「みんなちがって、みんないい」言葉の罠
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記事:山田 弘(ライティング・ゼミ4月コース)
「私らしく生きる」
この世の中はたったそれだけのことが意外と難しい。
「みんなちがって、みんないい」
それだけでいいなら、もっと上手くいっているはず。
おかしい、何かが足りていない……。
差別を受けない社会の実現に向けて世界中で課題となっている「ダイバーシティ&インクルージョン」
日本ではこの「ダイバーシティ&インクルージョン」のことを「ダイバーシティ」と略して表現することも多い。
日本語では「ダイバーシティ」は「多様性」と表現されます。
つまり日本では、「インクルージョン(包摂)」の意味合いが抜け落ちたまま伝わってしまっていることもあるということです。
日本で「ダイバーシティ」を語るとき、金子みすゞさんの代表作『私と小鳥と鈴と』の最後のフレーズ「みんなちがって、みんないい」が引用されることが多いです。
単に多様性ということであれば、別に間違っているところはないのですが、「ダイバーシティ&インクルージョン」という文脈と比べると、それだけで本当に大丈夫なのか?とちょっと不安になってしまいます。
これは個人の感覚ですが、日本人は多様な状態であることに対して、不安を抱く傾向があるように感じています。
それは、「人と違うことをしてはいけない、普通(=ありふれているさま)であることが良い」といった均質で一様になるような教育を多くの人が受けているからかもしれません。
21世紀になったいまは、人に均質や一様であることを求められることはなくなり、多様であることが求められるようになっています。
「何を今更、そんなことは知ってるよ」という声が聞こえてきそうですね。
そうなんです、みんな知ってるんですよね。
それなのに、なぜ組織はいつまでも多様性、多様性と言い続けているのか?
それは何故なんでしょう?
人って、一人ひとりの思考・行動・感情のパターンが異なるのは知っていますよね。
だから、組織の中では何もしていなくても、すでに多様な人材状態になってるんですよ。
ここで、冒頭出てきた「みんなちがって、みんないい」を、この状態に当てはめてちょっと考えてみましょう。
「みんなちがって、みんないい」の状態ってどんな状態ですか?
ここでちょっと動物に例えてみますね。
キリン、カバ、ライオン、トラ、シロクマ、ペンギン など
「みんないるねぇ、みんなそれぞれの違いがあっていいよねぇ、みんながいてくれるだけでホント嬉しいよ!」
こんな感じじゃないでしょうか?
では、ここでまた人の話に戻します。
もし組織の中が、こんな風になっていたらどうでしょう?
中にはこんな風が心地よい人も、そうでない人もいるかもしれませんが、組織としてこれは好ましくないコトの方が多いと思います。
じゃあ、どんな風になっていたらいいのでしょう?
少し整理しながら進めます。
「ダイバーシティ」(多様性)をシンプルに定義すると、「人と人の違い」のことになります。
違いの部分は、外見や性別などの「見える違い」、育った環境や経験などの「見えない違い」、価値観や職業観などの「心理的傾向」になります。
こういった違いをもつ人たちを、組織の中で一人ひとり活かすためには、どんなことができるのか?
そうです、こんな風になるといいんです。
「一人ひとりが異なる存在として受け入れられて、全体を構成する大切な一人としてその違いが活かされる」
そうすると、一人ひとりのよいところや能力が引き出されて、認められて、自分の居場所があると感じられるようになります。
やがて、やりがいと意欲をもって生きる人が増えることで、組織がイキイキとしてきます。
この状態のことを「インクルージョン(包摂:一つの事柄をより大きな範囲の事柄の中にとりこむこと)」と呼びます。
「みんなちがって、みんないい」は、多様な状態を指している+異なる存在として受け入れているところまでです。
人と組織の関係の中では、一人ひとりの異なる素晴らしい能力を活かすところまで出来て始めて、お互いに感謝を込めて「みんなちがって、みんないい」が言えるんじゃないか?と私は思っています。
日本では「ダイバーシティ&インクルージョン」を「ダイバーシティ」と略してしまうところもあって、大事なキーワードの存在が伝わっていないことがあります。
組織が人の多様性を活かしていくには、「インクルージョン(包摂)」がとても大切です。
これが大事なキーワードです。
これは、家族やコミュニティにも同じ事が当てはまりますので、意識して是非試してみてください。
***
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