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夏休みの宿題は最終日に片付ける「後回しスキルLv.MAX」の活用法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:くろねこ(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「だからもっと前から手をつけなさいって言ったでしょ!」
 
怒られているのは小学生のころの私。日付は8月31日。
涙目になりながら夏休みの宿題にせっせと取り組んでいる。走り書きで漢字の書き取りを終わらせ、自由研究に手を付ける。たしか紙粘土でよくわからない何かを作っていたと記憶している。その横で母はまったくもう! とぶつぶつ言っていた。
 
 
あの頃の母と同じ年になったが、やはり日々締め切りに追われている。
あんなに怒られたのに成長していない。お母さん、ごめんなさい。
「後回しスキル」というものがあるならば、いまや私のレベルはMAXだと思う。
 
そして今。非常にマズイことが起こった。
 
会社のチームメンバーが立て続けに産休に入り、チーム戦闘力が半減してしまったのだ。
当社は20〜30代が9割以上を占める若い会社だ。社内結婚率も高い。同時期に他部署でも産休・育休に入る人が多発し、お上が始めた「産後パパ育休」すなわちパパも育休を取ろう、という趣旨の制度開始も相まって全社の18%が育休に入るという危機に見舞われた。
 
大変おめでたいことだが人事という仕事柄、同時多発的に発生した追加求人の対応に追われることになる。つまり人は減って仕事は増えた。ついでにプライベートでは2,000文字の記事を毎週1本提出する、というミッションも加わった。
 
マズイ。非常にマズイ。
 
なにが一番マズイってこのように追い込まれてもなお、私の後回しスキルは自動的に発動することだ。
あー! あれやってない! と思いながらも飲みに誘われれば喜んで飛んでいってしまう。締め切りが目前なのに引き出しの片付けを始めてしまう。
 
しかし私は気づいてしまった。
 
追い込まれた状態で始めた引き出しの片付けは、いつもよりちゃきちゃきと進められる。圧倒的に効率が良いのだ。片付け以外もそうだ。同じことをしても追い込まれた状態と時間に余裕のある状態ではかかる時間が全く異なる。「後回しスキル」のレベルが上がるにつれて、短時間で一気に仕上げる力も伸びていったのか。
……もしかして「後でやること」と「今すぐやること」の組み合わせは非常に相性がよいのではないか。
 
問題は手をつける順番だ。
 
本を読むと物事の重要度と緊急度から考えて「優先度の高いもの」から進めていくと良い、と書かれている。
確かに新人のころに先輩からもそう教わった。ただ私の場合は「優先度の高いもの」から進めていった結果、「優先度の低いもの」は緊急度が上がるまで放置してしまう。そしてまた締め切りに追われるのだ。
 
だとしたらだ。
「優先度の低いもの」を終わらせないと、「優先度の高いもの」に手をつけてはならない。というマイルールを導入してはどうか。早速実験してみる。今回実験台になっていただくのは「2,000文字の記事を書く(優先度:高)」というミッションだ。締め切りは本日の23時59分と明確に決まっており、自分のライティングスピードから逆算すると着手すべき時間がおのずと決まる。
 
その前に来週期限である採用プレゼンテーション資料の作成を終わらせることをルールとしてみた。
資料作成は本気を出しても3時間はかかるだろう。よーいスタート。
 
途中経過(2時間後)。私の心の中を正直にお見せしよう。
 
 
「うわぁああああああ!!! あと1時間しかない!」
 
「もう!!! このペースじゃ間に合わないよ!」
 
「なんでこんな実験始めたんだ!! ばかばかばか!!」
 
 
自分に対して悪態をつきながらも、なんとか予定していた時間内に終わった。というか本音を言えば無理やり終わらせた。完成度は9割くらい。最初に過去の資料をだらだら眺めた時間がロスだったか。もうちょっと仕上げたい気持ちはあったが、私には記事を書くミッションが残っている。期限まであと2時間。
 
またしても脳内で叫びながらぱちぱちとパソコンで記事を書いていく。普段は少し書いてはぼーっとする、ちょこちょこ読み返す、を繰り返していたが今回はそんな時間はない。合間の遊び時間を削った結果、こちらもなんとか時間内に書き終えることが出来た。最後に読み返して提出だ。そして満足してベッドに飛び込み、思う存分ダラダラする!
 
普段から後回しなんてしない方々からすると発狂しそうな方法ではあるが、私にとっては非常に有効だと感じた。目的としていた「記事を書く」も終わったが、なにより少し先の締め切りである「採用プレゼン資料」もほぼ終わったも同然の仕上がりだ。私は短距離ランナータイプなのだ。憧れの長距離ランナーにはなれそうもない。
 
 
後回しの癖を肯定しているわけではない、ということは付け加えておきたい。
前倒しでできるならばそのほうがいいし、その仕組みがあるならばぜひ取り入れたいとも思っている。
ただ、そこそこ年齢を重ねてきて、習慣化されたものを矯正することは骨が折れる。それならばいっそ利用してしまえばいいと思い、今回の実験を実行するに至った。
 
成果としては、毎週1本の記事を書くというミッションを7週連続で達成できている。
実験はまだ折り返し地点ではあるが、優先度の「高いもの」をエサにして優先度の「低いもの」も片付ける、という方法は一定の効果を確認することが出来た。ただし、この方法はいくつかの注意事項がある。過去の経験から自分が本気を出した時の必要時間の見積もりを正確にだせることが最も重要だ。そして、ある種の精神的なタフさがないと効果を発揮しない。また本当にギリギリの状態での活用はおすすめしない。
 
「夏休みの宿題は8月31日まで残しちゃう系」の同士の皆さん、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。
終わらなかった時の責任は負えないので、くれぐれも自己責任でどうぞ!
 
 
 
 
***
 
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