20年占いにハマり続けて気づいた、いい占い師に共通していること
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:赤羽かなえ(ライティング実践教室)
「あなたの結婚相手って金持ちなの? だったらいいんじゃない?」
手相を見てくれた飲み屋の女将が顔をあげて私に聞いた。
え、それって、全然、手相関係なくない?!
私の呆れた顔を女将に見られてしまっただろうか。
結婚する直前、私はとある占いに行くことにした。待ち望んでいた結婚だったけれど、遠方に引っ越すし、会社も辞めることになる。そんな時に誰かから背中を教えてもらいたい、そんな気分だった。
「近所の飲み屋の女将が手相を見てくれるらしいんだけど、それが良く当たるんだって」
会社の同僚に言われて、冷やかし半分に店を訪れた。ビールを片手に事情を話して手相を見てもらうと、女将はちょっと眉をひそめた。
「あなたは一人の男性とは長く続かない、浮気線が沢山あるもの、結婚はおススメしないわ」
ため息をつきながら、女将に言われた日には、不安が増すばかりで、見てもらわなければよかった、と思った。挙句の果てに、「相手がお金持ちならば大丈夫よ!」などという謎の太鼓判をもらっても何のフォローにもならない、と腹を立てて帰宅した。
良くない結果が出ると、どうにか挽回したくなる。それ以降、私は色々な占いに手を出し、なんとか安心できる結果にたどり着いて、どうにか無事に嫁入りしたのだった。それ以降、占いと名がつくものが気になるようになった。
手相だけでなく、四柱推命、マヤ暦、西洋占星術、タロット占いなど、世の中で「占い」的に分類されるものは多く、それを学んでいる人達も意外に多い。私は、ことあるごとにそういう人達に、自分のことを占ってもらいながら生きるためのヒントを見つけてきた。
そのうちに、占い自体に興味があるというよりは、私は、占いをしてくれる人に興味があるんだな、と思い至った。
同じ占いでも色々な人から話を聞きたくなる。誕生日や字画が変わるわけではないから導きだされる結果は一緒なのに、どうして人気の占い師とそうではない人がいるんだろう? と前から疑問に思っていた。自分自身にもすんなり受け入れられる人と、なんとなく抵抗がある人がいるのと気づく。
結果は一緒のはずなのに語り手の目線によって私の印象は全く変わる。そこに、占いをする人の人生観や相手にどういうメッセージを伝えたいのかという思いが出る気がするのだ。
そんな中でも飛びぬけて面白い占い師さんに先日出会った。その人は、タロット占いをやっている人で、全国を車で旅しながら占いをしているらしい。
予約が殺到している人で、約半年ほど待って忘れた頃に私の順番が来た。日程が決まり、当日をとても楽しみにしていた。
当日待ち合わせ場所に現れたさすらいの占い師は季節に合わない、黒のジャケットを着こんで、汗だくで私を待っていた。おおよそ占い師には見えない風貌でかなりいかつい感じの人だけれど、話し始めるとやたら腰が低い。
「始める前に、よかったら、あなたのことを話してくれませんか?」
柔らかい物腰に促されるままに私は、自分の夢や今の家族の状況などを沢山話した。彼は、静かにニコニコと頷きながら聞いてくれるので、話しやすくて、気がつけば30分くらい1人で話していた気がする。
聞くだけ聞いてくれた占い師さんは、自分が学んだことですが、と前置きして、私が悩んでいることなどに、アドバイスをくれた。
その時に、不意に結婚する直前の手相の女将のことを思い出したのだ。あの時と同じ、全く占いと関係ない。でも、あの時には女将の言葉にモヤモヤするばかりだったけれど、さすらいの占い師は、カウンセラーのように懇切丁寧にやり取りしてくれたので、占いをする前になんだかスッキリしてしまった。
よくよく話を聞いてみると、彼は、元警察官という異色の経歴の持ち主だった。でも、私は、元の職業を聞いて納得してしまった。人の話をじっくりしっかり聞いて優しくアドバイスしてくれるのは、彼の前職で培ったスキルのおかげだったのだ。
そうやってコミュニケーションをしっかりした後で、実際の占いに入ると、アドバイスがちゃんと胸に沁みこんだ。
結局、2時間以上話したうち、占いはその半分くらいの時間しかしてもらわなかったけれど、とても満足度が高かった。
さすらいの占い師の人気の理由が分かった気がした。占いのスキルだけでなく、聞く力、信頼感を作るための雰囲気作りがとても素晴らしかったのだ。
思い返せば、私が魅力的だと感じた占い師さん達はみんな、よく私とコミュニケーションを取り寄り添ってくれる。だからこそ、心を開いて彼らの声に耳を傾けられるのだ。
占いは、占いじゃない部分が面白い。彼が去っていく後姿を見ながらしみじみ思った。
***
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