書けなくなった私が辿り着いた場所は、本屋だった。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:島本智恵子(ライティング・ゼミ2月コース)
中学生の頃からずっと、何かしらの文章を書いているのが日常だった。
小学生の頃に、コバルト文庫やティーンズハートの少女向け小説が流行り始め、元々本好きだった私も、ものの見事にどハマりした。両親は、本であれば小言を言わず買ってくれる人達だったので、月に何冊も買って貰った。近くに書店がなくて、車で15分かかる隣町の書店まで行くのが毎週末の楽しみだった。
お気に入りは、折原みと先生。多分、私の恋愛観を作り上げたのは、みと先生の本だと思う。そのあとハマったのは、氷室冴子先生。「なんて素敵にジャパネスク」や「銀の海金の大地」が大好きだった。
そうやって、読みまくってたら、段々と「私にも書けないかなぁ」なんて思うようになって、見様見真似で書いてみたけど、自分が書くどの文章も、どこかで読んだことがあるような文章ばかりになってることに気がついて、面白くなくって、辞めてしまった。
小説は無理。と判断したものの、それでも何か書きたくて、自分の心の中にあるものを形にしたくて、ポエムを量産しまくる時期に入る。中学3年生の頃のクラス文集には、なんて素敵にジャパネスクに出てくるキャラクターの絵と自作のポエムを載せた記憶がある。(あぁ、これぞ、黒歴史)学校を卒業して、働き始めた頃には、またポエムを書きまくる時期に入る。ちょうどその頃インターネットが普及していて、自作のポエムをアップするHPを自作して、書き溜めていたポエムをアップしてた。(あのサイトは、一体どこに消えたのか……)
その後、mixiやアメブロが登場。もちろんすぐにアカウントを作って、自分が考えていることを日々発信するようになった。SNSは、自分が思っていることを自由に書いて、誰かが読んでくれて反応まで返ってくる、 私にとっては、文章のキャッチボールが出来て、感情のやりとりまで出来る魔法のツールだった。
そうやって、ずっと自分が感じていることを言葉にすることが好きだったし、心地よかった私が
数年前から、段々と書けなくなっていった。「書きたいことはある」から書こうとする。けど書いている途中で「こんなん、誰が読むん? 誰の役に立つん?」って、もう1人の自分が頭の中で呟くようになった。そしたら、途端に書けなくなった。途中で、キーボードを打つ手が止まる。何も感じていないわけじゃないから「これ書いてみようかな」と思って、パソコンに向かって書き始めると、また頭の中で聞こえてくる。「誰がこんなの読みたいの?」って。そんな風にして書けなくなってしまった。
けどね、やっぱり私書きたい。前みたいに、自分が感じていることを言葉にしたい。誰かに伝えられなくてもいいから、自分が感じていることを、アウトプットしたい。
そんな時、何度目かの天狼院書店のライティングゼミの広告が目に入ってきた。天狼院書店の秘本を何度か購入したこともあったし、三浦さんの殺し屋のマーケティングは、個人事業主でイベント企画や運営をやっていた私にとっては必要な本かもしれないと思って、読んだことがある。必要かもしれないと読み始めた「マーケティングの話」のはずなのに、物語に夢中になって、読み終わった瞬間「あれ? 私小説読んでたんだっけ?」とまた読み直す羽目になった。その位、面白かった。
「あれを書いた人に、文章を教えて貰えるのか……」と、興味はあった。何度も、ライティングゼミの募集要項を見に行っては、「受けてみたいなぁ。きっと楽しいよなぁ。でも、私が行って、何か変わるのかなぁ?」と思ってページを閉じた。
けど、もうなんでもいいから「書く」ってことを、私の頭の中にあるモヤモヤした塊に形をつけて外に出すことを、再開したかったし、私の文章を、私のこれまでの人生を、全く知らない誰かに読んで貰って「面白い!」って言って欲しかった。
そして2月から、ライティング・ゼミがスタート。これまで自由にフリースタイルで書いてきたけど、習ったことをやってみることで、これまでのブログで書いてきたことの焼き直しになるかもしれないけれど、その時に「書きたい!」と思ったことを文章にして、書き終わることが出来るようになった。そしたら、これまでのことが嘘みたいに書けるようになっていった。「誰かの役に立ちたい! 誰かに喜んで貰いたい!」そうやって、ここ数年ブログを書き続けてきたけど、その気持ちだけだと書けなくなった。この気持ちも、もちろん大事。大事なんだけど、最終講義の時に三浦さんが言った「自分が面白いと思ったものじゃないと、世の中に出せないでしょ?」の言葉に「どん!」と背中を押して貰った。きっとこれから先も、誰かに喜んで貰いたくて誰かに面白いって思って貰いたくて書き続けると思う。でも、その思いが強すぎて、書けなくなりそうになる度に、三浦さんの言葉や、この講座で習ったことが、私の背中を押してくれるに違いないと思う。
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