきらめではないから、未練を残すということなのかも。浅はかすぎる、若かりし頃の自分……。
 
が、しかし。
 
年を重ね、幸か不幸か目の前に巨大な壁が立ちはだかった時、その壁をよけて進む、ということは随分少なくなったように思う。単に壁から逃げる勇気がなくなっただけ、とも言えるかもしれないが。
 
週に1回2000字を書いて提出する、ということに決めた数ヶ月前。「週に1回とは言わず、できる限り毎日2000字の文章を書いて、いいものを提出しましょう」と言われた。そうだよね、やっぱりできるだけ毎日書くべきだよね、と心から思った。
 
そう思ったはずなのに、現実はというと、書くための時間というものを捻出するのはもちろん、2000字の中に込めるべき、自分の伝えたいこと、魂の叫びというものが、なかなかうまく絞り出せない日々を過ごしている。
 
もうダメだ。できない……。
 
毎回、そう思って書いている。自分は文章を書くのが好きだと思っていたけれど、本当に人様に伝えたいことがあるのだろうか? と自分自身を疑うことになる。
自分自身を疑ったら、何が良くて何が良くないかもよくわからなくなってきて、ますますしっちゃかめっちゃか。書いては消し、消しては書く作業をひたすら繰り返して気持ちも萎えてくる。
 
そんな時はどうするか?
 
わたしは、過去の自分に会いに行くことにしている。
過去の自分とは何か? 例えば、手帳にメモした心に響く言葉たちや、仕事で使っていたノート、書きかけでアップしそびれたブログ記事など。もちろん、その瞬間に心に響いたことを書き留めたわけだから、今この瞬間に見てみても、まったくもってピンとこないものもある。でも、こんなこと考えていたの? 成長したじゃん! と背中を推してくれることもある。
 
実際、この文章もそうだ。数年前に書いた、書きかけのブログ記事からテーマを拝借している。エライぞ、過去の自分! などと自分で自分をおだてながら、どうにか書き続ける。
 
そうは言いながら過去の自分に会いにいっても、うまく会えないこともある。
そんな時は、徹底的に「もうダメだ」と「できない」を考えてみる。すると、足掻けば足掻くほどに「もうダメだ」というのは本当にダメなんだろうか? という疑念が湧き上がってきて、徐々に「もうダメだ」が進化していく。
 
例えば、
「もうダメだ」っていうけれど、本当にもうダメって、こんなもんじゃないんじゃない?
冷静に考えたら、世の中に「もうダメだ」なんてこと、そうないよね?
「できない」っていうのは単なる思い込みで、自分で自分に呪いをかけてるでしょ?
「できない」って言ってあきらめようとしてるわけ?
「できない」じゃなくて「できないかもしれない」くらいにしといたら?
「できない」じゃなくて「まだできない」って思ってみたらどうなのさ? 等々……。
 
そしてそのうち、そうか「できない」より「まだできない」の方がいいかも?
なんて、思えてくるからおかしなもので。
 
 
もうダメだ。できない……。
 
そこからスタートし、とりあえず「まだできない」ということにして、失敗を繰り返しながらも続けていくこと。『成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことです』とあの松下幸之助翁も仰っているではないか。
 
もちろん「できない」と言ってあきらめたからこそ、出会える次の何かもあると思うし、あきらめることを否定するわけでもない。やり続けてやり続けて、その結果あきらめた時の結果と同じに至ることもある。
 
でも、結果が同じであるならば、失敗に失敗を重ねるのもいいんじゃないかな、などとと考えたりもする。なぜって、あきらめが悪いヤツの方が、人生を豊かに生きているような気がするから。
 
だから、「できない」と思っても、くじけずにやり続ける。「今は、まだできないだけ」と自分に言い聞かせながら書く。2000字の中に魂の叫びが自由に込められるその日まで、足掻き続けていくのだ。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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