メディアグランプリ

『人生を変えるライティング・ゼミ』


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴村文子(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私がその講座のことを知ったのは、いつぐらいのことだっただろうか。テレビで観た「秘めフォト」というイベントが気になって調べた時に、天狼院書店のホームページで見たのか、池袋に行った時に立ち寄った、天狼院書店の店舗にチラシが置いてあるのを見つけたのか。今となっては、知ったきっかけは思い出せないけれども、なぜか心にずっと、『人生を変える』という言葉が、残っていた。
 
昨年の夏、人生で初めて怪我をした。大怪我ではなく、足首の捻挫だ。他の人からみたら、大したことないと思われるかもしれないけれど、自分の思うように動くことが出来ないことは、とても苦痛だった。そして、完治までは6週間くらい、と医者から言われていたのにもかかわらず、2ヶ月経っても、全然治る気配がなく、びっこを引いて歩く状態が続いていた。それを見た夫から、無視をされたり、「そんなにゆっくり歩いている人はいない」、「治すつもりあるの?」などとひどいことを言われて、ただでさえ、普通に歩けないことが辛いのに、そんな仕打ちを受けて、夫と一緒にいることが、どうしようもなく嫌になってしまったのだ。それまでは、夫と過ごす時間は、とても楽しくて、幸せだったのに。
 
そんな時に思い出したのが、『人生を変える』という言葉だった。捻挫のせいで、人生が変わってしまった、と感じていた私は、どうせ、変わってしまったのなら、思い切り変えてしまえ、という気持ちで、ライティング・ゼミの受講を決めたのだった。受講中の4ヶ月間は、2000文字の文章を、週に1回、投稿しなければならないという、なかなか大変そうな講座だとは思ったものの、それ以上に、文章を書くことで、怪我をして感じた、自分の体を思うように動かせないもどかしさや、夫の暴言に対する怒りを、なんとか消化したい、という気持ちの方がずっと強かった。
 
最初の講義が終わった後、私は急に不安に襲われた。講義は、とても楽しかったし、わかりやすかったのだが、それを自分でやるとなると、まったく、できる気がしない。そもそも、2000文字なんて長い文章は、今まで書いたことがない。学生時代、書くことが得意だった記憶もない。勢いで受講を決めてしまったけれど、私には無理だったのかもしれない……。
 
そう思ったけれども、私は、講義の時に三浦さんが言った「できるようになるために、習いに来ているのだから。最初からできるなら、習わなくてもいいから」という言葉に励まされて、書くための準備を始めた。ネタはもちろん、捻挫のことだ。捻挫のせいで起ったこと、行き場のない気持ち、それらを、講義で習ったことを思い出しながら、どんなふうに書くのか、ノートに書き出していく。すると、意外に、ノートの紙面が埋まってきたのだ。これなら、書けるかもしれない、と思い、iPadのキーボードを打ち始めた。が、途中、何度も何度も手が止まる。1日では書き終わらなくて、2〜3日はかかったと思う。やっと2000文字の文章ができた、と思ったら、今度は、本当にこんな表現でよいのか? 不安になって、読み返しては書き直し、なんとか書き上げて、最初の課題を投稿した。
 
最初の課題は無事、投稿できた。それからは毎週、難なく課題を投稿できた、わけはない。ネタ探しは、いつも、お寺の戒壇巡りのようだった。戒壇巡りとは、お寺の本堂の仏様の下にある、真っ暗な空間に入って、壁に手をつきながら進んでいく、というものである。真っ暗な空間を壁伝いで歩くように、頭の中で、今までの人生で起こった出来事を思い返しながら、ネタになりそうなものを探すのだ。ネタが見つかっても、2000文字の文章にするのがまた大変だった。毎週、ラブレターのように、これで私の気持ちが伝わるのか? と思いながら、必死になって書いた。フィードバックで、面白かった! と言われた時は、好きな人から、好きと言ってもらえた時と同じくらい、嬉しかった。
 
4ヶ月間、私なりに、文章を書くことに真剣に取り組んできた。毎日、何を書こうか、どう書こうか、ずっと考えていた。まるで、初めて好きな人ができた時、一日中その人のことを考えているように。ただ、それで、人生が変わったか? と聞かれれば、私は、変わっている最中かな、と答える。
 
ライティング・ゼミは自動車学校なのだ。自動車学校の座学で、車の仕組みや、道路交通法を勉強しても、実際に車の運転をしなければ、絶対に車に乗れるようにはならない。それと同じで、ライティング・ゼミは、講義を受けるだけでは、書けるようにはならないのだ。
車に乗れるようになったら、自分の行動の範囲が広がって、人生が変わる。それと同じように、文章を書けるようになったら、思いもかけない場所に行ったり、素敵な人との出会いがあったり、新しい経験をすることができるはずだ。
 
私は、文章が書けるようになったとは、全然思っていない。自動車学校で言えば、やっと、学校の敷地ではなく、街中を運転できるようになったくらいだろうか。もっと、車で、行ったことのない街の景色を見たい。もっともっと、文章を書いて、新しい景色を見たい。
 
捻挫から始まった私の文章修行は、まだまだ、これからも続く。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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