メディアグランプリ

就職活動と合コンは同じ。と教えてくれた簿記の先生

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:都宮将太(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「御社では〇〇を行い、地域に貢献していきたいと思っています!」
「御社の説明会で言われた、〇〇に共感しました!」
 
当時、大学4年生の私は、嘘の志望動機を並べては、就職活動に明け暮れていた。
就職活動の面接で噓発見器を設置したら、全員の線が大きくブレるね。と言った友人の言葉に爆笑したのを今でも覚えている。
 
就職活動が始まり、学生が同時にスタートを切る。わけではない。
就職活動が開始される前に、インターンシップ等に参加し、水面下で活動している学生。一方で、単位取得で就職活動どころではない学生。周囲が内定ラッシュの時に、慌てて活動をスタートする学生と、様々だった。
私は中間だった。早く動いたわけでも、全く動かなかったわけではない。目指す業種が決まっていた分、少しはリードしていたのかもしれない。
 
就職活動の大半は、書類選考及び筆記試験→一次面接→二次面接→最終面接の順で行われる。
企業によっては、筆記試験が無かったり、面接の数が増減するが、大方この形だろう。
 
 
結論、私は約40社に応募し、2社から内定をもらえた。また、ありがたいことに目標とする業界へ就職することもできた。
 
しかし、就職活動をする中で、私は20社以上連続で不採用となり、このままどこからも内定がもらえないのでは? と毎日不安に思う時もあった。
そんな私を救ってくれたのは、就職活動を支援する先生でもなければ、企業の人事担当者でもない。
当時勉強していた、簿記の講義を担当していた先生だった。
学校の授業とは別に受けていた講義だったため、他の専門学校から派遣されてきた職員だった。
 
 
「就職活動は順調?」
その先生と一緒に昼食を取る機会があり、食事の最中に聞かれた。
「いえ……」私は答えた。
当時の私には悩みがあった。それは、一次面接までは通過するものの、それ以降が全く通過しないということだった。
 
就職活動が開始された当時、私は順調に一次面接を通過していった。面接が集中していたこともあり、一次面接通過の連絡も何社か同時期に受けた。私はすっかり天狗になっていた。
「就職活動って、結構ちょろいな!」
恥ずかしながら、当時の私は本気でそう思っていた。
だがしかし……
 
「総合的な判断で、お見送りさせていただきます」
 
といった、見送りメールが相次いだ。一次面接の合格通知が何社か同時期に来るといくことは、二次面接の不採用通知も同時期に来るということだ。
天狗でいられた期間は、ごくわずかだった……。
就職活動を支援する職員の話しを聞きに行くが、ほとんど参考にならない。
「自己分析が足りない」
「企業研究が足りない」
そんな模範解答しか返ってこないからだ。間違えてはいないもしれいが、自己分析に企業研究は、私なりにしているつもりだった。
そんな私を救ってくれたのが、簿記の先生だった。
 
 
「私は学生時代、バイトと合コンをした記憶しかない」
「このクラス全員が試験に受かったら、私が中州(福岡市の繁華街)に連れていく!」
「簿記検定に合格するのと、女性にモテるのだったらどっちがいい? 私は女性にモテたい!」
などと、ユーモアを交えた講義で楽しかったし、講義の内容もとても分かりやすかった。
その先生は学生全員の心を掴んでいただろう。
 
その先生に今の悩み打ち明けてみた。
「二次面接以降が全く通りません」と。
数秒の沈黙があり、先生が言葉を発した。
「自己分析」や「企業研究」といった言葉が出ると思っていた私の期待を、良い意味で裏切ってくれた。
先生は私にこう言ったのだ。
「都宮君は、合コン行ったことある?」
「合コンですか?」
「そう。私は学生時代、何十回と合コンをしてきたよ」と笑いながら言われたが、質問の意図が分からなった。
私も合コンには数回行ったことがあったため、そのことを伝えた。
 
「合コンの会場では、ルックスの良い人がモテるだろう?」
「はい」
「ルックスが良ければ、次にデートへ誘っても、二人で会ってくれるかもしれない。でも、中身が無いイケメンだったらニ回目以降のデートは無い!」
私はまだ先生の言っている意味が分からない。先生の合コンの経験談を聞かされている。そう思っていた。
「就職活動もそうよ! 企業の一次面接は合コン会場。二次面接以降は、合コンの後に行うデート」
更に先生は続ける。
「中身の無いイケメンも合コン会場という一次面接までは通過できるように、学生もある程度の元気とやる気があれば、企業の一次面接までは通過する。でも、二次面接以降となると難しい。二人でのデートで、この人中身がないと女性から思われたら、次のデートは無いし、就職活動でも二次面接以降に進むことは無い」
 
この時、私は既に先生の話しを聞くのに夢中になっていた。
 
「都宮君は、元気もあるし、やる気もあるけん、一次面接までは簡単に通過すると思う。でも、今のままでは、合コンで言う、中身の無いイケメンよ!」
「どうしたらいいですか?」
「嫌われてもいいけん、自分を出す! デートでも就職活動でも、嫌われることを恐れて、自分を隠すと逆に嫌われる。それなら、自分を出して嫌われた方がいいやん! しかも、自分を出すと、そんな自分を好きになってくれる人もおるけんね! 素を出して、素の自分を受け入れてくれる企業を見つけたらいい! 自分を出して落ちたら、その企業は合わんかったってことよ!」
 
確かにそうだった。私は二次面接以降、余計なことを言わないように自分を隠してした。面接練習のような、模範解答しか言っていなかった。
ワクワクした。もっとこの先生の話しを聞きたいと思った。
胸が軽くなり、根拠の無い自身まで湧いてきた。
その時は、その場で先生と別れたが、すぐにパソコンを開き、就職活動を進めた。
今まで通過しなかった二次面接以降。私は、先生に言われた通り、自分を出した。自分を出して不採用になったら仕方ない。そう割り切れていた部分もあった。
結果、先生のアドバイスを受け、二次面接以降も通過するようになってきた。
もっと早く聞いていれば……。少し後悔もした。
 
結果、私は目標とする業界から内定をもらうことができた。もし先生のアドバイスを聞けなかったら……。そう思うとゾッとした。
 
内定後、私は両親よりも先に簿記の先生へ報告しに行った。
すると、がっちり握手をしながら先生はこう言った
「次は合コンやね」と!
 
 
 
 
***
 
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2023-05-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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