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怠惰な私の食生活を変えた家電


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記事:くろねこ(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
私は怠惰だ。
 
どれくらい怠惰かというと、勤務中にお昼を食べに行くことが手間に感じ、会社の中で販売しているお菓子を買って済ませるような人間だ。あなたの主食は「じゃがりこ」だ、と同僚にからかわれたこともあるし、「人もガソリンで動けたらいいのに」と言って、ドン引きされた経験もある。
1秒でも長く寝ていたいので朝食は食べないし、夜は外食で済ませる。
 
さぞかし貧相な食生活で育ったのだろうと思われるかもしれないので、母の名誉のために断っておくと、私の母は料理が上手い。幼少の頃は周囲におすそ分けをすればレシピを教えてほしいと言われ、母に直接料理を習いに来る人もいたほどだ。私も母の料理は大好きで出された料理は全て平らげ、妹のコロッケにも手を出して怒られたりもした。
 
ところが大人になって親元を離れた結果、食生活は一変する。
それほど器用ではない私は、ある程度時間を費やさなければ仕事が成り立たない。
 
食べなければさらに性能が落ちるため、短い時間で素早くカロリーを摂取する必要がある。
かくして私は社内のお菓子販売所の優良顧客となった。
ついでに社員の働きやすさ向上という名目のもと、職務権限をフルに活用してパンの販売所も導入した。
 
完璧だ。そのはずだった。
 
恐らく全ての人の生活に影響を与えたであろう、新型コロナウイルス。
ご多分に漏れず、私にも直撃した。
 
直撃先は夕飯だ。コロナ以前は、ほぼ100%外食で済ませていたため今回もプロの手を借りたいところだが、周辺の飲食店は次々と営業を自粛した。我が家は共働きで2人とも残業が多いため、かろうじて再開した後も時短営業となった環境では、テイクアウトもままならない。
 
いつでも開いているコンビニは非常に心強い存在だったが、早々に飽きがきてしまった。
ただ料理スキルを身に着ける気は、どうしても起こらなかった。
 
包丁をつかうのも面倒だが、なにより火を扱うことが難しすぎる。
コンロにつきっきりになるし、生焼けになったり、逆に火を通しすぎて固くなったりする。そもそもキツネ色になるまで焼くってなに。キツネだっていろんな種類がいるでしょうよ、と悪態を付きたくもなる。
 
だんだんと食事の手配を考えるのが嫌になってきてしまった。
温かくて美味しいごはんを食べたい、そんな気持ちが最高潮に達した頃、我が家に1台の家電が導入された。電気調理鍋ホットクックだ。食材と調味料を入れるだけで料理が完成するシロモノらしい。
 
当初は、あの人また何か買ってきたよ、と生暖かい目で見守っていたが、今ではほぼ毎日ホットクックで調理をするようになった。作った料理はレンチンできるタッパーに入れて冷蔵庫へ保管され、朝にはランチ用に喜々として持ち出している。
 
ホットクックで一番初めに手掛けたのは「無水カレー」だった。
じゃがいもや人参などがカットされたカレー用セットと、これまたカットされた鶏肉をスーパーで手に入れ、それらと調味料を入れてスイッチを押す。これだけ。
混ぜ技ユニットなるもので、鍋の中を適度に混ぜてくれるので途中の作業は発生しない。
 
普段のカレーよりもさっぱりとしていたが、これはこれで美味しい。
そして骨付きの鶏肉がほろほろだ。
ただ待っているだけで、こんな料理がつくれるなんて驚いた。
 
次に鶏の照り焼きを作った。
大ヒット!!ぷりっぷりの鶏の照り焼きができあがった。
一緒にいれた長ネギがとろとろに煮込まれ、甘い。次はねぎを倍入れようと決めた。
 
そして私が大好きなメニューは、和風きのこスパゲティだ。
乾麺を半分に折ってきのことツナ缶と調味料、水をいれてスイッチオン。
きのこの出汁ってこんなに美味しいんだ!と感じた1品である。
 
色々試してみると、総じて低温でじっくり煮込む料理が得意なようだ。
公式レシピ以外にも、ネット上にはホットクック先輩達のレシピが無数に紹介されており、それらを参考に日々レパートリーを増殖させている。
 
私にとっての最大のメリットは、材料を放り込んだら放っておける、という点だ。
料理初心者の私には最大の難関であった火加減を放棄することができるのだ。
キッチンに張り付かなくてよいし、予約調理もできるので朝に一式セットして予約しておけば、帰宅する頃には出来たての料理が楽しめる。
 
在宅勤務の日には、会議の合間の隙間時間を活用して調理もする。私はセットするだけ。
ただしホットクックは調理中、意外とおしゃべりで「頑張っています!」とか「美味しくできますように!」等、気持ちの表明が多い。勤務中ならば音声をOFFにしておく必要がある。
 
最近のお気に入りは、休日にフレンチトーストを作ること。
材料をいれてセットしたら、のんびりとお風呂に入り、上がってくる頃にはふわっふわのフレンチトーストが出来上がっている。私がフライパンで作るぺちゃんこの座布団みたいなものとは全くの別物だ。
はちみつをかけ、時にはバニラアイスを乗せて口いっぱいに頬張れば、幸せが染み渡る。
 
良いことばかり書いたが、マイナスポイントもある。
サイズが大きいこと、そしてお値段が高いこと。
 
炊飯器と同等のサイズなので、置き場所の確保は必至である。
我が家では先日2台目を導入したため、コンロを潰してホットクックコーナーにしてしまった。
 
高いという点は、もう本当にそのままだ。
だが、毎日2食×2人分の外食費と比較するとあっという間にモトが取れてしまった。
爆速で消費されていく調味料は、ふるさと納税を活用することでコストダウンを図ったつもりでいる。
 
先日健康診断だったのだが、看護師さんに「あらっ、あなた戻したわね!」と言われた。
年々、右肩上がりに成長中だった体重と腹囲が落ちていたらしい。
ホットクック導入により、調理方法が「煮る」と「蒸す」中心になったこと、ストック料理のおかげで食べたい時に食べたい量を食べる、という食事量のコントロールができるようになったことが功を奏したようだ。
 
別に期待していなかった点だったけれど、ちょっと嬉しい。
また1つ、ホットクックを活用し続ける理由ができてしまった。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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