メディアグランプリ

ドラえもーん!息子のおむつを外してくれよ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:アズマヤミワ (ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「おむつ外れた?」
「そのうち外れるよ!」
そのうちっていつなんだよ! 教えてくれよ! ドラえもーん!
 
この会話は「おむつマウント」なのではないだろうか?
トイレヒエラルキーなるものが存在するのならば底辺にいた長男4歳の頃。
2006年頃、「勝ち組・負け組」という言葉が流行ったっけ?
「負け犬の遠吠え」という言葉も流行ったなぁ。
どうあがいても我が息子はトイレトレーニング部門において「負け組」だった2014年。
 
「いばらのトイレ道」の棘をしっかり踏みしめながら血まみれになりながら親子で歩いていたあの頃。
先生からは「ゆっくり進めていきましょう」と頼もしい言葉をもらいその言葉を信じて我が家もトイレトレーニングの時を迎えたのだ。
 
トイレトレーニングは一般的に2歳から3歳にかけて行われる。
トレーニングを始められるかの見極めポイントは以下の3つが一般的である。
1.トイレまで自分で歩いて行ける
2.「抱っこ」「イヤ」「おしっこ」などの簡単な言葉で家族との意思疎通ができる
3.おしっこの間隔が2時間以上空く
この3点が揃ったらトイレトレーニングを開始するタイミングだといわれている。
しかし、この3つが揃ったからといってスムーズにいくとは限らない。
 
我が家は4歳11か月までおむつを履き続けたのだから。
 
次々に「おむつ同盟」を結んでいた同志がすんなりと同盟を離脱していく3歳頃。
母親達は送迎時に
「おむつ取れた?」と探り合いを始める。
「それがさぁ、急に取れたのよ。お姉さんパンツ(布パンツ)のプリンセスを汚したくない! と思ったらしくあっさりプリンセスパンツに変えたら取れちゃった!」
はい、「勝ち組」へ昇進。おめでとう。また同志が去っていった。
「〇〇くんもすぐ取れるよ!」
勝者だから言えるこのセリフ。
 
夏の帰省時。
義理母や義理妹が良かれと思って息子をトイレに誘ってくれる。
しかしだ。彼は保育園でも散々、トイレに連れていかれたり私からもトイレでの排泄を強要されたりと日々、「トイレ、トイレ、おむつ卒業、おむつ卒業」を言われる日々。
久々にあった祖母や叔母からもトイレを強要され楽しいはずの帰省でも「トイレの呪縛」から逃れられない状況だった。泣き叫びながら連行される姿は今でも思い出すだけで胸が苦しくなる。その状況を私はチベットキツネの様な遠い目で眺めるしかできなかった。
今思えば、本当にかわいそうなことをしていたと反省しかない。
 
トイレに関する絵本を読んでみたり、
好きなキャラクターのパンツを買いに行ったり、
トイレトレーニング用のおむつを試してみたりと。
ありとあらゆることを3歳後半から4歳11か月まで試してみたが結果は惨敗。
保育園の先生も
「〇〇君、体の準備はできていると思うのであとは本人の気持ち次第ですね」
あと1ピースが見つからないのだ。
彼のトイレトレーニングに必要な最後の1ピースが見つからずに焦っていた私。
もう「おむつ同盟」の仲間はいない。こうなれば母も腹をくくった。
 
好きなだけおむつを履くがいい!
母はおむつ代をしっかり稼ぎ続けるから、安心してくれ。
 
彼の性格を分析してみた。
今まで「おむつを外す」という行為にしか着目していなかったことに気づいた。
彼は若干潔癖気味だ。
おむつという絶対的安心感のエースを失えば、突然の尿意で汚れてしまうという危機にさらされることへの不安感が人一倍強いのではないだろうか?
その不安感が大きすぎておむつの辞め時を見失っているのかもしれない。
 
一か八かの賭けに出てみることにした。
彼が5歳になる前に「おむつ同盟」を卒業させてあげたい!
 
丁度、その時私は妊娠5か月目に入っていた。彼はお兄ちゃんになる予定であった。
保育園から帰ってきて彼に話をした。
私「もう少ししたら赤ちゃん生まれるやん?」
息子「うん」
私「赤ちゃんっておむつ履かないといけないやろ?」
息子「うん」
私「今さぁ、○○君のオムツこの天井のこの丸いところから毎日、ドラえもんが配達してくれててね」
息子「えっ!? あのドラえもん?」
私「そうなんよ、秘密にしてたけどドラえもんがね毎日配達してくれてて」
息子「そうなん!」
私「でね、おむつの配達ね、1家族に1人だけなんよ。だから○○君がおむつ辞めないと赤ちゃんの分ドラえもんから配達してもらえないのよ。そしておむつの配達5歳までしかしてくれないって昨日連絡が来てね」
息子「えっ!?」
私「○○君はもうおむつじゃなくてもおしっこできる体になってるから大丈夫だよ」
 
4歳11か月、「おむつ同盟」の最後の戦士は自らおむつを脱ぐことができた。
最後の1ピースは大好きなドラえもんがそっと彼の背中を押してくれたのだ。
彼に必要だったのはトイレに関する絵本や好きなキャラクターのパンツなんかではなく
ドラえもんという大好きな存在の優しさだったのかもしれない。
彼には物質的サポートは必要なかったのだ。ひと匙のファンタジー要素が最後の1ピースだったのかもしれない。
育児って親の想像力や分析力が子供に試される気がした瞬間だった。
 
ドラえもんがおむつを配達してくれているという丸い穴の正体はというと、使われていなかった「有線放送」のスピーカーだった。絶対的安心感のエースの「おむつ」を大好きなドラえもんが毎日運んでくれた穴ならば彼にとっては「4次元ポケット」か「どこでもドア」的存在だったのかもしれない。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事