メディアグランプリ

「実践」のおそろしさ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:工藤洋子(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「ぐはっ! また載ってる……」
 
思わず、ため息が出る。
 
私が見ているのは、とあるFacebookグループの投稿記事だ。
「天狼院ライティング実践教室」の講座がある日の事前課題である。
 
天狼院書店とは「READING LIFEの提供」を、オープン以来掲げている書店だ。READING LIFEの提供とはなにか? それは、本の先にある体験までも提供するということらしい。
 
そのコンセプトに基づき、様々な講座・ゼミが提供されている中でもっとも人気な講座のひとつが文章術を全8回の講座で学ぶ「ライティングゼミ」である。私も一年と少し前にライティングゼミと出会い、それ以来、上級講座にあたる「ライターズ倶楽部」やいろいろな講座を受講して、ライティングの修行に励んでいる。
 
その通常のゼミでは、毎週2千字の記事を書く課題が出るのだが、そこでフィードバック担当から選ばれると、天狼院書店のWEBに掲載してもらえるのだ。普通は「載ってる」のは嬉しいことである。
 
ところが、なぜ私が「ぐはっ!」となっているのか。
それはこの「ライティング実践教室」がフィードバックをメインにすえた講座だからである。受講者は事前に出された課題の記事を読み、それについて自分なりのフィードバックをコメントとして書く。いつもは自分がもらっているフィードバックをこちらから書いてみよう、それがまたライティングの向上につながる、という講座となっている。
 
ちょっと回りくどかっただろうか?
つまり、ここでは「載ってる」記事は、「ボツ」ということなのだ。
 
いったい、何回ここで「載ってた」だろうか。
もう数えるのも諦めたほどだ。
 
ライティングには押さえるべきポイントがある。
ある、ということは最近分かるようになってきた。
 
ところがなかなかそれが守れない。
 
「攻撃は最大の防御なり」とばかりにガンガン攻めていたら、「足元がお留守ですよ」と達人に足をすくわれて地面にひれ伏す羽目になるような、そんな気分だ。
 
おまけにフィードバックをよく書いてくれる常連の受講者の中には、長くゼミを受講されている方もいるので、そのコメントが的確だ。あまりにも的確すぎて、私は毎回血の涙を流している始末だ。
 
そんなに大変だったら、なぜそんな講座を受講し続けているのか、普通だったら不思議に思うだろう。私だってある意味不思議だ。マゾヒスティックな性癖は自分にはないはずだからだ。
 
いったい何故だろう?
 
最初に思うのは、フィードバックがそもそもありがたい、ということだ。有り難い、つまり存在が難しい、という真の意味で本当に貴重な機会だと思っている。これは通常のライティングゼミでも同じことだが、学生時代ならいざ知らず、いい年した大人になってから忌憚ない意見をもらえる機会など、そうそう世の中にあるだろうか?
 
いや、ない。
もちろん、個人でコーチを付けてコンサルタントを雇ったりすればフィードバックをもらえるし、自分の道行きを照らしてもらえることだろう。高額なコーチング料も必要だが。
 
だが、ライティングゼミでは、月額にして数万の金額で月に2回の講義に加えて、4回もフィードバックがもらえる。素晴らしい機会ではないだろうか。
 
いろいろなことにかかる費用を考えると「人」にかかるコストが一番貴重だ。機械やシステムが代行できるものでなく、技術や経験を積んだ人間にしかできないことがこれからのAI時代ではとてつもなく貴重になってくると思う。その人間の手間とヒマを存分に使ってフィードバックがもらえるのだから、有り難い以外の何ものでもない。
 
さらにこの「実践教室」では、他の受講生の方のフィードバックに加えて、講義で「なぜそういうフィードバックが出たのか」についても解説される。どの部分がどういう理由でよくなかったのか、だからこういうフィードバックに繋がったのか、がよく理解できる。
 
昔からことわざで、「人の振り見て我が振り直せ」というだろう。まさにこれこそが実践教室の強みだと思う。自分が中心で何かをやっている時は、なかなか周りからどう見えているかは分からないものだ。
 
スポーツでも素振りのポーズは鏡で確認したり、ビデオに撮って見たりして上達することができる。同様の効果がこの「実践教室」にはあると思う。トライ&エラーのくり返し、それこそが何事に付けても上達のカギであることは、自分にもよく分かっている。
 
しかし。
それが分かっていてもなお「我が振り」を人から指摘されるのはけっして気持ちのよいものではない。
 
自分の声を録音したものを聞いてみたことがあるだろうか?
もしそういう経験があれば、そのときは、「とにかく聞きたくない」とそう思われたのではないだろうか?
 
自分の声については、体内を伝導してくる声と外部のみに出ている声に差があるから、という話を聞いたことがある。だが、自分の思っている自らの姿と、人から見えている自分の姿の間にあるギャップが問題だ、というのは変わらない。
 
自らの成長のために身悶えするような思いを自分でしにいく訳だ。端から見ればなんと変態な、と思われるかもしれない。まったくおかしな話だ。
 
また今月ももう一度講義の時間がある。
ああ、次回は載りませんように。
同じ載るのなら、「掲載」されますように。
 
そう思いながら今週もまた締め切りにチャレンジするのであった。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2023-04-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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