2000字の文章を書いたらメンタルがぶっ壊れた
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:村人F (ライティング実践教室)
最近、メンタルがぶっ壊れている。
理由は明確だ。
天狼院書店の『ライティング・ゼミ』で、とある2000字の文章を書いたせいだ。
そのネタは失恋ネタだった。
ゼミの中でも鉄板の題材だ。
時流にも合っているし、自分でも特殊な内容だという自信があった。
というか、終わった直後に書いたので「絶対最高にしてやる」と半ば異様な狂気を込めていた。
だからプロットの段階から綿密に計画したし、書く時も節々に至るまで気合を入れてキーを叩き込んだ。
それだけの全力を尽くしただけあって、完成した直後はこれまでにない幸福感に満ち溢れていた。
この興奮のせいで一睡もできないほどだった。
しかし次の日になると、真逆の感情が浮かんできた。
ものすごく、不安になったのである。
「本当にこの表現で相手に通じるのだろうか?」
「論理展開に矛盾はないだろうか?」
そういう疑問が頭から離れなくなり、自分でもわからなくなった。
そして読み返すたびに、最高だと思った表現が人類史上最悪の表現に思えてきた。
もともと性格が悪い人間だから、そういうひねくれた読み方を自分の文章でもしてしまうのである。
それもあって、書き終えた時の幸福感はいつの間にか真逆の絶望感に変わっていた。
ただ先生のフィードバックが始まることには、また達観した見方をするようになった。
「もうこれは史上最高、または史上最悪の文章だ。その解釈を委ねよう」
こんな、よくわからない諦めのような境地に至っていた。
結果は無事に合格。
「文句なし」という褒め言葉まで頂いた。
しかし、この記事を書いたことによるメンタルの異常は治らなかった。
それくらい狂気を込めすぎたのだ。
そして1週間経った今も抜け出せずにいる。
文章は恐ろしいものだと、心から実感した。
ただ、この境地に陥って気づいたことがある。
それは、僕が全力を出すことを避けていた理由だった。
今までの僕は何事も7割くらいの力でやることを心がける人間だった。
100%フルスロットルで進んだら、失敗した時のダメージが大きい。
だから程々の力加減にすれば、心の傷も浅くて済むだろう。
そういう心境だったのだ。
しかし、このままでいいのかという思いも抱えていた。
全力を出さない理由が、全力ゆえの狂気が怖かったからだと理解していたからだ。
そのため、いつもどこかで手を抜いてしまう自分にもどかしい感覚を覚えていた。
これは恋も同じだった。
なぜ女の子にアプローチをしないのか?
それはフラれるのが怖いから。
気持ち悪いって思われるかもしれないから。
だから僕は眺めているだけでいい。
そんな心境を盾に、今まで逃げていた。
でも今は違う。
狂気の先にある快感を知ってしまったからだ。
確かに今もメンタルが壊れている。
しかし、それは異常なまでに高いテンションが続くという方向に倒れている。
つまり、興奮がずっと収まらないのだ。
思考のスピードも普段の2倍以上になっている気がする。
これまで阻害していた「ダメかもしれない」というブレーキが完全にぶっ壊れたからだ。
だから僕は今、メンタルがおかしくなりすぎて超絶ハッピーな心境になっている。
そして、これこそが全力を尽くすことの意味だと気づいた。
なぜ高校球児が甲子園優勝を目指して練習に練習を重ね続けるのか。
それは、優勝旗を手にする快感を求めているからだ。
恋愛も同じだろう。
きっとフラれるかもしれない恐怖に打ち勝って、なんでも共有できる恋人ができたら人生の色が史上最高の鮮やかさになるはずだ。
つまり全力はハイリスクだが、ハイリターンなのだ。
実際、僕が今幸せな気持ちに満ち溢れているのも書いた文章が過去最高に褒められたからである。
そう、上手くいけばこれまでにない最高の瞬間を手に入れることができるのだ。
それは過去の失敗全てを吹き飛ばすほどの歓喜である。
僕はこの事実を知ることができた。
どれだけ狂気でも読者のことを本気で考え抜けば、最大級の褒め言葉をいただけることに気づいた。
おそらく恋も同じだろう。
本気で相手のことを好きになって、しかも相手が受け入れてくれたら、これ以上の幸せな時間はないんじゃないかと思う。
その瞬間を手に入れるためには、何よりもスタートを切ることが大事なのである。
だから、これからは勇気をもってチャレンジしていきたい。
全力を出して失敗するリスクを恐れず、前に進んでいきたい。
それくらいの価値がある幸せに気づいてしまったもの。
その決意を胸に、今年1年を人生最高の瞬間にできるよう駆け抜けたい。
***
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