メディアグランプリ

女性が応募したくなる求人票、これだけは教えたくなかった。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:イシヤマ(ライティング・ゼミスピード通信コース)
 
 
九州の片田舎で製造業の三代目社長をしています。
田舎の零細企業なので、人材採用は私の担当です。
 
地元新聞の折込チラシに、あるサービス業の求人がありました。メインコピーはこちら。
――
人手不足で困ってます! 難しい仕事ではありません!
簡単な仕事です! 本当に困ってます!
――
サービスの補助的業務の求人です。時給も、補助業務としては高いです。
しかし、このチラシでは話題になったとしても応募はないだろうなと感じました。ましてや、ハローワーク(ハロワ)にこのコピーのまま求人票を出したら受け取ってもらえません。なぜなのかは後ほど。
 
私の会社は人口3万人以下の小さな町にあります。従業員55人のうち80%が女性で、管理職も半分が女性です。製造業としては小規模ですが、ニッチ産業ということもあり県内の同業では最大規模を自称しています(あくまでも、自称です)。また多くの同業が廃業や経営再建の真っ最中ですが、毎年規模を拡大しています。
そして求人、特にパート求人では毎回目標をクリアしています。最近では他社からどうしてそれができるのか聞かれるようになりました。ほとんどがハロワ経由です。
 
ハロワの求人票で必要十分な人材を確保しています。
 
今から説明することを実行すれば応募は増えます。少なくとも可能性は上がります。失敗しても、現在より悪化することはありません。リスクゼロです。だったら、試す価値はあると思いませんか?
 
はじめにお断りしておきたいのです。
ここで求人の秘密をバラすつもりはなかったんです。
人材採用は今や全国どこも売り手市場なのです。
ただ、ネタに困って、とっておきのネタを出さざるを得なくなったのです。
だから、これを読んでも人には教えないでほしいんです。
お願いします…。
 
結論から申し上げると、ハロワ求人票にある工夫をするのです。
他社さんの求人票を見る限り、まだまだ普及していないテクニックです。
求人票の書き方を変えるだけで、応募が増えるんです。
 
ハローワークに提出する求人票で気をつける記入欄は2つです。
・表面の「仕事内容」
・裏面の「求人に関する特記事項」
です。
 
「仕事内容」にはお願いしたい仕事を詳しく書きます。とはいっても、細かい工程を書くのではありません。
冒頭の求人チラシを例にすると、「簡単な仕事」とはどうして簡単なのか? 例えば厨房の皿洗いをするとして、「一般的な皿洗い」だと未経験者は家事での皿洗いを想像して敬遠するでしょう。「食器を回収して食洗機に投入するだけ」と説明すれば理解しやすくなります。
「難しい仕事ではありません」も同じで、それでは求職者は安心できないのです。客観的な書き方で、重たいものは持たないとか、厨房内だけでホールで接客する必要はないといったことを書きます。
女性は家事や子どもの都合で休むことも多いものですが、そのような休みに対応可能であれば、そのことも書くことをお勧めします。ただしウソはダメですよ。
 
「求人に関する特記事項」にはお店や会社の福利厚生や雰囲気を書きます。たとえば、扶養内勤務ができるか、社会保険加入はどうなっているか? 社保は義務だからわかりきっていると言わずに敢えて書くことも求職者にとっては安心材料になるようです。他には社風として「若い人が多くて活気がある」とか「ベテランが多くてみんなで助け合っている」とか「風通しが良い」といったこと、事業拡大中であること、平均年齢や平均在籍年数、離職率などのセールスポイントがあれば書き込むと良いですね。
ただ、冒頭のチラシにあるような「困っています!」などの情緒的な表現はハロワで却下されるように思います。みんな困ってるわけですから。むしろ問題のある職場であると警戒されるかもしれませんね。
基準は不明ですが、「盛った」アピールもチェックが入ることがあるので、正直かつ具体的で詳しく説明できるのがベストです。
 
「仕事内容」に書ける文字数は360字(12行)、「特記事項」には600字(20行)書くことができます。上手に利用したいものですね。
 
これを実行した私の会社の場合についてお話します。
私は、仕事の中身を詳しく書くことに否定的でした。詳しく書きすぎると、求職者に敬遠されるのでは、そんな心配をしていました。簡潔すぎてハロワから怒られたこともあったくらいです。
 
しかし、あるとき考えを改めたのです。
 
繁華街に入ったことのないラーメン屋さんがあります。扉は閉まっていて、中がよく見えません。ネットにも情報のないお店でした。
 
さて、このお店に入りたいと思いますか?
 
私は入りたくないと思ったのです。ラーメン屋さんくらいならちょっと冒険しようと思うでしょう。では、職探しだったら? できるだけ雰囲気がわかる方が安心するのではないでしょうか。
 
そのように考えて、求人票を丁寧に書くようにしました。すると、変化が起きたのです。少しずつですが応募者が増えてきたのです。タイミングが良ければ求人票が公開されると立て続けに申し込みが入ることも珍しくありません。
 
応募動機をたずねると、応募以前に私の会社の業務内容を知っている人はゼロ。ではどうして応募しようと思ったのか聞いてみると、半数くらいから「求人票に仕事内容を詳しく書いてあったから」という答えが返ってきました。中には、「ハローワークから勧められたから」という答えもありました。
適切に書いてあれば、ハロワが求職者に教えてくれることもあるのだと知りました。
そして、求人票をよく読み込んでいるのは女性の方だと感じています。だから、女性の採用をお考えのお店や会社には求人票の作り込みをお勧めするのです。
 
ああ、とうとう書いてしまった。
願わくば、同業他社やご近所のお店がこの記事に気がつきませんように。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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