メディアグランプリ

だから私は真のSサイズコーデを今日も発信する


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記事:mumi(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「Sサイズ」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。ドリンクやポテト、洋服に靴といったところだろうか。けれども、ここでは体の大きさそのものについての「Sサイズ」について触
れていきたいと思う。
「えー、小さい方が可愛いじゃん!」と言ってくれる人もいる。
ありがとう、今でこそ私もそう思えるようになったよ。
 
そんな私は、身長147cmという「Sサイズ」そのものである。
時代が時代ならミニモニに入れた分類である。最近でこそ「低身長コーデ」や「小さいさん向けサイズ」といったフレーズと共に浸透してきているような気はするが、それでも私とファッション誌の間には六法全書くらいの分厚い壁があり、「Sサイズ」に対する概念もとことん違うことを思い知らされる。
 
ファッション雑誌に「Sサイズコーデ特集」の文字を見つけ、胸を踊らせて開いてみると、
「156cmでも着こなせるロングコート」とあり愕然とした。
え、156cmをSサイズと呼ぶのはどこの世界線の話?
ほぼ日本人女性の平均身長である彼女達がSサイズなら、私はどうなってしまうのか。
しかも156cmなんぞ、ちょっとヒールを履けばもう160cmじゃないか。
170cm以上がゴロゴロといるモデル界からすればSサイズなのかもしれないが、世間一般に見れば156cmは立派なMサイズなのに。私が思う真のSサイズ、150cm以下は相手にされないのか。ため息をついて雑誌を閉じた。
 
そういえば、マキシ丈スカートが流行った時は特に大変だった。
ただでさえボトムスは丁度いい丈を探すのが大変だというのに、どこもかしこも足首まで隠れるようなマキシ丈スカートばかり店頭に出しているのを見ては、ハイウエストにしてなんとか着ようと試行錯誤する日々だった。
けれども、マキシ丈スカートを履いた私はルンバにしかなれなかった。歩くたびスカートの裾が床につき、母には「家中をスカートで掃除してる」と言われる散々な結末だった。
 
思えば学生時代から苦労は絶えなかった。
中学生時代バドミントン部に所属していた私は部活内でも一番小さかった。相手コートと自分コートの間にピンと張られたネットの高さは150cm。当時145cmの私にはその5cmの壁が高かった。引退試合を迎える最後の最後まで私のとっての敵は対戦相手ではなく、ネットだったと言っても過言ではない。
 
人生の大舞台である結婚式では、否応なしに15cmものヒールを履くことになり、終盤は立っているのがやっとの状態だった。人生で一番綺麗と言われるはずだった私は、鎧を着て恐る恐る竹馬に乗った子どもと表現したほうが適切だったんじゃないか、と思っている。
 
挙げればキリがないほどに低身長は私に試練を与え続けた。
 
けれども思い返せば良いこともあった気がする。
泳げないまま小学生になった私は3年生からプール教室に通い始めた。
一番下のクラスは私以外、保育園や幼稚園に通っている年齢の子たちだったのだが、
体格的に大差がないことは一目で分かった。傍目からみたら私も幼稚園児と同じに見えているだろうと思い、恥ずかしさを感じずに済んだ。おかげでカナヅチだった私は、バタフライ100mを泳げるまでに進化を遂げることができた。
 
先にマキシ丈スカートの流行に悩まされた話を上げたが、たまには流行も味方してくれたりする。アンクル丈のパンツが流行ったときは非常にありがたかった。皆が足首までの丈で履いているパンツは、私にとって裾直しなしで履ける貴重な存在だった。どうかこのままアンクル丈が流行り続けますようにと心の中で願っていたほどに。
 
そして今、私は150cm以下のSサイズにさらなる可能性を見出している。
 
海外のブランドのものを中心にキッズサイズが着られるのだ。160cmサイズなら100%、ものによっては150cmサイズでも難なく着ることができる。
最近の子ども服はデザインがおしゃれであるため、大人が着てもなんら違和感がない(と思っている)。
しかも嬉しいことに、大人サイズと比べて値段も安いのだ。小さいサイズ専門店などはサイズがピッタリでも価格は高く設定されがちで、そう何着も買うことができなかった私には願ってもない吉報だった。これは共有しなければもったいない!そんな思いがふつふつとこみ上げてきた。
 
こうして私は真のSサイズである150cm以下に向けて「147cmもピッタリ!Sサイズコーデ」という看板を掲げ、Instagramとブログをせっせと更新することになったわけである。
 
 
先日、実家に帰った際に同じくSサイズの母と姉にこう自慢した。
「これキッズサイズの150cmなんだよ、可愛くない?」と。
 
近くで本を読んでいた小学生の姪っ子が顔を上げて言った
「それ、みのりちゃんとおんなじ服だ!」
そうか、大人にはわからなくても子どもにはわかってしまうのね。
うん、私、みのりちゃんとおそろいなんだよ。
ちょっぴり恥ずかしくなったけれど、私とみのりちゃんが出会うことはまずない。
いつか子どもとサイズ違いのキッズ服を、お揃いで着られるかもしれないことを楽しみに、
真のSサイズアラサーは今日も生きていく。
 
 
 
 
***
 
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2023-03-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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