メディアグランプリ

名古屋のローカル番組は贅沢すぎる


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記事:村人F (ライティング実践教室)
 
 
名古屋に移住してからもう5年以上経つが、最近になって気付いたことがある。
ローカル番組に出てくる芸能人が贅沢すぎるのだ。
 
例えば月曜日の朝に放送されている『まちイチ nice to people』
これに出演する「なすなかにし」は前番組のTBS『ラヴィット!』でも活躍する全国区のお笑い芸人だ。
このクラスが街をブラブラする、いかにもなローカル番組に抜擢されているのである。
しかも特に東海地区に縁があるわけでもないのに。
 
それだけではない。
日曜のお昼にはTOKIOの国分太一がレギュラーを持っているし、千原ジュニアや友近などビッグネームが単発番組に出ることもある。
このようにローカル番組でも平気で全国に名を轟かす方々が出てくるのだ。
 
これは秋田出身の私からすると考えられないことである。
ローカル番組には地域色の強い芸能人が出るという印象を持っていたからだ。
例えば秋田県民にはお馴染みの「ブラボー中谷」さんについて知っている人が他県に何人いるだろうか。
おそらくほとんどが彼の秋田弁で繰り出される絶妙な温度感のマジックをイメージできないだろう。
つまり県にゆかりのある方が出演するものだと思っていたのだ。
 
それなのに愛知、岐阜、三重の3県しかない東海ローカル番組には全国放送に引けを取らない芸能人がたくさん出てくる。
この状況がものすごく贅沢に見えたのである。
 
しかし考えてみると名古屋にはこういった要素が多い。
道路には結構な割合でトヨタ車が走っているし、それ以前にアパートに駐車場をつけて月10万円以下で借りられる。
さらにコメダ珈琲もそこら中にあり、名古屋駅と栄駅に行けばブランド物から電化製品まで大抵の物が買える。
こんな状況は東京や大阪では決して考えられないことだろう。
 
だがこの贅沢な状況に対して、他県からの名古屋評は辛辣である。
観光名所がない。
褒めるところがわからない。
地味。
誰に聞いても散々な感想しか出てこない。
そして私自身、東京から転勤を言い渡されたときは上司に泣きつこうかと思ったほどであった。
 
ただ、ここまで悪い印象を受けた理由を考えてみると、愛知県民がそういうディスを繰り返しているのを聞いていたからだと気付いた。
つまり彼らの自虐ネタを真に受けてしまったのが原因だったのである。
しかし実際に住んでみると、こんな素晴らしい環境のどこに文句をつければいいのかと思ってしまう。
それなのになぜ県民は何もないと言うのか。
 
それはおそらく、日常だからだろう。
彼らにとっては生まれたときから当たり前だったのだ。
東海地区にしか放送されていない番組に全国区のスターが出ることも。
トヨタ車が走り回ることも。
コメダ珈琲など喫茶店が街中にあることも。
いずれも秋田県出身の私からすると贅沢な状況だが、それも長年住んでいる住民にとっては当然のことだ。
だからいまさら感動をするような場面ではないのである。
そのため東京や大阪と比較して名古屋を下に見てしまうのだ。
 
だが改めて考えてみると、このようなハイエンドが当たり前という状況は凄まじいメリットに思える。
このくらいのパフォーマンスが標準レベルという高い判断基準を持っているからだ。
そして自ら働くときもこれが普通だと思うから、結果も段違いに高くなる。
これこそがトヨタやカゴメなど、名古屋生まれの大企業が多く生まれた背景にあると思うのだ。
 
ならば私も、この贅沢な環境に残るため自分を磨き続けなければならない。
モーニングの豪勢な喫茶店が多いのも、ローカル番組に全国区の芸能人が多いのも、高品質に仕事をすることも普通のことなのだ。
だから同じように高い成果を出すことが彼らの仲間に入る条件となる。
そのために、仕事や勉強でもっと力をつけるべきなのだろう。
 
 
 
ローカル番組で全国区のタレントがいっぱい出てくる様子を見ていると、やはり名古屋も大都会であると実感させられる。
確かに東京ほど全国民から憧れられる場所でもないし、大阪ほどの存在感があるわけでもない。
確かに地味ではある。
 
しかし本当に住みやすい環境というのは、そういう場所じゃないかと思う。
派手さはないけれど堅実で、痒いところに手が届く。
この渋い魅力に名古屋は溢れているのだ。
だから地元を大好きな県民が多いのだろう。
そして、彼らの良さが最も伝わるコンテンツもまたローカル番組である。
これからも地域の特色をテレビから再発見していきたい。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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