年齢を重ねる楽しみを味わえていますか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:遠藤 美紀(ライティング・ゼミ2月コース)
こんな服を着てみたいけど……
こんな髪型にしてみたいけど……
挑戦してみたいことがあるのだけれど……
でも年齢的にどうなんだろう? そんなふうに考えてしまった、なんてこと、だれでもあるのではないかと思います。
だって、誰でも「いい歳してね」なんて言われたくないし、なんだか無理してるように思われるのもいやですよね。
先日、私がいつもの美容院に髪を切りに行ったときにもそんな話になりました。
その日、私はカットと一緒に最近よくみかける、イヤリングカラーもお願いしたいと思っていたのです。イヤリングカラーとは、耳元にワンポイントで差し色を入れるもので、耳に髪の毛をかけた時にちらりとカラーが見える、というものです。ですが、残念ながらそれだけの時間の予約がこの日は取れない、とのことでした。
それなら、ひとまずカラーはいいので、カットだけ、という予約をした時に、美容師さんがその時にカラーの相談に乗りますね、と言ってくれたのです。
当日、髪を切ってもらいながら、何色がいいのか、どこに入れたいのか、など、アドバイスをもらいながら、次回のことを決めていきました。
最初はピンク系の色を入れたかったのですが、アドバイスをもらっているうちに、髪のダメージのことなどを考えて、別の色にすることにしました。
その時に、私は
「年齢のことを考えると、ピンクってどうなのかな? とも思ったんですけどね」
と話していました。
すると、美容師さんは、
「え? 年齢なんて気にしなくていいんじゃない? だって、私何歳です、って言いながら歩くわけじゃないし。似合えばなんでもいいのよ」
と笑いながら言いました。
その時に私は、あれ? 私は今、勝手に自分で自分の年齢に縛られていたんだな、と気づいたのです。
それに気づくと、ちょうど最近、洋服を選ぶことにも悩むことが増えていたのですが、それも気にすることはないのかもしれない、とさえ思えました。
年齢的にどうか、ではなく、自分に合っているかどうか、を選ぶ基準にすればいいんだ。
ただそれだけだったのです。
なんだか、目から鱗な話でした。
多くの人は老いというものにマイナスなイメージを持ちます。もう、出来ることは少ないし、おしゃれだって若い時のようにはいかない、と。
肌のたるみやシワ、不調も増えて、体力の衰えや若い時と違って痩せにくくなった自分。
そこに抗ってあれこれ手を加えることもひとつでしょう。ですが、そこに執着してしまって、毎日鏡の中の自分のシワや白髪のチェックをして憂鬱になってしまっては、もったいないと思いませんか?
果たして、年齢を重ねることは、ただただ悪いことなのでしょうか?
「老い」はだれにでも平等にやってくるものです。それに無理に抗ってつらい思いをするより、今の自分を受け入れてのびのびと暮らせたらいいな、と最近よく思うのです。
それは、全く手入れをしないで、そのままでいい、ということではなくて、自分に手をかけながら、今の自分を受け入れて生きる、ということでしょうか。
若い時の自分と比べることに何の意味もないのです。
よく、革製品なんかは、「経年変化を楽しむ」と言われます。人も同じで年齢を重ねるごとに人としての深みが増せば、それはとても素敵なことですよね。
年齢を重ねるということに対して、見た目だけに重きを置いてしまうと、もしかすると寂しさや悲しさが付いてきてしまうものなのかもしれません。
ですが、人はもちろん外見だけではありません。
いくら外見が変わらなくても、中身も変わらなかったら、それはとても残念だとしか言いようがないような気がします。
年齢を重ねてきたからこその経験や、増えていく知識を大切にしませんか? そして、それを溜め込むだけではなく、いろんなことに活かしていくことで、「老いを感じる寂しい自分」から解放されるのではないかと思うのです。若い頃にはなかった考えや心のあり方、そして気持ちの余裕。そういったものにも気持ちを向けていくと、「老い」という言葉に過剰に反応することもなくなるかもしれませんね。
もし、私が「老い」にあらがい続けると、きっとどんどん苦しくなってくるでしょう。そこにばかりエネルギーを使うより、これからも知識を増やし、経験を増やして「変化していく自分」を楽しんでいくことのほうがずっと大切なのではないかと思っています。
自分の顔の変化ばかりに気を取られていてはもったいない!
年齢を重ねて、変わっていく自分。その楽しみを味わっていきたいものですね。
***
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