アートリノベーションしよう
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：柏原健太郎（ライティング・ゼミ４月コース）
「これは一点ものです」
「オリジナルアートの中で暮らすことができます」
「本当に良いものは、必ず高値で売れてしまいます」
「そういう時代なのです」
大量生産品が飛ぶように売れることは少なくなった。
ほどほどのものを安く、大量に売るという商売は難しくなった。
今は、本当に良いものであれば、金額がかなり高くてもすぐに売れてしまう。
安くなくても、価値があるものであれば、高くても売れる時代になってきた。
私は不動産会社に勤めている。
不動産業界では初めての楽しい部屋を作ることにした。
その名も、アートの中で暮らす家。
私が企画して、OVER ALLsというアーティストと一緒にプロジェクトがスタートした。
築40年のマンションの一室を、スケルトンにして、4DKを1LDKにリノベーションを行った。
これにアートを加えて、アートの中で暮らす家を作った。
リノベーションとアートを組み合わせて、アートリノベーションというネーミングをつけた。
この物件には、多くのメリットがある。
壁に直に絵を描いてもらっているので、一点もののオリジナルアートが部屋の中にあるというか、部屋そのものがアートになっている。そのため、アートを購入したことが無く、アートへのハードルが高いと思っている人でも、すでに室内にアートが描かれているので、アートを選ぶストレスを抱える必要が無くなり、アートの世界への一歩が踏み出しやすい。
また、アートと不動産が一体化しているので、アートの売買でなくて、不動産の売買ということになる。そのため、住宅ローンが利用できる。住宅ローンでアートまで購入できるかもしれないのだ。
アートとともに生活することで、精神的に豊かに生きることができる。
大人だけでなく、子供の教育にも良いようだ。
私の実家にも絵は飾ってあった。その絵を無意識に眺めていたことで、その映像がたまに出てくる。それが幸せにつながっているのかは全くわからないが、脳の中には刻まれている。何か絵を自由に描こうとするときには、たまに影響が出ていることがわかるし、わかったときには、満足のいく絵が描けていたりする。
メリットが多いと思って進めたプロジェクトであったが、嬉しいことに、それ以上のメリットがあった。
それは、購入者へのメリットではなくて、制作側、つまりは私へのメリットだ。
まずは、広告効果だ。
不動産会社は売却する場合、販売図面を作成して、全国の不動産会社に情報提供するわけだが、販売図面の色合いでインパクトを残すことができた。不動産会社からの問い合わせも多かったが、マスコミ関係からの問い合わせから、取材も受けることとなった。反応にビックリした。
アーティストの頭脳のすばらしさ。
私が考えていることのはるか先の発想を提案してくれて、それを形にしてくれるという素晴らしさ。
利益が大きかった。
アートの価値は、私にはわからない。しかし、このアートの中で暮らす家は、最高に良い作品になった。また、アートリノベーション物件は世の中には出回っていないので、アーティストのためにも安い価格設定はしたくなかった。良いものが完成し、高く売れると信じることができたので、高い価格設定をしたと思ったが、すぐに売却することができた。まだ、安かったかもしれない。
価格については、ここで明かす訳にはいかない。ごめん。
実は価格設定で参考にしたのは、エキナカで期間限定で某有名ホテルに入っているショートケーキ一切れ、3,000円のものを、別にキレイな格好している訳でもない、普通のご婦人が迷い無く、4つも買って行った衝撃があったので、思い切った価格設定ができた。すぐに売れてしまったので、まだ高値を目指せていたかもしれない。
これからも、アートリノベーションをやっていきたい。
しかし、私はサラリーマンで、なかなか会社の承認が得られない。
確かに、はじめて分譲したアートリノベーションは大成功をおさめた。
しかし、前例の無いことだったので、力み過ぎた。
進めるためにケンカ腰になってしまったので、第二弾の企画については、ハードルが高くなってしまって、実現が難しい状況になってしまった。
それでも、アートリノベーションをやったときの感動は忘れない。
アーティストと共に制作していく過程は本当に楽しかったし、学びになった。
私のような中年おっさんでも、ワクワクが止まらない程に興奮しながら仕事した。
マジで楽しい。
アートリノベーション事業を一緒にやりませんか？
＊＊＊
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