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ダントツ1位が存在するとき、それをお勧めされて嬉しいか─ケーススタディ:お城


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ケイあんどう(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「今まで行った中で、一番良かったお城はどこですか?」
 
数年前からお城巡りをするようになった私は、自己紹介を求められると「趣味は城巡りです」と言うようになりました。すると、この質問をされることが増えたのです。
 
どの城と答えようか悩みます、困ります。そして自分が困ることを棚に上げて同じように人にも「(あなたの趣味で)一番良かったのは何ですか?」と聞いてしまうんですね。
 
そんなとき、定番の答えをしていいものでしょうか。ありきたりの答えでは自分の品性を問われるような気がしてなりませんか。逆にいいアドバイスとなって、後日「あなたが良かったと言っていた所(モノ/コト)、本当に良かったよ」と言ってもらえたら最高じゃないですか。
 
一番良かったを答えることは、それをお勧めすることにもなるわけです。その人へのプレゼント選びに似ていますよね。そう思うと安易に答えられません。ここでケーススタディとして「私が思う一番のお城」をみなさんにプレゼントするつもりでお伝えしましょう。
 
お城でどこが良かったかと聞かれるときは、たいてい天守の素晴らしさ、見応えを期待されているはずです。その場合、姫路城を超えるものはないと思っています。ダントツです。
現存12天守の一つで、その規模は随一。国宝である上に、世界遺産にも認定されています。新幹線姫路駅から見えるほど近い交通アクセスの良さもあって、誰にお勧めしても間違いないお城です。お城にあまり関心のない知り合いに聞かれたときはベストアンサー。
「行ったことあります」という返事をしてくれたら、話が弾むかもしれません。ラッキーです。
 
ところが「観光で行っただけ」「混んでいた」というネガティブな返事も少なからず返ってきます。かくいう私も30年ほど前、お城に関心のなかった時期に行ったきりなのです。その気持ち、よく分かります。
また、城好き仲間の間でこういう会話になると、姫路城なんて答えでは会話の余地がありません。城好きにはあるある話なのですが、天守は無くても城の良さを十分感じられるのです。櫓や石垣だったり、空堀や土塁が見事に残っていることに感激します。復興天守や模擬天守でも地元の方々の思いや必要性があって再建されたのですから、別の魅力があるのです。
 
さしもの姫路城にもウイークポイントがあるのです。混雑するという点もそう。そして暴言を承知のうえで言えば、あってもなくても日本史への影響は低いお城だという点です。歴史のターニングポイントになるような出来事に関わる城ではない。その点において姫路城は欠けているのです。
 
城を観光地と捉える普通の人や外国から来られる人には姫路城一択。見応えは二の次として、歴史的価値やドラマ性を重視するような人に向けて一番を答えるなら、姫路城に勝るお城があります。私の場合、一番だと答えたいのが安土城です。建物は何もありません。
 
安土城
安土桃山時代って習いましたよね。織田信長が天下統一をほぼ果たし、築城したことで有名です。安土城はその後の豊臣秀吉や戦国大名たちの居城に影響を与えました。そのせいか安土城だけ天守と書かず「天主」と書くそうです。その別格感がたまらないですね。
安土山に築かれた山城なので、標高198mの山頂まで延々続く石段を登らなくてはなりません。たいした高さではないのですが、いびつな石段は歩きにくいですよ。ロープウェイはないため、足腰に不安のある方は残念ですが麓を散策してください。登れたところでどうせ天主は無いと言い聞かせながら。
登れる人は頑張りましょう。真っ直ぐに伸びる大手道の広い石段にまず驚くはず。脇には伝羽柴秀吉邸跡や伝徳川家康邸跡と記されています。果たして同盟者家康の屋敷を作ってやるだろうか。家臣明智光秀の屋敷はないのに。ああ、だから光秀はすねたんだな、とかね。興味深いでしょ?
大手道を登り切るとその先の石段はくねくねと曲がります。防御性を高めた工夫と思われます。このあたりで脚がしんどくなってきますが、山頂まで頑張ればご褒美の天主台跡を見られます。信長は眼下の琵琶湖を行き交う舟や城下町を見て、高笑いしていたに違いありません。
礎石は残っていますので、高さ46メートルの天主が建てられていたことを妄想逞しく上空を見上げてみましょう。光秀側の者が火を付けたのか。いえ、おそらく信長の家臣が光秀に占拠させまいと考えての行動でしょうね。
私は礎石のいびつさが気になって仕方ありませんでした。どうしてもっと平らな石を使わないのだろうかと。お城に詳しい人と行けばこうした会話も弾むこと請け合いです。こればかりは健康であることに感謝できるひとときでもあります。妄想を補うには安土城郭資料館や安土城天主信長の館にも行くといいですよ。天守最上階の実物大復元模型があります。再現CGは麓の登城口にある城なび館でも見られます。
 
「一番の○○」をお城の場合で考えてみました。安土城、行きたくなりましたか?
ほかにも、秀吉が朝鮮出兵を計画して肥前国に建設した巨大な最前線基地「名護屋城」も日本史に出てくる城です。想像するのが楽しいはずです。はい。私はまだ行ったことがないので多くを語れません。「一番行ってみたい城」ですね。あとは「沖縄の城、全部」と答えちゃうだろうな。
 
今度はあなたの番です。好きなもの、関心事をお勧めするつもりで聞かせてください。
 
 
 
 
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2023-04-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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