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羊の足丸焼きを食らう

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安斎 智美(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
友達から
「羊の丸焼きを食べないか」
と連絡があった。
私は正直、羊が苦手だ。だけど、羊の丸焼きがどんなものか見たくなった。グループで行かないと食べられない代物だろう。好奇心が勝った。
友達には「羊は苦手だが、それ以外に食べられそうなものもあるだろうから、行ってみたい」と答えた。
すると、「うさぎの丸焼きもあるよ」というので、驚いた。うさぎも食べれるかはわからなかったが、羊とうさぎが両方食べれる手はずを整えてくれた。
 
教えてくれた店は東京の御徒町にあるらしい。店のウェブサイトを見てみると、正しくは羊の足の丸焼きが提供されているという。写真の感じでは、足だけでも結構な大きさだ。
私はこの羊の足と、うさぎの丸焼きが見れるのかというワクワク感と、しかしそれらが食べられるのだろうかという不安な気持ちだった。
 
食事会の当日、店に向かうと店内は日本語がほとんど聞こえないことに気づく。最近流行りの、いわゆるガチ中華の部類のようだ。
私はますます本当に羊やらうさぎが口にあうか不安になってきた。野生味のあふれる感じだったらどうしようという考えで頭がグルグルしていた。
友達との会話を楽しみつつ、ハイボールを飲んで不安を紛らわした。
前菜は私の知っている普通の中華料理で、豆苗炒めやエビの炒め物が出てきたので、安心してバクバク食べることができた。
 
そうこうしているうちに、店員さんが、羊の足の丸焼きを持ってきた。自分の顔よりも大きな肉の塊が串に刺さっており、それが目の前で直火で焼かれていく。
実物は写真で見た通りの大きさで、羊の丸焼きを見てみたいという欲求は満たされた。
「これを食べるのかあ」
食べられるのかという不安はマックスだったが、これを食べない訳にはいかないと思い、勇気を出して食べてみることにした。
 
このお店は焼いた羊をとうがらしが入っているであろう真っ赤な香辛料につけて食べるスタイルで、私もこれにならって羊を食べた。羊肉は想像に反して臭みがほとんどなく、しかもスパイスも辛すぎず、絶妙に羊肉にマッチしていた。
これまであまりおいしいと思えず、むしろ嫌いな食べ物であった羊肉が、急に好きなものとなった。
醸し出すガチ中華感から、野性味溢れる羊肉が出てくるのではと疑ってごめんなさい。こんなに臭みがなくて、ジューシーなお肉を提供してくれているとは。これはハマってしまいそうだ。
量もかなりあったが、ジューシーながら、さっぱりしているのであっさり食べきってしまう。それでも羊肉はたんぱく質豊富で、他の肉と比較するとカロリーも抑えめらしく、食べ過ぎても罪悪感が少ないのもいい。
 
羊肉の後には、うさぎの丸焼きがやってきた。これは羊肉の足よりも形としては衝撃的だった。うさぎだったであろうという形を保ったままで、頭と手先だけがない状態で、胴体と四肢の姿だったからだ。
それが串に刺され、羊肉の足と同じく直火で焼かれている。羊肉よりもグロテスクな後継だったと思う。
 
一緒に来た知人の一人は、その姿から「私はうさぎ肉は食べない」と言って、食べるのを断念するほどで、私も普段だったら、食べることを躊躇していたかもしれない。それでも、羊肉での成功体験から、この店だったらなんだか大丈夫かもしれないと思い、うさぎ肉にも挑戦した。
食べてみると、これもまったく臭みがなく、鶏肉のようだった。羊肉でも使ったスパイスを付けたりしたが、このスパイスがなんともいえず、臭みを消しつつ、香ばしさを足してくれている。
意を決して食べたが、なんてことない、さっぱりしたおいしいお肉だった。
 
羊肉がメインだったので、この食事会に参加することを躊躇していたが、行ってよかった。
好奇心に従ってみるのも時にはいい。思いがけず、羊肉が食べられるようになり、その上、うさぎ肉まで食べられるようになった。
世界が広がった感じがして、これからは羊肉メインのお店にも積極的に行くことができそうだ。
そして、ガチ中華もなんとなく、辛すぎるのではないかとか、野性味溢れる食材を使っているのではという偏見からも解放されて、そういう意味でも世界が広がった感じがする。発見の多い食事会で、有意義だった。
 
自分の苦手だと思っていることやもの、こうなんじゃないかという思い込みは実際に体験してみると、実は違うということが結構ある。羊肉とうさぎ肉を克服したことで、なんでも決めつけず、とりあえずやってみようという気持ちが大事だなと改めて感じている。
 
 
 
 
***
 
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2023-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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