怠け者が健康でいるためには、トイレは遠いほうがいいかもしれない
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記事:吉村奈緒子(ライティング・ゼミ4月コース)
「ト、トイレが遠い……」
久しぶりに出社をした時の、私の正直な感想だ。
新型コロナウイルス感染症の拡大が社会問題化し、私の勤める会社でも在宅勤務が可能となった。2020年3月より、私はほぼフルリモートで働いている。会社には数ヶ月に1度しか出社せず、毎日在宅で仕事をしながらの引きこもり生活である。
そして3年ちょい在宅勤務をしてみた感想は、「健康に長生きするには出社した方がいいかも」である。
もちろん在宅勤務には利点がたくさんある。
通勤をしなくて済むので、その分、睡眠を取ることができるし、宅配便も受け取れる。天気が悪い時などは特に在宅勤務のメリットを感じる。横殴りの雨が降っている様子を窓から眺めて、「在宅勤務でよかった……」などと安堵することも、しばしばだ。
在宅勤務をやめたいとは思っていない。
思ってはいないが、以前の働き方の方が長生きするかもな、と感じている。運動量の観点で、少なくとも健康寿命は長そうだ。フルリモートをされている方の中には、同意いただける方もいるのではないだろうか。
まず、大前提として、私は非常に怠惰な人間である。
怠惰な上に、引きこもりマインドが強い。「今日は家から一歩も出ないぞ」と謎の決意を胸に秘めて過ごすこともある立派な出不精だ。
そして、私は繊細である。そして実は真面目だ。
私のことを知っている人からは「嘘だ」「いつも能天気そうだ」などと非難されそうだが、実はいろいろなことを気に病むタイプで、後から「ああすればよかった、こうすればよかった」などと考え続けてしまう。気持ちの切り替えが下手くそなのである。
怠惰で引きこもり、でも実は繊細で真面目なタイプが、在宅勤務をしたらどうなるのか。
外に全く出ず、家に一日中引きこもりながら、朝から夜遅くまで仕事をし続けるという社畜が誕生する。元々社畜だったのに、更なる社畜にパワーアップし、深夜残業、休日出勤上等である。何しろ、すぐそこに仕事場があるのだ。PCを立ち上げたら仕事ができるし、逆に土日に仕事をしないと、謎の罪悪感が襲ってくる。平日は夕食もささっと食べて、PCに戻ることも多く、働き方として決して良いとは言えない。
座り過ぎは、血行不良と代謝の低下を引き起こし、健康に害を及ぼすと言われている。座位時間が長くなるほど、がんや高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクも増え、死亡リスクも増大するらしい。1日11時間以上座っている人と、1日4時間未満の人とを比べると、死亡リスクは40%上がる、との調査結果も出ているようだ。これは休日に少し運動すれば解決する問題ではなく、いかに毎日座りすぎないか、というのが大事らしい。
そして私はもちろん、1日11時間以上は座っている。仕事中ももちろんのこと、仕事が終わった後も座っているので、11時間どころの騒ぎではない。
怠惰な私も、さすがに老後が心配になってくる。
たまにオフィスに出社すると、その運動量に驚かされる。
通勤時間はもちろんのこと、オフィス内での移動もかなりのものだ。単純にトイレに行くだけでもそれなりに歩かねばならない。在宅勤務のときには10歩くらいでたどり着く距離だが、オフィスではそうはいかない。在宅勤務だと予定の隙間が1~2分あればトイレに行けるが、オフィス出社の場合には少なくとも5分は欲しい。
会議室への移動や、人とのコミュニケーションにも徒歩が必要だ。飲み物を買いに行く、ゴミを捨てる、同僚に話しかけに行く、などでも、そこそこ歩くし、立ち話も多い。
コミュニケーションもすべてPCの前、飲み物もトイレもすべて数歩で事足りてしまう在宅勤務とは、運動量が段違いなのだ。
以前は、同僚が「出社したら筋肉痛になった」と言っていたのを、笑ってツッコミを入れていたが、人のことをそろそろ笑えなくなってきた。たまに出社するとひどく疲れる。コロナ前に毎日出勤していたのが、遠い昔のことのようだ。
よって、週に一度くらいはオフィス出社をしようか、と考え始めた。怠惰な私は雨だと外出が億劫になってしまうので、行くなら梅雨入り前の今のうちだ。会社に行くと誰かしらとコミュニケーションを取れるのも楽しみの一つだし、オンオフの切り替えもしやすい。
また、在宅勤務中の過ごし方も工夫をする必要がある。うっかりすると座りっぱなしになってしまうので、ちょこちょこと立ち上がることを意識することにした。そして立ち上がったりしゃがむ時には、スクワットをしたりしている。焼け石に水だろうが、やらないよりはマシであろう。
コロナ禍でリモートワークが推進された一方で、5類移行に伴ってオフィス回帰をする企業もいると聞く。どちらがいい、とは一概には言えない。どちらにもメリットデメリットがあるし、個人の事情によりどちらを選択したいかは変わるだろう。どちらにせよ私達は自分が幸せに生活するために働いている。そのためには精神的にも肉体的にも健康でいられることが一番だ。
ただ、私と似たような引きこもり生活を送っている方は、要注意である。座りっぱなしはリスクが高い。座りっぱなし生活の皆さん、私と一緒に意識的に立ち上がり、少しでも死亡リスクを減らそうではないか。
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